- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480038074
作品紹介・あらすじ
目からウロコ!のロングセラー風邪は自然の健康法である。風邪は治すべきものではない、経過するものである—自然な経過を乱しさえしなければ、風邪をひいた後は、あたかも蛇が脱皮するように新鮮な体になると著者は説く。本書は、「闘病」という言葉に象徴される現代の病気に対する考え方を一変させる。風邪を通して、人間の心や生き方を見つめた野口晴哉の名著。解説: 伊藤桂一
感想・レビュー・書評
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風邪は万病の元、というふうに刷り込まれて育った。
風邪の症状が出たら、それは残念なことだし、周囲にも迷惑なことだと思っていた。
だが、「風邪の効能」があるというではないか。
風邪は治すべきものではなくて、自然の健康法なのだと。
思い浮かぶのは、自然界における撹乱だったり、レジリエンスという言葉だったり。
かっちりと杓子定規に動かしている身体は、どうも弾力性に欠けて、かえって危ないようだ。
風邪が、そういう身体を改めてくれる。
ほんまかいな、という思いがある一方で、すごくよくわかるような気もする。
風邪の自然な経過を邪魔しないことが、風邪を全うしたあとにやってくる爽やかな身体を手に入れる秘訣なのだ。
「風邪を上手に通るとまず食物の味がよくなります」
なる表記がある。最高ではないか。風邪ひきてえ〜。
風邪を治そうとあれこれするのはまったく馬鹿げているように思えてきた。
気になるのは、一部で「ただの風邪」と言われているCOVID‑19である。
もともと風邪もコロナウイルスによるものだと考えれば、COVID‑19だって、上手に全うすることで、本来はさわやかな身体が手に入るのではなかろうか。味覚や嗅覚がおかしくなる後遺症、というのも「まず食物の味がよくなります」と、どこかで道を違えた結果のような。
風邪を引くと体の調子がよくなるが、そうかといって高を括っていると悪くなると。つまるところ、自分の身体と風邪をうまくバランスさせる精神が必要なのだろう。ってコト自体、高を括っていることになるのかな?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
怪しい本かな?とおもったけど、なんとなく惹かれて読み始めた。
読むと、今までひきたくないひきたくないと思っていた風邪をひきたくなる不思議な本笑。
自分の体への向き合いが変わりそう。
お風呂に入った時自分の体の色が変わってるかチェックするようになった。
「整体入門」も本屋で取り寄せ予約してしまった。
楽しみ〜 -
いろんな骨がでてきた。
これまでの風邪の概念を吹き飛ばす。
この方に診てほしい。
自然治癒の凄さ。
整体法も読んでみたい。
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冒頭「風邪についてお話ししようと思います。」
末尾「そして息は相手より長く静かに保つことが大切です。」
何人かの知識人が薦める野口晴哉。この新型コロナウイルスで世界中がパニックになってるこの時期にあえて読んでみた。
読んだ感想は東洋医学の本だなって感じ。どこそこの椎体を整えると泌尿器が治るとか風邪が治るとか。どれだけ一般的なのかなーと。
自分が一応、科学や西洋医学をかじっているためか、正直すんなり受け入れらないことが多かった。決して西洋医学が全てだと思っているわけではないんだけど。
すっかり万物の真理を極めた、みたいな口調が怪しく映るのかな。なんていうか、新興宗教とか同じように思えてしまった。がんも治るとか書いてあって、さすがにちょっと笑った。
まあ、現代に生きる我々はこの本に書いてあることだけですべてが治るとは思わずに、ただ各自で自分の体の特徴を理解したうえで生活したり病気を予防することは大切だと思うので、そのあたりを参考にしたらいいんじゃないかなと思う。また、自分(現代医学)と全く違う思想に触れるというのも頭のストレッチみたいな効果があると思うから、そういう意味でも面白いかもしれない。読書の効用。
この人が現代の新型コロナウイルスを見たらなんていうのかなって気になった。 -
「整体協会」創設者の講演をまとめたもので、「風邪は治すべきものではない、経過するものである」という主張をまとめたもの。
基本は整体にまつわる講演なので、前著の「整体入門」を読んでからの方がちゃんと理解できるのでしょう。書店で何となく本著のタイトルに惹かれて読んだだけなので私は読んでいないのですが、頚椎3番とか胸椎5番とかの語が出てきて「あぁ、そういう本だったのか」という感じでした。
