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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480036278
みんなの感想まとめ
旅行記としての側面と、作品・作家についての考察が融合した一冊です。著者は、つげ義春が作品に描いた場所を訪れ、その実際の風景を写真で比較することで、作品の独特な表現を浮き彫りにしています。特に印象的なの...
感想・レビュー・書評
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旅行記にして、作品・作家論。
つげ義春が作品の中で描いている場所を訪ねるという意味では旅行記であり、また、その作品についてや、つげ義春自身について語るという意味では、作品論であり、かつ、作家論でもある。
いくつか印象的な部分がある。
ひとつは、つげ義春が作品の中で描いている場所を、本書の筆者の高野慎三が写真に撮り、その写真とつげ義春の描いた絵とを比較している何カ所のページ。つげ義春が作品に描いている場所は、たいていの場合、鄙びた、あるいは寂れた場所である。その表現の仕方が、つげ義春の独特のものであるということは、その場所の実際の写真を見ることによってよく分かること。
もう一つは大内宿についての記載。大内宿は、会津若松から30分程度の場所にある、昔の宿場町の様子がよく保存されている場所であり、妻籠宿などを思い浮かべてもらえれば良い。私もコロナ前に2回旅行で訪ねたことがあるが、いずれの時も観光客がいっぱいであった。大内宿について、本書で触れられている個所を引用する。
【引用】
会津西街道の大内宿は60年代の末に、民俗学者・宮本常一氏のお弟子さんがたまたま発見し、当時の「朝日新聞」紙上でも驚きをもって大きく取り上げられていた。(中略)当時の大内宿は、ほとんど江戸時代そのままであったようで、宮本氏も早急に保存対策をほどこさねばとうったえていた。
【引用終わり】
60年代末は50年以上前の話であるが、それでは最初の東京オリンピックの後であり、大阪での万国博覧会の直前である。そういった時代に、ある場所が「江戸時代そのまま」の形で、「発見」されることがあり得たことに驚きを感じた。と同時に、当時の大内宿を是非見たかったとも感じた。
おそらく、つげ義春のファンでない人にとっては、面白くも何ともない本だと思う。逆につげ義春のファンにとっては、それなりの発見がある本である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
猫町紀行と調布の風景(無能の人など)あたりの話に興味が湧く。川崎長太郎の抹香町ものとの関連性の指摘も面白い。
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