風邪の効用 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.79
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本棚登録 : 914
感想 : 97
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480038074

作品紹介・あらすじ

風邪は自然の健康法である。風邪は治すべきものではない、経過するものであると主張する著者は、自然な経過を乱しさえしなければ、風邪をひいた後は、あたかも蛇が脱皮するように新鮮な体になると説く。本書は、「闘病」という言葉に象徴される現代の病気に対する考え方を一変させる。風邪を通して、人間の心や生き方を見つめた野口晴哉の名著。

感想・レビュー・書評

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  • 「整体協会」創設者の講演をまとめたもので、「風邪は治すべきものではない、経過するものである」という主張をまとめたもの。
    基本は整体にまつわる講演なので、前著の「整体入門」を読んでからの方がちゃんと理解できるのでしょう。書店で何となく本著のタイトルに惹かれて読んだだけなので私は読んでいないのですが、頚椎3番とか胸椎5番とかの語が出てきて「あぁ、そういう本だったのか」という感じでした。
    なお、調べてみたら奥様が近衛文麿の娘さん、やんごとなき雰囲気が…。

    確かに「風邪の効用」についての本で、風邪は身体からのサインであって、薬で無理やり治すのは良くない。うまく経過させることで、身体の偏って疲労した部分が直ると。
    現代の西洋医学の範疇とは全く違いますが、まぁこれはこれであるんだろうか、という印象。ちゃんと実践するには整体入門から始めないといけませんが。。本著前半の「背骨で呼吸する」とか後半の「後頭部を温める」とかなら多少とっつきやすそうか。
    ただの推測ではありますが、「背骨で呼吸する」というのも、息を背中に通そうと意識するとどうしても背筋が伸びてくるので、姿勢をただすと良くなるってコトもあるのかな、と思いました。
    また、「頭の発想が停滞した時には肘を温めると良くなります」というのは「まじか!」という感じ。今度やってみようかしら。

    ボリュームは軽めで読みやすいので、考え方を少し取り入れるという意味では読んでみても良いのかも。

  • 風邪は万病の元、というふうに刷り込まれて育った。
    風邪の症状が出たら、それは残念なことだし、周囲にも迷惑なことだと思っていた。

    だが、「風邪の効能」があるというではないか。

    風邪は治すべきものではなくて、自然の健康法なのだと。


    思い浮かぶのは、自然界における撹乱だったり、レジリエンスという言葉だったり。
    かっちりと杓子定規に動かしている身体は、どうも弾力性に欠けて、かえって危ないようだ。

    風邪が、そういう身体を改めてくれる。

    ほんまかいな、という思いがある一方で、すごくよくわかるような気もする。

    風邪の自然な経過を邪魔しないことが、風邪を全うしたあとにやってくる爽やかな身体を手に入れる秘訣なのだ。

    「風邪を上手に通るとまず食物の味がよくなります」
    なる表記がある。最高ではないか。風邪ひきてえ〜。

    風邪を治そうとあれこれするのはまったく馬鹿げているように思えてきた。

    気になるのは、一部で「ただの風邪」と言われているCOVID‑19である。
    もともと風邪もコロナウイルスによるものだと考えれば、COVID‑19だって、上手に全うすることで、本来はさわやかな身体が手に入るのではなかろうか。味覚や嗅覚がおかしくなる後遺症、というのも「まず食物の味がよくなります」と、どこかで道を違えた結果のような。

    風邪を引くと体の調子がよくなるが、そうかといって高を括っていると悪くなると。つまるところ、自分の身体と風邪をうまくバランスさせる精神が必要なのだろう。ってコト自体、高を括っていることになるのかな?

  • 怪しい本かな?とおもったけど、なんとなく惹かれて読み始めた。
    読むと、今までひきたくないひきたくないと思っていた風邪をひきたくなる不思議な本笑。
    自分の体への向き合いが変わりそう。
    お風呂に入った時自分の体の色が変わってるかチェックするようになった。
    「整体入門」も本屋で取り寄せ予約してしまった。
    楽しみ〜

