猫語の教科書 (ちくま文庫)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480034403

感想・レビュー・書評

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  • この文庫を読んでいて、ちょっと不思議なことが起こった。
    我が家のネコが、かじりつかんばかりに、この文庫に鼻をすりつけてきたのだ。図書館から借りてきたこの文庫に、どうやら独特の匂いが染みついているらしい。
    犬ほどではないが、ネコだって嗅覚はすごい。
    そのときのネコの様子は、他のネコの使っていたぬいぐるみの匂いに反応したときとそっくりだった。
    前にこの文庫を借りた人もきっとネコ好きで、その読者の家ネコの匂いが本についていたのにちがいない。

    さて、
    「猫語の教科書」という書名。だけど、読み進めると、ちょっとしっくりこない。内容構成は、メスの成猫が、子猫たちに語るようにして伝える、ヒトとじょうずに付き合うための指南書なのである。

    英原題を調べると↓…。
    「The Silent Miaow: A Manual for Kittens, Strays, and Homeless Cats」
    …まさに、子猫やみなしご猫、家なき子たちのためのマニュアル…なのである。
    ちなみに、サイレントミャーは、猫好きには自ずと知れた、あの「声無しニャー」のこと。本書では、声無しニャーは、ヒトの心をメロメロにしてしまう奥の手、と指南されているのだ。

    かような按配で、猫目線でヒトをじょうずにてなづけるノウハウを語る本書である。
     …なのだけど、「第14章 愛について」の以下の一節↓ は、ちょっと胸に迫る。

    「ずっといっしょに暮らしている家族に対してそれを感じました。子猫だった私が乗っ取ったあの家族です。私は家族を愛していて、家族も私を愛しています。…」 

    涙腺がむずっと来るのを感じてしまった。

  • 小学生か中学生くらいの頃に買ってずーーーっと積んでたやつ。
    作者が猫大好きで、猫飼いの気持ちや願望がこれでもかというほど代弁されている素敵で愉快な本やったけど後半飽きたので評価低め。
    わかるよ、猫が主人だしわたしたちは猫の奴隷だしそうありたいし、猫にはそうあってほしいよね。猫好き・猫飼いのわたしらにはそういう願望がある。
    猫好きの猫飼いが読むと悦びで身悶えしちゃうよ。

  • 苦手な語り口、いらいらする。ツィツァ、サンボ。やがてくるであろう猫族による人間征服を一歩推し進めたということ、声を出さないニャーオ

  • わたしにとっては少なくとも昨日読んだ「わたしの一生」よりは面白かったかな。「猫が人間を支配している」という見解については両方とも一致してるんだけれどね(笑)

    やはり猫を飼っている身としては「うちの猫」はどう考えてるんだろう?と比較して考えざるを得ない。「この教科書、読んだのかな?読んでないのかな?」とかね。

    結果としては「うちの猫はこの本を読んでいない」と思った(笑)声のない「にゃー」は見たことないもの。。それとも単にできないだけだろうか?それに食卓と流しの上にはあがらないこと、というマナーもなってない(笑)ちょっとはこの本を読んで勉強して欲しいものだ(爆)

    っていうか、もしかしたらうちの猫もこの本はとっくに読んでいて「ここは納得できるけど、ここは無視」なんて決めちゃってるとかね。そしてこの本に書いてある風にわたしらのことを思ってたら怖いわ。

  • 猫が大好きなひとはおもしろいんでしょうね。

  • 勉強になった

  • 猫が描いた人間の家の乗っ取り方読本。

    跳躍者の時空のガミッチを想像して買ったらがっかりした。
    文章の合間合間に「アタクシ、頭いいでしょう?」といった筆者の自慢が入るHowto本と言えば分かりやすいだろうか。

    猫視点の本って自信満々に見当違いなことを言うから猫っぽくて可愛いのになぁ。この「アタシ頭いい!」感を前面に出してる感じがむしろ猫っぽいとも言えるけど、これに可愛げを感じるのは俺には難しい。

  • 猫が人間の家を乗っ取るための方法を説いた本という設定。
    う〜ん、期待が大きかっただけにちょっと肩透かし。

    「人間は猫を擬人化して考えたがるの、
     本当は猫はそんなつもりじゃないのにね」
    というような言葉が出てくるけど、
    まさにこの作品がその最たるもの。
    あまりに人間的な思考法で語る文章に
    ちょっと冷めてしまい、その設定を楽しめない。

    僕が猫を好きなのは、人間のような理性や知性に則った
    思考の想定を遥かに超えたルールで飄々と生きる、
    その「人格的でなさ」なんだろうな。。

    ただし序盤の、男や女や子供や
    独り者についての考察は大層面白かった。

著者プロフィール

1897年、ニューヨーク生まれ。コロンビア大学卒。デイリー・ニューズ社でスポーツ編集者、コラムニスト、編集長補佐として活躍。退社後、英デボンシャーのサルコムの丘で家を買い、グレートデーン犬と23匹の猫と暮らす。1941年に第二次世界大戦を題材とした『スノーグース』が世界的なベストセラーとなる。1944年にアメリカ軍の従軍記者に。その後モナコで暮らし、海釣りを愛した。生涯40冊以上の本を書いたが、そのうち4冊がミセス・ハリスの物語だった。1976年没。

「2023年 『ミセス・ハリス、ニューヨークへ行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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