- Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480037107
作品紹介・あらすじ
他人の悩みはいつの世も蜜の味。これは大正時代に新聞紙上で129人が相談した、ニッポンの悩みカタログだ。「芸者になるには声が悪い」「妻が処女でなかった」「娘の求婚者が醜いので断りたい」「お尻の大きい少年の僕」「何不自由ない暮らしだが空しい」-。どうかと思うあきれた悩み、身につまされる深刻な悩みがそれぞれに時代を映し出し、つい現代のわが身を省みる。
感想・レビュー・書評
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私は新聞の身の上相談を読むのが大好きでした。
(今は新聞を購入していないので残念)
この本は 大正時代の
多くの悩みを新聞記者様が回答しているものを
まとめていました。
ので 興味津々で読みました。
いつの時代も悩みはつきないものです。
今では考えられませんが 許婚がいるのに その人以外の人から接吻されて汚されてしまった~~とか 異性に対してもろい意思なので どうしたら良いのかとか
若い人達のもんもんとした 悩みから
夫婦間、職場など 今でもありそうな 悩みもありました。
人生相談を読んで何が一番面白いかというと
回答者が どう答えるのかを読む事なのです。
あまりにも くだらない(本人にとっては重大な悩みですが)内容にも
上手く立ち回って答えるのを読むと 流石って思っちゃいます。
この本の面白いのは 更に 回答した 記者様の 回答についてのコメントがあったことです。
そのコメントは 今の時代を生きている人なので
自分と同じ様な 感想なので
そうそう。。って 思いながら 読みました。
肩の凝らない 本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思わず心にズーンてくるほど響いた質問から、え、そんなこと?みたいな質問まで、当時の雰囲気がたっぷり感じられてよかったです。深い煩悶に陥る、とか、浮草のような生活とか、妙に文学的な言い回しが多いのも面白い。ただやっぱり、みんなが書いてるみたいに、悩んでもない回答する責任もない平成の編集者の冷やかしコメントがちょいちょいうざかった笑。
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悩み相談自体は面白いし、回答もとても親身になっているのに、そこに添えられた現代人のコメントが私には兎に角会わなかったので辛かった……
なんかこう、自称サバサバ系の女子がずっと横にいるみたいで、文字しかないのが余計に感情が読みづらくて、このコメントは茶化してるの?それとも本気で言ってる?それが普通なの?そこまで冷たいコメント出すの?って相談内容以外で脳味噌のリソースを取られてしんどかったです……合う人には合うんでしょうけど…… -
普遍的なものもあれば時代的なものもあり。
現代の様々な紙上の身の上相談より、真摯な解答のように思えた。
その分、補足というか一言というか、編者のコメントはいらんなぁ。 -
いつの世も人の悩みは尽きません
回答者がわりと身も蓋もなくズバッと答えてるのがかえって胸に響く
補足でついてる現代の担当者のコメントが軽い軽い、これはいらなかったかも -
人の数だけ悩みがある。
普遍的な悩みもあれば、相談された側が困ってしまうくらい深刻な悩みもある。
他人からは全く理解されないもの、おもわず笑ってしまうもの、多種多様、それが「悩み」。
人間は考える葦である、我思うゆえに我あり。
大正時代のもののはずなのに現代に通づる、魅惑の身の上相談。
さてどんなものかしら。
其ノ一:
女優になって活躍したい、と言いつつ一日も早く世を去りたいと。
め、めんどくさっ。
これだけケロッと言える人は長生きするかも。
そして案外人生トントン拍子かもね。
其ノ八:
純潔を疑い自白を迫る夫。
この平成の世でも純潔、つまり処女信奉はいまだ衰えず。
しかし自分が破瓜するのはいいの?なぞ〜。
この章では純潔にまつわる悩みの章なのだが、男性の童貞は恥ずかしくて、女性には処女性を求める価値観はいつまで続くのだろうかね。
多少薄まってはいるのだろうけれど。
みかんを20個一度に食べる夫についての悩みも!
みかんはすぐ傷むからカビなくていいな、いやいや、そんなことよりこの夫は大丈夫なのだろうか、この方のそのあとが気になって仕方がない。
其ノ十二:
娘にも男性並みの学問を、という父親の相談。
なんと進歩的!なんて革新的!
でも、相談するということは当時の価値観に照らし、きっと心から悩んでいたのだろうな。
昭和生まれの母でさえ、祖父から女に学問はいらん!と大学進学に反対されていたそうだから、この頃であれば「変人」扱いだったかもしれない。
価値観は時代の産物でもある。
一概に否定してはいけないが、時に改めるということも必要だ。
不磨の大典がないように。
この男性のご息女がどうか進学し、夢を叶えられていますように。 -
図書館で借りて読んだ。
まあ人生相談の類の本は、あんまつまんない。
でも大正時代のお悩み相談の本は初めて見た。一番面白かったのは、妻が処女でないのが許せなくて、妾を持つという相談者に、回答者が、あなたが怒るのはごもっともです、と答えるというところ。 -
大正時代のお悩みは、根本は今と変わらないものや、鼻につくようなものなどあり、それに対する回答がバッサリ切るものも多々あっておもしろかった。
なによりも表紙の絵が大好き。 -
今も昔も変わらない相談事。およそ100年前でもそんなに変わらないなぁ。
恋愛やら結婚の話ばかりなのは仕方ないのかもしれないけど飽きてしまう。 -
【良い点】
ぱらぱらと適当に開いて読む感じで楽しみました。
とてもくだらなくも切実な悩みは普遍的なものなのだなあとなります。本人には真剣な悩みなのだ。大正時代の方たちの話は100点☆5の面白さです。
【悪い点】
他の方も指摘しているのけれど、平成編集者のひとことが完全に余計な一言でそこだけが断念。微妙に外してるコメントなのに私上手いこと言った!みたいになっている。おもんないぞ、ってなるやつ。
平成の編集者、だからかな。現在の感覚に合わないからだろうか。ちくま文庫では2002年初版。更に94年に単行本で一度刊行されたもののようです。わずか30年ばかり、されど30年の感覚の違いなのかしら。面白くないを通り越してちょくちょく不快になるレベルなので、飛ばして読むことをおすすめします。
おそらく冒頭の太田敦子という方がコメントを書かれているとおもうのだけど、よくある名前なので何の人だかわからない。カタログハウス、は通販生活の運営会社が同名だけれどそこかしら。
編者・解説者などの情報が全然無いので、不親切というか得体のしれなさがありました。