  • いろんな骨がでてきた。

    これまでの風邪の概念を吹き飛ばす。

    この方に診てほしい。

    自然治癒の凄さ。

    整体法も読んでみたい。

  • 冒頭「風邪についてお話ししようと思います。」
    末尾「そして息は相手より長く静かに保つことが大切です。」

    何人かの知識人が薦める野口晴哉。この新型コロナウイルスで世界中がパニックになってるこの時期にあえて読んでみた。

    読んだ感想は東洋医学の本だなって感じ。どこそこの椎体を整えると泌尿器が治るとか風邪が治るとか。どれだけ一般的なのかなーと。

    自分が一応、科学や西洋医学をかじっているためか、正直すんなり受け入れらないことが多かった。決して西洋医学が全てだと思っているわけではないんだけど。

    すっかり万物の真理を極めた、みたいな口調が怪しく映るのかな。なんていうか、新興宗教とか同じように思えてしまった。がんも治るとか書いてあって、さすがにちょっと笑った。

    まあ、現代に生きる我々はこの本に書いてあることだけですべてが治るとは思わずに、ただ各自で自分の体の特徴を理解したうえで生活したり病気を予防することは大切だと思うので、そのあたりを参考にしたらいいんじゃないかなと思う。また、自分(現代医学)と全く違う思想に触れるというのも頭のストレッチみたいな効果があると思うから、そういう意味でも面白いかもしれない。読書の効用。

    この人が現代の新型コロナウイルスを見たらなんていうのかなって気になった。

  • 雑誌の特集で見かけて気になったので購入するも、長らく積んでおいた本。蔵書のカテゴリは「哲学」になっていました。これのどこが「哲学」なのかと思って読んでみると、意外にも風邪というものの本質に迫っていく内容、すなわち一種の「哲学」と呼べるものになっていたのです。

    本質に迫るという意味では風邪にとどまらず、そもそも「治療」とは何なのか、ということについて斬新な見方を提示しています。

    "だから風邪の経過を本当に考えるとなると、やはり体だけではなくて、その人の深層心理の動きといいますか、私の病気を安く見積って失礼しちゃうなどという、その奥の心も見なければならない"(P.48)

    "本当は癌なども風邪を引くと良くなるし、血管硬化でも風邪を引くと柔らかになるのだから、風邪の上手な引き方を考えるほうが本当である。風邪を治すと言って「何くそ」などと気張るのは風邪の引き方としては最低で、そうやって風邪を育てている場合が少なくない"(P.109)

    初出が書いていないので正確なことは分かりませんが、おそらく整体に取り組んでいる方、および施術者向けの講義録だと思われます。そのため、ある程度整体に知識がある人向けのマニアックな背骨のお話が中心になっています。しかし、それでも本書には整体に興味のない方をも惹きつける魅力があると思います。

  • 風邪はとおりすぎるもの

  • 秋から冬にかけて、妙に売れるこの本。気になっていた。
    読んでみた。 
    風邪に対する考え方が変わった。 ”無理に”治すのでなく、上手く”経過”させる。 この考え方は新鮮だった。
    1962年に初出の文章ゆえの雰囲気がなんだかいい。

  • 著者は整体師のようだから、愉気法とか体癖とか聞き慣れない語句が出てくるし、どこそこの骨を押せとかもあるから、そういうところは正直よくわからないので、頭に入ってこない。
    でも、風邪のときに風呂に入るか入らないか、子供の頃言われてた話では入らないが正解とされていたと思うのだけれど、うちのカミさんは真逆で入るのが当たり前と言っているし実践もしているのだが、この著者の野口さんも同じというか、まぁその症状によって違いはあるようなのだけど、入るのだと言っているのを見て、正直なところ驚いた。タイトルにもあるように、風邪はひくのはひくのだが、ひいたときの対処の仕方で、治り方も、果てはそれ以外にも色々効用があるのだというのは、今更だけど、もっとちゃんと知りたいなと思うので、まずは整体入門という本を読んでからの方がこの本も理解し易かったようなので、その本を読んでから再読しようと思う。

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著者プロフィール

「社団法人整体協会」創設者。1911(明治44)年東京生まれ。17歳で「自然健康保持会」を設立。整体操法制定委員会を設立し、療術界で中心的役割を果たす。しかし治療を捨て、1956(昭和31)年文部省体育局より認可を受け「社団法人整体協会」を設立し、整体法に立脚した体育的教育活動に専念する。1976(昭和51)年没。主な著書に本書のほか、『整体入門』(ちくま文庫)、『体癖1、2』『育児の本』『躾の時期』(株式会社全生社発行)等がある。

「2013年 『体癖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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