田中小実昌エッセイ・コレクション 2 (ちくま文庫 た 41-2)

著者 :
制作 : 大庭 萱朗 
  • 筑摩書房
3.18
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本棚登録 : 37
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480037428

作品紹介・あらすじ

目の前にバスが止まれば、行く先がわからなくても乗ってしまう人、それがコミさん。すなわち、どんなときでも旅行中。どこへ行くにしても名所旧跡には目もくれず、人との語らい、そしておいしい食べものとお酒との出会いが無上の楽しみ。日本を、世界をあてどなくさまようコミマサ流旅行記を厳選して送る。

感想・レビュー・書評

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  • コミさんは相変わらずだ。お酒と女性、そして美味しい食べ物。それもご馳走ではなく、市井の人々が食べるごく普通の料理の中に旨いものを見出して、称揚する。人生の達人、と言ったら大袈裟だろうか。しかし、ここまで威張らないで地べたに足の着いた紀行が出来るインテリというのもなかなか居ない。言い淀むのがコミさんの良いところだと思うのだけれど、このエッセイ集でもそんなに見通しの良い紀行は書いておらず、行き当たりばったりの珍道中を繰り広げて、こちらを笑わせる。私自身バスが好きなので、バスへの不器用な偏愛もつい共感してしまう

  • 日本ならまだしも海外でバスが来たら行先も確認せずにひょいと飛び乗ってしまってほんとに大丈夫なのと言いたくなるような旅を続けるコミさんの哲学者でありヨイヨイノおじさんであるところがたまらなく素敵なのです。この本は『田中小実昌エッセイ・コレクション』第2巻”旅”編です。3巻とも私の行きつけの地元では知る人ぞ知る名居酒屋のご主人から頂いたものですがこのご主人がなんとなくコミさん然としているのです。夕方雨が上がったら飲みに出かけようかな。

  • 2009/2/25読了

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著者プロフィール

田中小実昌(たなか・こみまさ):1925年~2000年。小説家、翻訳家。戦後、復員後、東京大学中退。テキヤ、バーテンダーなど様々な職業を経て、小説家、翻訳家となって活躍。無類の映画好き、酒場好きとしても知られる。

「2023年 『ひるは映画館、よるは酒』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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