ねぼけ人生 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
4.02
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本棚登録 : 351
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480034991

作品紹介・あらすじ

陽気な落第生だった少年時代、ラバウルで死の淵をさまよい片腕を失った戦争の時代、赤貧のなかで紙芝居や貸本マンガを描き続けた戦後、そして突然訪れた「鬼太郎」と妖怪ブームの中で締め切りに終われる日々。波爛万丈の人生を、楽天的に生きぬいてきた、したたかな日本土人・水木しげるの面白く、ちょっぴり哀しい半生の記録。

感想・レビュー・書評

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  • 水木しげるの自伝的エッセイ。なんとはなしに手に取った本だが、ものすごく面白かった。戦争はその体験の悲惨さから、あまり大きな声では語られないものだが、水木しげるはこの本でもかなり雄弁に語ってくれています。単純に読み物として面白く、あっという間に読み終えてしまった。若い世代にぜひ読んでほしい一冊。

  • 水木しげるの回顧録。いくつかのエピソードはどこかで読んだことがあったけど、時系列で半生を知ると、壮絶としかいいようがない。

    壮絶だったからこそ、あのような達観した雰囲気を醸し出せるのか、それとも子供の頃からそうだったのか。この本を読む限りは後者なんだろうなと思った。

    水木しげる作品は、『定本 悪魔くん』『劇画ヒットラー』『河童の三平』の有名作品しか読んだことがないので、京極夏彦監修の全集を少しずつ集めようと決意しました。

  • 2010年ni大ヒットした「ゲゲゲの女房」。こっちは水木しげる御大の自叙伝です。奥様の書かれた本とはまた違った味わいがあって、僕はこっちのほうがどちらかというと好きなのですが…。

    2010年に大ヒットした『朝の連続テレビ小説』の『ゲゲゲの女房』。当然僕は物語は二の次で女房を演じる松下奈緒さんが目当てで見ていましたがドラマのできそのものは非常によろしゅうございましたね。それはさておいて、こっちは水木しげるの自伝的エッセイ集です。この本はずいぶん昔。確か、高校生ぐらいのころに一度読んで、今回この記事を書くためにもう一度読み直してみたのですが、こういう人生もいいというのかなんというのか。

    ほのぼのとしたタッチで自分の人生をつづっていますが内容は結構壮絶な人生です。水木御大の少年時代をつづった「学校も仕事もままならない」という箇所で当時勤めた会社がどうしても勤まらなくてクビになるときに会社の社長から
    「親を呼んでこい!!」
    とまでいわれたことや、戦争に行ったときにボルネオでマラリアにかかったり、爆弾に被弾して左腕を失ったことや復員しての極貧生活、そしてマンガでの成功が描かれています。

    僕はこれをなぜかとあるビジネス書と一緒に読んでいますが、なぜかこれでいいんだとさえ思っています。

  • すさまじい体験の数々を淡々と、すこし褪せた笑いも込めて綴られた本。
    ラバウルから引き上げあたりのくだりを読むと、今の自分が弱っちくてたまらなくなりました。

  • 水木しげるの半生記。
    ゲゲゲの鬼太郎誕生秘話や、つげ義春や白土三平との交遊録、アシスタントだったという、釣りキチ三平の矢口高雄のことなど興味深い逸話が収められている。
    貧乏をものともせず 、むしろそれを楽しんで力強く前向きに生きていこうとする姿勢が爽やかに描かれている。

  • 幼少期から一貫して、よく食べてよく寝た水木しげるサンの自伝。

    勉強以外の色んなことが得意でガキ大将だった少年時代。
    就職したがまったく続かず、美術学校に行きたかった十代後半。
    爆撃で片腕を失い、マラリヤに侵されながらも、土人と交流した戦争の時代。
    助成金をせしめる結社に参加し、魚屋をやったり、二輪タクシーのオーナーになったりしながら美術学校に通った復員後。
    宿を買い取ってアパート経営を始め、紙芝居を書き始めた二十代後半。
    鬼太郎シリーズの元になる話を作り、時代に合わせて貸本マンガ作者になるが貧困だった頃。
    ラバウルで交流した土人たちの暮らしを想いながら、雑誌連載の締切に追われる日々。

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    水木サンはホガラカに振り返っているけど、激烈に波乱万丈な人生だと思う。
    貧困に苦しむ時期もあれば、死んでもおかしくない戦渦のなかにいたこともある。学校や職場に定着していない時期もたびたびある。
    それでも、悲劇にならないのは水木サンの人柄なんだろうなあ。とくに戦後、文字通り、右手一本で人生を切り拓いていく様子は圧巻。

    寝ることと食べることが大好きな水木サンなのに、漫画の仕事が忙しくなってどちらも満足に楽しめないのがすこしかわいそうだったし、理想の暮らしをしているはずの土人たちも働いて金を稼ぐことに精を出してしまっていて、豊かな暮らしとはどういうことなのかを考えさせられた。好きなものを楽しむくらいの余裕がないと、本当の意味で豊かではないのかもしれない。

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    終盤、水木サンの職場に現れる、つげ義春さんがとても気になった。数回の登場だけでここまで陰気な印象を残せる人はあまりいないと思う。
    つげさんについてももっと知りたいと思う。悩んで苦しんだ挙句、描くのをやめた異才の漫画家。自伝とか出てないのかな。

  • 水木しげるの半生が書かれている。
    実話がリアルに書かれていて面白い。
    戦争の頃の話、幼少期の思い出など。
    彼の独特の世界観にいつのまにかはまってしまう。
    たくさんの魅力がある本だ。

    by 水木

  • 奇人変人のイメージが強いし、インターネット上ではかくも鬼畜のように書かれていたり
    本人の言葉でも あまりにもくだらなかったり汚かったり馬鹿らしい話が多いけれど、その バカのマントで身を覆ってきた人なんだろう 本当は誰よりも繊細で、心配性で、悲しがりだったのかもしれん 分からんけど

  • 紙芝居 → 貸本 → 雑誌 というふうに漫画文化が変わってきたことがよくわかった。雑誌/単行本文化にどっぷりはまっていると、これが「正しい」あり方のような気持ちだったけど、スマホ対応の色々な漫画が試されることの方が自然なのだと思った。
    「楽園」は自分でつくるものなのだなとも。ヒントは他からもらうにしても。

  • 戦争時代、貧困時代がすごかった!!もういろいろと尊敬です!!

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著者プロフィール

水木しげる(みずき しげる)
1922年3月8日 - 2015年11月30日
大阪で生まれ、鳥取県境港市で育つ。従軍経験で左腕を失いながらも生還。終戦後より紙芝居、貸本漫画などを執筆。1964年に『ガロ』にて商業誌デビュー。2007年、『のんのんばあとオレ』によりフランス・アングレーム国際漫画祭で日本人初の最優秀作品賞を受賞。2010年、文化功労者に選出される。代表作に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『劇画ヒットラー』『総員玉砕せよ!』『のんのんばあとオレ』『日本妖怪大全』など。

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