なお、調べてみたら奥様が近衛文麿の娘さん、やんごとなき雰囲気が…。
確かに「風邪の効用」についての本で、風邪は身体からのサインであって、薬で無理やり治すのは良くない。うまく経過させることで、身体の偏って疲労した部分が直ると。
現代の西洋医学の範疇とは全く違いますが、まぁこれはこれであるんだろうか、という印象。ちゃんと実践するには整体入門から始めないといけませんが。。本著前半の「背骨で呼吸する」とか後半の「後頭部を温める」とかなら多少とっつきやすそうか。
ただの推測ではありますが、「背骨で呼吸する」というのも、息を背中に通そうと意識するとどうしても背筋が伸びてくるので、姿勢をただすと良くなるってコトもあるのかな、と思いました。
また、「頭の発想が停滞した時には肘を温めると良くなります」というのは「まじか!」という感じ。今度やってみようかしら。
ボリュームは軽めで読みやすいので、考え方を少し取り入れるという意味では読んでみても良いのかも。 -
年がら年中風邪を引いて、しかも長引いてしまうことが多いという話をした時に知人から勧められた本です。読んでみると、それ私です!という症例が序盤にあり、そのまま引き込まれていきました。頸椎何番、など体のパーツに関わる単語は調べながらでしたが、基本的な考え方や風邪への、ひいては身体への向き合い方というのはハッとさせられるものも多くありました。次に風邪を引いた時には表面的なことにとらわれずきちんと経過させられるようにしてみたいです。
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著者は整体師のようだから、愉気法とか体癖とか聞き慣れない語句が出てくるし、どこそこの骨を押せとかもあるから、そういうところは正直よくわからないので、頭に入ってこない。
でも、風邪のときに風呂に入るか入らないか、子供の頃言われてた話では入らないが正解とされていたと思うのだけれど、うちのカミさんは真逆で入るのが当たり前と言っているし実践もしているのだが、この著者の野口さんも同じというか、まぁその症状によって違いはあるようなのだけど、入るのだと言っているのを見て、正直なところ驚いた。タイトルにもあるように、風邪はひくのはひくのだが、ひいたときの対処の仕方で、治り方も、果てはそれ以外にも色々効用があるのだというのは、今更だけど、もっとちゃんと知りたいなと思うので、まずは整体入門という本を読んでからの方がこの本も理解し易かったようなので、その本を読んでから再読しようと思う。 -
西洋医学にどっぷり浸かってしかっているから、すぐには飲み込めないところが多々あったが、面白かった
確かに風邪というと喉や鼻の病という印象があるけれど、定期的にかかるものだから、身体全体の不調と捉える方がいいのかもしれない
風邪は治すものではなく、経過するもの
面白いな〜野口さんの他の著作も読みたい -
風邪を否定するのではなく肯定的に捉え直すことのできる一冊。風邪ばかりでなく、風邪の効用すら肯定的に捉えることができるのだから、色々と応用可能で、独自の価値観に触れることができる。こういう時期だからこそ読んでおきたかったタイトルで、まさにその通りの一冊。読んで損なし。
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1962年刊行の書籍。西洋医学一辺倒の今日だからこそ東洋医学的な視点は新鮮かつ有意義。
整体の視点から見た風邪。風邪をひくのは体のどこかに歪みがあるから、そこだけ修正すれば自然に治癒するという考え方。頚椎と腰椎な何番といった整体の知識を前提としているようだが、専門的な部分を飛ばし読みすれば普通に楽しめる作品。
病気になると薬だ、手術だというのが今の一般的な治療の概念。本書ではひたすら人の持つ自然治癒力を活かすことを主張している。
風邪をひくのは体のどこかに歪みがあるから。それを風邪を機に修正すれば大病はないという。そこまで極端ではないかもしれないが、確かにどこか体に負担があるから風邪をひく。どこか体のマイナス面に気づけば早期に修正ができるという考え。
今の世は病気になるととにかく薬と手術だというのが当たり前。だがどんな病や怪我でも人の持つ自然の治癒力が大前提。その部分が疎かな風潮があるように思う。新型コロナウイルスも、結局自然の治癒力のある壮年の人は回復し、それ以外の既往症のある人や高齢者が重症化しているのだろう。感染後に自分の治癒力で回復した人も報道されないだけで多数いるはず。
西洋医学一辺倒の今日だからこそ本書のような東洋医学の視点は新鮮かつ有意義であろう。