マリアのうぬぼれ鏡 (ちくま文庫 も 9-6)

著者 :
制作 : 早川 暢子 
  • 筑摩書房
3.54
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本棚登録 : 162
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480035769

感想・レビュー・書評

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  • 贅沢、食い道楽、幸福、恋愛、小説家、お洒落、思い出、巴里、空想、日本人、人生について編者選りすぐりの森茉莉語録。彼女は本当に美しいもの、綺麗なものが大好きでいくつになっても少女のようなキラキラした瞳が見えるようです。彼女の幸福そうな文章に触れると疲れもふっと癒されます。森茉莉の熱烈な巴里愛には脱帽です。

  •  ちゃんとした作品で読もうと思った。

    1★いつも感じるのだが、クイズ番組に出る人々が、東大の入試を受ける学生のようにカチンカチンにこわ張り、うまく当った答えが出来るとこれ又、小学生の子供が競争相手に向ってするような、得意然としたおすまし顔になるのが可笑しい。野球にもこの傾向がある。クイズは遊びである。野球は協議である。どっちも武蔵と小次郎の真剣勝負ではない。

    2★「社会」という漠然としたもの。それも私達の国では狭い、息苦しい感じがする。社会というものの広さは、国や街、風景なぞの広さのように計ることは出来ないが、それだけその広さは、その中にいる人々の心持によってはいくらでも、際限なく、大きく、なることが出来るのだ。

    3★要するに、私の嫌いな人間というのは何かの、自分でないものに化けている人間である。田舎者が東京人に化けて東京の周辺に跋扈しているように、いろいろな化けた人がいる。世は今や贋もの時代であって、又本物がいると、「これは本物である」とジャアナリズムは言い、贋ものをも「これは本物である」と言っていて、全く紛らわしくも又、ややこしい世相なのである。

    4★だいたい美人というものは、人を憎んだり、意地の悪いことをしたりはしないものである。世を挙げて恋愛時代で、若い女はすべて愛されたい慾望を持っているが、愛されたいと思ったら、ブリーチより、アイラインより、人を羨んだり憎んだりすることを止めた方がよさそうである。

    5★素朴な作り手を重要無形文化財としたり、画家の画が高値で売られたり、購われたりすることが、私達に、美術品というものと、名誉と金とに結びつけることのように、想われてならない。

  • 森茉莉のエッセイから、『贅沢』、『食い道楽』、『幸福』、『恋愛』、『小説家』、『お洒落』、『思い出』、『巴里』、『空想』、『日本人』、『人生』のテーマ毎に文章を抽出した宝石箱の様な煌めきの本。お茶目でもあり、レースの様な繊細な言葉あり、毒舌もある。今度これをやってみようと思った。「厭な奴のことで気分が悪い時には平目の刺身におろしを沢山つけてくうのに限る。」

  • 極め付きの森茉莉語録、と書かれているだけあって、乙女の世界と毒舌が満載。面白かった・・。美しいものが好きで、可愛いものが好きで、ずっと女の子だった彼女の世界が垣間見ることができる♪

  • 「女というものにとって、うぬぼれ鏡と、褒め手とは絶対に必要なものである」「濃い薔薇色の、縞のある敷布と、深いオリイヴに薄茶の小もようのある掛けぶとんとの中に、私の天国が、あった」…

  • ■説明
    森茉莉の著作の中から、数行の言葉をテーマを分けて早川暢子が編集している。

    ■感想
    他の著作を読んでいると 重なるものも多く
    語録というのは長すぎるとあきるものだと
    思った。

    私が語録があまり好きでないだけかも

  • 最近読んだ本。

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著者プロフィール

1903~87年、東京生まれ。森鴎外の長女。1957年、父への憧憬を繊細な文体で描いた『父の帽子』で日本エッセイストクラブ賞受賞。著書に『恋人たちの森』(田村俊子賞)、『甘い蜜の部屋』(泉鏡花賞)等。

「2018年 『ほろ酔い天国 ごきげん文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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