眺めのいい部屋 (ちくま文庫)

著者 :
制作 : E.M. Forster  西崎 憲  中島 朋子 
  • 筑摩書房
3.91
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本棚登録 : 167
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480036766

感想・レビュー・書評

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  • 『人生とは、聴衆の前でヴァイオリンを弾くようなものだ。そして君は弾きながらヴァイオリンのことを学ばなくてはならない』
    人は生活をしながら、自分のもっている力の使い方を見つけなければならない、とくに愛の使い方を

    封建的な風潮が強い時代においては、恋愛をするのもとても大変だったんだなあ。その中で、エマースンさんが息子に教えてきたことや、言動は、とても説得力があって共感できる。

  • 慣習や宗教の型にはまって思考を放棄した生き方は楽だろう。
    けれど、それでは決して見ることの出来ない美しい「眺め」があるのだ。
    登場人物達がとても丹念に描かれていて、「いるいるこういう人!」と思わず笑ってしまうのだけど、ステレオタイプで終わることなく、必ず多面的に造形しているのが素晴らしい。
    そしてこの時代にこの女性への眼差し。
    結婚してもしなくても女性の自立は可能なのだと書いてくれたフォースターに、拍手喝采!
    選び抜かれた文章の的確さと美しさは今作でも見事。

  • 何度読み返したか知れない、大好きな本。先行訳のみすず書房版と比べるとよりこなれて、くだけた現代日本語になっている。ルーシーやフレディの言葉遣いなどはみすず版の方が好みな部分もあるけれど、概ねちくま文庫版の方が読みやすい。

    処女長篇『天使も踏むを恐れるところ』とともに「初期イタリア二部作」として語られることが多いという。『天使も…』との違いは、フィレンツェはモンテリアーノよりさらに魅力的に、そしてサマー・ストリートはソーストンよりはるかに好意を持って描かれているところ。そしてなんといってもルーシーはアボット嬢と違い愛する人と結ばれる。この明るく幸せな空気の中に、さりげなく前作にも共通する諷刺と真摯なメッセージが込められている。

    解説では英国文学の伝統である「キャラクター」がこの小説で最大限に発揮されていることに触れられている。映画の配役があれほど見事に嵌っているのも、原作で各登場人物の魅力が余す所なく描かれているゆえのことだろう。マギー・スミスの名演を得てシャーロットはますます愛嬌たっぷりの人物になった。

  • 2016/09/10

  • ハワーズエンドを読んでからフォースターの作品は気になっていたが、読むまで時間が空いてしまった。
    実際読んでみると、中世貴族の形而上的禁欲主義vs現代の労働者階級の実存主義(肉体での経験を称揚する考え方)という共通点があるように感じた。
    肉体での愛を褒め称えている点ではある意味ロレンスのチャタレイ夫人の恋人も彷彿とさせられて比較して再読したく思った。

  • イタリアのフィレンツェに、従姉のシャーロットと旅行に来たルーシー。彼女は旅行先の宿で親切だが紳士らしくないエマースン氏と、その息子ジョージと出会う。自分の気持ちを隠そうともしないジョージに、ルーシーは反発しつつも気になっていく。

    品位のある女性なら、女性らしくたおやかに振る舞うことが当たり前な時代で、守られる女性を演じる。なんて生きづらい時代だろうと思いました。
    詩的な文章で書かれているので、人物の会話の意味を理解するのに、何度も読み返す必要がありました。その難しさに、また再読したいと思いました。

  • イギリスの片田舎の娘が年とった従姉妹とイタリアに旅行し、ホテルで口さがない宿泊客たちと交際するはめになる。交際に疲れた娘は一人街にくりだすが、偶然、殺人事件に出くわし、その場にいた一人の男に助けられる。男は同じホテルで他の客たちに疎まれていた卑しい生まれの青年だった・・・云々。ヴィクトリア朝式の保守的な家に生まれた女が、結婚と恋愛をつうじて、周囲の人々の間違いに気づき、やがて自分の本心を知るにいたるというジェイン・オースティン的なテーマ。でもオースティンよりずっとバロックで、登場人物も決して「類型」にはまってない。フェミや同性愛のテイストもそこここに見られて、思わずにんまりしてしまう。タイトルに見合う不思議な魅力をたたえた傑作。

  • 映画が先でしたので映像に引きずられる感はあります。小説が先ならつまらなかったかも。

  • 20年ぶりくらいに再読。初めて読んだときより深く味わえた気がする。A Room with a View(原題)は主人公ルーシーのa passage to a viewの物語である。

  • イギリスとイタリアを舞台にした令嬢ルーシーの恋愛物語。知性と情熱どちらを選ぶのか、どのような人生の選択をするのか見所。

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