間抜けの実在に関する文献 内田百閒集成 6 (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (2003年3月1日発売)
3.54
  • (7)
  • (14)
  • (28)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 181
感想 : 11
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480037664

みんなの感想まとめ

人間関係や日常の中での観察を通じて、独特の視点から描かれる随筆集であり、著者のユーモアや自由な精神が光ります。内田百閒の作品は、彼自身や知人たちの「間抜けな実在」を軽妙に描写し、時には愛情を持って批評...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「この人と知り合いになったら、何を書かれるかわかったもんじゃない…」というのが、内田百閒初心者として読み始めて感じたことだった。
    しかも「間抜けの実在」って。気の小さい私(!)なんて「こんなこと書いちゃって、人間関係悪くならないの!?」と心配になってしまう。堂々と書けて羨ましすぎる。私も夫のこととか、会社のオジサンとか、「間抜けの実在」として書き連ねてやりたい。

    &Premium2023.9月号で角田光代がこの本を紹介していた。「漱石の鼻毛の話」になぜかめちゃくちゃ惹かれて、思わず図書館で予約。

    仮名遣いは現代版にしました、とはいえ「八釜しい」「矢張り」など、普段ひらがなで書いているものが漢字だし、1行の文字数が多めで、読み進めるのにちょっと苦労。

    でも、くだんの『漱石遺毛』がわりと早々に出てきたことと、芥川龍之介との交友記、先生のくせにイタズラ好きで、「ひょっとして、間抜けってのは御本人のこと?」「いや、でも自分のこと棚に上げてるでしょ、これは」とか、破天荒な方々の姿に「こんな人いたらヤバイでしょ」とかツッコミながら読んでるうちに読み終わった。

    私は内田百閒を読んだことがなく、「うちだひゃっけい」だと思っていたくらいだったけど、年末年始に実家で読みかけのこの本をテーブルに置いていたところ、叔母が「あら、ひゃっけんは相当おもしろいわよね」と言っていたのも、読み進められた一因かも。

    なんだかんだ言って、人物観察がおもしろい。どうでもいい内輪ネタといえば内輪ネタだし、暴露話といえばそうでもあるけど、「間抜けの実在」として書かれている方々がダメ男なりにたぶん愛されキャラで、なにより内田百閒その人がダメ男でも愛されキャラなんだろうな。
    私が身の回りの「間抜け」をブログなんかに書いたら、ただの悪口を書き連ねるだけになるところだけど、内田百閒だと悪口っぽくならないんだよなぁ…。
    読み終わる頃には「知り合いになったら、どんな風に書いてもらえるんだろ」とだいぶポジティブに思ってしまった。

    飛行機事故で死んだ友人・中野の口癖「つまらんやつじゃ」から、「蘭茶先生と呼ぶことにした」というユーモアセンスは畏れ多くも参考にしたい。

  • 内田百閒
    間抜けの実在に関する文献


    夏目漱石 芥川龍之介 森田草平 とのエピソードや教師時代の交友録を集めた随筆集。


    お金にだらしないのに憎めない人柄を感じる文章。憎めない人柄は 著者の自由さや吹き流しの気持ち〜何事も嫌だと言わず あなた任せという気持ち〜にあるように思う


    夏目漱石 芥川龍之介 森田草平 とのエピソードは、著者にしか語れない 感動的な弔辞だが、遺品として 漱石の鼻毛を所蔵している話には笑った


    忘却論 は御意
    *覚えていられなかったら忘れていい。試験まで覚えていればいい
    *覚えていないことは 忘れられない〜だから忘れる為に覚えること
    *知らなかったことと 知っていたけど忘れたことの違いは 忘れていく内にわかってくる











  • 一巻目から読み始めて、ついに百鬼園先生の味がわかってきた!

  • もう、タイトルが最高です。

  • 交友録のような感じの1冊。
    法政大学の学生の話が笑えた。
    卒塔婆の話がツボにはまって大変なことになりましたw
    そうか、このノリでまあだ会なのか。

    そう平記は、最後が仲たがいしたままになったのが切なかった。
    百けんは、悲しいとき抑えめの文章になるんやなあ。
    (09.11.21)

    09.10.29~09.11.21

  • 教員時代の思い出、
    交流していた人物についての回想、
    どれも平易な文章の中に
    チラッとのぞく茶目っ気が面白い。

  • 百けん先生の友人/知人の奇行録集。
    でも多分、類が友を読んでるのか、百けん先生自身の視点がヘンなのか。
    自分のことを棚に上げてる感はあるよー。
    愛すべき百けん先生に。

  • 集成の中では一番気に入っている内容。「空中分解」は、笑える分最後に百?の本音が見えて、しんみりする。

全8件中 1 - 8件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

内田百閒(うちだ・ひゃっけん)1889―1970
岡山県生まれ。本名・栄造。15歳のときに親友・堀野寛と出会い、堀野を通じて読書の趣味に目覚める。翌年、夏目漱石の『吾輩は猫である』上篇を読み、漱石に傾倒。19歳のころには俳句熱が高まって、俳諧一夜会や苦渋会という句会を結成。岡山近郊の百間川から俳号を「百間」とした。1910年、東京帝国大学文科大学へ入学。翌年2月に、静養中だった漱石を訪ねる。漱石の面会日「漱石山房」に出席するようになり、小宮豊隆、津田青楓、森田草平、芥川龍之介、久米正雄などと知り合う。以後、陸軍士官学校や法政大学で教鞭をとる。1920年には、作曲家・筝曲家の宮城道雄に知遇を得て親交が続く。同年、幼少期より寵愛を受けてきた祖母の竹が死去。1922年、はじめての著作集『冥途』を稲門堂書店より刊行。翌年、関東大震災に遭い、『冥途』の印刷紙型を焼失してしまう。1933年に三笠書房から『百鬼園随筆』を刊行してから、『冥途』の再劂版や第二創作集『旅順入城式』(岩波書店)、『百鬼園俳句帖』(三笠書房)などを刊行。その他、『贋作吾輩は猫である』(新潮社)、『ノラや』(文藝春秋社)など多数の書籍、作品を発表する。1965年には、これまでの功績を評価され芸術会員に推薦されながらも「いやだから、いやだ」とそれを辞退。それからも『麗らかや』『残夢三昧』(いずれも三笠書房)などを著す。多くの名筆を世に刻み、1971年4月20日に逝去。

「2023年 『シュークリーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内田百閒の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×