風邪の効用 (ちくま文庫)

著者 : 野口晴哉
  • 筑摩書房 (2003年2月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480038074

作品紹介

風邪は自然の健康法である。風邪は治すべきものではない、経過するものであると主張する著者は、自然な経過を乱しさえしなければ、風邪をひいた後は、あたかも蛇が脱皮するように新鮮な体になると説く。本書は、「闘病」という言葉に象徴される現代の病気に対する考え方を一変させる。風邪を通して、人間の心や生き方を見つめた野口晴哉の名著。

風邪の効用 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「整体協会」創設者の講演をまとめたもので、「風邪は治すべきものではない、経過するものである」という主張をまとめたもの。
    基本は整体にまつわる講演なので、前著の「整体入門」を読んでからの方がちゃんと理解できるのでしょう。書店で何となく本著のタイトルに惹かれて読んだだけなので私は読んでいないのですが、頚椎3番とか胸椎5番とかの語が出てきて「あぁ、そういう本だったのか」という感じでした。
    なお、調べてみたら奥様が近衛文麿の娘さん、やんごとなき雰囲気が…。

    確かに「風邪の効用」についての本で、風邪は身体からのサインであって、薬で無理やり治すのは良くない。うまく経過させることで、身体の偏って疲労した部分が直ると。
    現代の西洋医学の範疇とは全く違いますが、まぁこれはこれであるんだろうか、という印象。ちゃんと実践するには整体入門から始めないといけませんが。。本著前半の「背骨で呼吸する」とか後半の「後頭部を温める」とかなら多少とっつきやすそうか。
    ただの推測ではありますが、「背骨で呼吸する」というのも、息を背中に通そうと意識するとどうしても背筋が伸びてくるので、姿勢をただすと良くなるってコトもあるのかな、と思いました。
    また、「頭の発想が停滞した時には肘を温めると良くなります」というのは「まじか!」という感じ。今度やってみようかしら。

    ボリュームは軽めで読みやすいので、考え方を少し取り入れるという意味では読んでみても良いのかも。

  • 再読。胸骨の何番…とか言われてもわからないけど、それでも読んでいると風邪の対応法、間違えて自分でこじらせているんだなぁ…とわかる。足湯、脚湯、それぞれの季節の風邪、風邪の種類が参考になった。風邪さえ引けない鈍い体になっているので、日々自分の体を大事にしないといけないと思った。



    ●雲のない空ような天心が必要なのです。=200ページ=
    ●きっとよくなるという信念でも邪魔なのです。=201ページ=


    すごいなぁ~と思う。子供の風邪の経過の仕方がかなり勉強になった。冬の風邪の季節に試してみよう。

  • 雑誌の特集で見かけて気になったので購入するも、長らく積んでおいた本。蔵書のカテゴリは「哲学」になっていました。これのどこが「哲学」なのかと思って読んでみると、意外にも風邪というものの本質に迫っていく内容、すなわち一種の「哲学」と呼べるものになっていたのです。

    本質に迫るという意味では風邪にとどまらず、そもそも「治療」とは何なのか、ということについて斬新な見方を提示しています。

    "だから風邪の経過を本当に考えるとなると、やはり体だけではなくて、その人の深層心理の動きといいますか、私の病気を安く見積って失礼しちゃうなどという、その奥の心も見なければならない"(P.48)

    "本当は癌なども風邪を引くと良くなるし、血管硬化でも風邪を引くと柔らかになるのだから、風邪の上手な引き方を考えるほうが本当である。風邪を治すと言って「何くそ」などと気張るのは風邪の引き方としては最低で、そうやって風邪を育てている場合が少なくない"(P.109)

    初出が書いていないので正確なことは分かりませんが、おそらく整体に取り組んでいる方、および施術者向けの講義録だと思われます。そのため、ある程度整体に知識がある人向けのマニアックな背骨のお話が中心になっています。しかし、それでも本書には整体に興味のない方をも惹きつける魅力があると思います。

  • 風邪はとおりすぎるもの

  • 秋から冬にかけて、妙に売れるこの本。気になっていた。
    読んでみた。 
    風邪に対する考え方が変わった。 ”無理に”治すのでなく、上手く”経過”させる。 この考え方は新鮮だった。
    1962年に初出の文章ゆえの雰囲気がなんだかいい。

  • 著者の野口晴哉(1911~1976年)は、野口整体の創始者として有名な整体師。(野口体操を創始した野口三千三とは別人である)
    本作品は1962年に発表され、2003年にちくま文庫から復刊されたもの。
    本書は、整体師の著者が独自の視点から、風邪の正体とそれへの対処法について綴ったもので、西洋医学に慣れている現代の我々にとっては驚くような記述も少なくないが、「風邪というものは治療するのではなくて、経過するものでなくてはならない」をはじめとする著者の主張は目から鱗で、私は2007年に本書を読んでから十年あまり、風邪を引くと本書の内容を思い出しつつ対処している。(もちろん、有効との実感がある)
    「風邪を引くと、鈍い体が一応弾力を恢復するのです。・・・体を使っているうちに、或る一部分が偏り疲労の潜在状態になって、そういう部分の弾力性が欠けてくると風邪を引き、風邪を引いた後、恢復してくる。それで私は風邪は病気というよりも、風邪自体が治療行為ではなかろうかと考えている」
    「早く風邪を治そうとして熱を下げようとしたり、咳を止めようとしたり、そういう中断法ばかり講じていると、風邪を治そうとしながら体が硬張り、治療しながら体がだんだん鈍くなるというようなことになる」
    「風邪をきっちり治せればもう千の病気に対処する力がある」
    「早く治すというのがよいのではない。遅く治るというのがよいのでもない。その体にとって自然の経過を通ることが望ましい。できれば、早く経過できるような敏感な体の状態を保つことが望ましいのであって、体の弾力性というものから人間の体を考えていきますと、風邪は弾力性を恢復させる機会になります」
    「風邪の効用はまた、すでに病気がある人は、それを機会に治ってしまうということです。上手に風邪を引くと古い病気が自然と治ります」
    「できるだけ人間のもっている体の自然の力で暮らしていく。そういう自然の力が亢まって体は強くなってくる」
    「元来、風邪は体の洗濯のようなものであって、体の偏り疲労を除去する自然の力なのです」等々
    (2007年4月了)

  • BRUTUS2017/1/1号、「危険な読書」

  • 初めて読んだが腑に落ちる内容

  • 風邪に対して斬新な切り口。風邪は経過するもの。ピラティスの先生も風邪は自浄作用のようなこと言っていたっけと思いながら。次に風邪を引いたときは、これを思い出してじっくり身体に意識を向けてみたい。他の著作も読んでいるとより一層わかりやすいのだろうなと思った。

  • 1960年代に書かれた古典であるが、現代にも通じるお話。風邪は病気ではなく、身体の変調を正すためのものという著者の主張に、感銘を受けた。

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