水滸伝の世界 (ちくま文庫 た 37-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480036865

感想・レビュー・書評

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  • 僕にとっての水滸伝の底本は横山光輝のマンガなので、新鮮な驚きがいっぱい。
    宋江がろくでもないやつだったってことをはじめ、梁山泊のみなさまそれぞれたいていは(今の倫理観でいうと)悪人であったり、最後に結構悲劇的な結末を迎えたり、などなど。
    水滸伝の「中」だけじゃなくて「外」の話、たとえばどのようにこの物語が語り継がれてきたかみたいな話もまた興味深い。

    これを読むに、意外と北方水滸伝の方が原作に近いんじゃないかと思いだした。

  • 「『水滸伝』の全貌を正しく掴む意味で原点そのものを読む前にぜひ目を通しておくといい」とまで言われた本。水滸伝の内容、成り立ち、作者やいくつかのバリエーションについてが読みやすく、面白く書かれている。

  • 後半のやや煩雑な内容に比べて、前半が圧倒的に面白い。「人の殺し方について」「人を食った話」は必読。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    この本を読むことで水滸伝がどのように成立し、どのように変化してきたのかがわかりやすく書かれている。
    また、実際の歴史と物語の関連についても書かれており、興味深く読むことができた。
    一方で残虐な描写が多い、水滸伝がなぜ好まれているのかという部分の疑問の解消には繋がらなかった。
    それと時代ごとの権力者が水滸伝を禁止したり、逆に認めたりしているのが面白い。

  •  『水滸伝』は、まだ読んだことがありません。この本を読むとかなりの長編で内容も難しいようです。出演者が108人というのは、ちょっと持て余しそうです。8人しか出てこない、『南総里見八犬伝』くらいから、始めたほうが良いかもしれません。
     中国の古典だけれども、正確な写しは日本にしかないものがある、と言うのを聞いたことがあるのですが、『水滸伝』もその一つなのですね。勉強になりました。

  • 西遊記はいろいろな訳で読んだけれど、水滸伝は子どもの頃に一度読んだだけ。
    今度、読んでみるかな。

  • 水滸伝の四方山話。
    前半は水滸伝の内容に関する章が多く、後半は水滸伝の成立や解釈に関する章が多い。

    前半部分は、水滸伝を読んだ人なら懐かしい気分で読める。また当時の中国の風俗などの理解にも役立つ。
    水滸伝はその成立に謎が多く、後半部分は謎解きの楽しさがある。
    各章とも、多くの先行研究をひっぱり出してきて丁寧に論を進めているので、一般読者レベルがちょっとしたマニアを気取るための第一歩として好適な書だと思う。

    中には、一般読者の俺としては興味が及びにくいテーマを論じた章もあるが、もとより各章独立しているので、そういう部分は斜め読みすればよい。

  • 知人に紹介された水滸伝入門書。

  • 日本における水滸伝研究者といえばこの人といってもいいぐらいである高島俊男が水滸伝について書いたもの。
    三国志人物縦横談のような切り口でそれよりはるかに面白い。
    水滸伝の成立過程や作者とされる施耐庵および羅貫中に対する考察、108人の好漢のあだ名の意味など非常に読み応えがあった。

  • 読みやすくてなかなか面白いです!

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著者プロフィール

高島 俊男(たかしま・としお):1937年生れ、兵庫県相生市出身。東京大学大学院修了。中国文学専攻。『本が好き、悪口言うのはもっと好き』で第11回講談社エッセイ賞受賞。長年にわたり「週刊文春」で「お言葉ですが…」を連載。主な著書に『中国の大盗賊・完全版』『漢字雑談』『漢字と日本語』(講談社現代新書)、『お言葉ですが…』シリーズ(文春文庫、連合出版)、『水滸伝の世界』『三国志きらめく群像』『漱石の夏やすみ』『水滸伝と日本人』『しくじった皇帝たち』(ちくま文庫)等がある。2021年、没。

「2023年 『「最後の」お言葉ですが・・・』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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