ねぼけ人生〈新装版〉 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
4.03
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本棚登録 : 428
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480034991

作品紹介・あらすじ

陽気な落第生だった少年時代、ラバウルで死の淵をさまよい片腕を失った戦争の時代、赤貧のなかで紙芝居や貸本マンガを描き続けた戦後、そして突然訪れた「鬼太郎」と妖怪ブームの中で締め切りに終われる日々。波爛万丈の人生を、楽天的に生きぬいてきた、したたかな日本土人・水木しげるの面白く、ちょっぴり哀しい半生の記録。

感想・レビュー・書評

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  • 少年時代、戦場での日々、復員後の貧困生活、売れてからの多忙な暮しを振り返る自伝。救いのない悲惨な戦場でのできごとや、先の見えない辛い貧困の様子などが細かく描写されるが、ユーモア満載、馬鹿馬鹿しく笑える文章の技で楽しく読ませる一冊。死と向き合って暮らした南方の島の民との生活に、戦後、再び戻ることを願ったものの果たせなかったくだりは切なく、幸せのあり方について考えさせられた。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/764697

  • 水木しげるの自伝的エッセイ。なんとはなしに手に取った本だが、ものすごく面白かった。戦争はその体験の悲惨さから、あまり大きな声では語られないものだが、水木しげるはこの本でもかなり雄弁に語ってくれています。単純に読み物として面白く、あっという間に読み終えてしまった。若い世代にぜひ読んでほしい一冊。

  • 2010年ni大ヒットした「ゲゲゲの女房」。こっちは水木しげる御大の自叙伝です。奥様の書かれた本とはまた違った味わいがあって、僕はこっちのほうがどちらかというと好きなのですが…。

    2010年に大ヒットした『朝の連続テレビ小説』の『ゲゲゲの女房』。当然僕は物語は二の次で女房を演じる松下奈緒さんが目当てで見ていましたがドラマのできそのものは非常によろしゅうございましたね。それはさておいて、こっちは水木しげるの自伝的エッセイ集です。この本はずいぶん昔。確か、高校生ぐらいのころに一度読んで、今回この記事を書くためにもう一度読み直してみたのですが、こういう人生もいいというのかなんというのか。

    ほのぼのとしたタッチで自分の人生をつづっていますが内容は結構壮絶な人生です。水木御大の少年時代をつづった「学校も仕事もままならない」という箇所で当時勤めた会社がどうしても勤まらなくてクビになるときに会社の社長から
    「親を呼んでこい!!」
    とまでいわれたことや、戦争に行ったときにボルネオでマラリアにかかったり、爆弾に被弾して左腕を失ったことや復員しての極貧生活、そしてマンガでの成功が描かれています。

    僕はこれをなぜかとあるビジネス書と一緒に読んでいますが、なぜかこれでいいんだとさえ思っています。

  • ほがらかなニヒル

  • 仕事に疲れた時に読むと元気がもらえる。

  • 水木しげるの幼少期から漫画家として大成するまでの自伝。
    戦争体験もさることながら、戦後の貧乏暮らしが凄まじかった。

  • 水木しげるさんの半生。水木さん最高です。

  • すさまじい体験の数々を淡々と、すこし褪せた笑いも込めて綴られた本。
    ラバウルから引き上げあたりのくだりを読むと、今の自分が弱っちくてたまらなくなりました。

  • 水木しげるの半生記。
    ゲゲゲの鬼太郎誕生秘話や、つげ義春や白土三平との交遊録、アシスタントだったという、釣りキチ三平の矢口高雄のことなど興味深い逸話が収められている。
    貧乏をものともせず 、むしろそれを楽しんで力強く前向きに生きていこうとする姿勢が爽やかに描かれている。

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著者プロフィール

1922年(大正11年)生まれ、鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、ラバウル戦線で左腕を失う。復員後、紙芝居画家を経て貸本漫画を描き始め、1957年『ロケットマン』でデビュー。以後、戦記もの、妖怪ものなど数多くの作品を発表。1965年『テレビくん』で第6回講談社児童漫画賞を受賞。1989年『昭和史』で第13回講談社漫画賞を受賞。1991年紫綬褒章受章、2003年旭日小綬章受章。主な作品に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『総員玉砕せよ!』『のんのんばあとオレ』など。2015年11月死去。

「2022年 『水木しげるの大人の塗り絵 あの世紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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