十六夜橋 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480034854

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  • 不知火に生きる人々の人間模様。
    旧家の女たちの因習、奉公勤めの少年の目に映る新しい世界、売られた少女の願掛け、主の娘達を見守り続ける重鎮の老人の想い。
    文章が美しく、人々の人間模様が織物のように重なり合います。
    神に供える姫人形と老人形師の物語や、想い人と心中した令嬢、神への踊りに励む青年など小さなエピソードがまた印象的です。

  • 辺見庸による解説「あらゆる評言を許す。けれども、いかなる評言も当てはまりはしない」という言及が、奇しくも私の感想でもある。
    同じ母国語をもつ作者と読者、という紐帯がはらむ濃厚な血の絡み合いを感じ取る、そんな読書。

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著者プロフィール

石牟礼 道子(いしむれ みちこ)
1927年3月11日-2018年2月10日)
熊本県、天草の宮野河内(現河浦町)で生まれる。母の実家は石工棟梁・回船業も営んでおり、父はそこで帳付けを勤めていた。祖父の事業が破産してから、小学二年の時に天草から水俣の北はずれに移住。優秀な学業成績から、三年制の実務学校(現水俣高校)に進学。ここで短歌を学んだ。卒業して教員養成所に入り、16歳で小学校の代用教員となって、詩と短歌を続ける。1947年に小学校を退職し、結婚。
その後若い労働組合員や詩人・谷川雁と知り合ってから、水俣病の患者の聞き書が始まる。1969年『苦海浄土』を刊行(熊日文学賞、大宅壮一ノンフィクション賞が与えられたが患者の苦患を語る本で賞を受けないと辞退)。水俣病の惨苦を世に広く伝えるだけでなく、「水俣病を告発する会」を渡辺京二さんらと結成して多くの患者とその運動に寄り添い、水俣病訴訟の勝訴に貢献。晩年はパーキンソン病を患って長編作を控えたが、旺盛な執筆意欲は衰えず、数々の作品を記していた。
1973年、マグサイサイ賞受賞。1993年、『十六夜橋』で紫式部文学賞受賞。2002年、朝日賞受賞。同年新作能「不知火」を発表。2003年、『はにかみの国―石牟礼道子全詩集』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。
2004年から『石牟礼道子全集 不知火』を刊行、そこで『苦海浄土』の改稿と書き下ろしを加え、第二部・第三部を完結させる。池澤さんが個人編集した『世界文学全集』にも、日本人作家唯一の長編として収められた。

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