城昌幸集: みすてりぃ (ちくま文庫 か 35-4 怪奇探偵小説傑作選 4)

著者 :
制作 : 日下 三蔵 
  • 筑摩書房
3.36
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本棚登録 : 52
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (542ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480036445

作品紹介・あらすじ

ショートショートの先駆者であり、怪奇探偵小説の分野で多くの掌編小説を残した城昌幸。小さな作品ひとつひとつに見られる驚くべき発想の奇抜さ、ときに詩的な雰囲気を漂わせる文章の流麗さから、江戸川乱歩をして「人生の怪奇を宝石のように拾い歩く詩人」と言わしめた作家の、自選傑作集「みすてりい」を中心に、魅力を網羅した一冊。

感想・レビュー・書評

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  • うーん、ちょっと古い感じは否めない。文体とか、むしろこの古さが功を奏している場合もあるんだけど、全体としては「??」で終わる小説がいくつか。もちろん、いいのもいくつかあったんだけど、のめりこむことはできなかったなあ。

  •  城昌幸は「ショート・ショートの先駆者」として知られる。
     私は、城氏のショート・ショート、つまり本書を読むまで、少々狭まった見方をしてショート・ショート(以下、SS)というものを見ていたようだ。
     
     私はSSと言えば、終ぞ星新一氏の著作しか読んだことがなかった。だからだろうか、SSと言えば分りやすい「オチ」が必要なものなのだな、と勝手に考えていた。だからか、本書を読んだときに、まず私の心に招来したものは「違和感」、それであった。

     ただ、本書を読了して、その違和感というものは一種のカルチャー・ショックのようなものだったのだな、と思う。意味として、多少なりとも違うだろうが、言いかえれば「井の中の蛙、大海を知らず」といったところか。

     私の敬愛する作家の一人、江戸川乱歩は城氏を「彼は人生の怪奇を宝石のやうに拾ひ歩く詩人である」と評したという。


     氏の書く怪奇はただおどろおどろしいものではない。そこには悲哀、慕情、虚無、色々な宝石が輝きをもって読者を迎える。

    私のお勧めは、「白い糸杉」である。

    目次(覚書)

    艶隠者
    その夜
    ママゴト
    古い長持
    根の無い話
    波の音
    猟銃
    その家
    道化役
    スタイリスト
    幻想唐艸
    絶壁
    花結び
    猟奇商人
    白い糸杉
    殺人婬楽
    その暴風雨
    怪奇製造人
    都会の神秘
    夜の街
    死人の手紙
    模型
    老衰
    人花
    不思議
    ヂャマイカ氏の実験
    不可知論
    中有の世界
    跋 江戸川乱歩(寄稿)
    脱走人に絡る話
    シャンプオオル氏事件の顛末
    秘密を売られる人々
    妄想の囚虜
    宝石
    月光
    晶杯
    七夜譚
    神ぞ知食す
    此の二人
    罪せられざる罪
    吸血鬼
    良心
    宝石匣
    恋の眼
    宝物
    七人目の異邦人
    面白い話
    夢見る
    宿命
    もう一つの裏
    桃源
    影の路
    分身
    実在

  • amazon で注文しました。
    (2012年6月23日)

    届きました。
    (2012年6月27日)

    読み始めました。
    (2015年01月13日)

  • 日下三蔵編集の怪奇探偵小説傑作選の4冊目です。
    古い作品なので読めない漢字が多く文章も古く感じますが、とても面白くて素敵な話が多かったです。
    正に人生の怪奇を宝石のように拾い歩く詩人です。
    第1部には「みすてりい」という著者の自選短編集に編者が増補したものが載っており、第2部には編者の選択した短編があります。

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