高慢と偏見 上 (ちくま文庫 お 42-1)

  • 筑摩書房
4.22
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本棚登録 : 799
レビュー : 83
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480038630

作品紹介・あらすじ

元気はつらつとした知性をもつエリザベス・ベネットは、大地主で美男子で頭脳抜群のダーシーと知り合うが、その高慢な態度に反感を抱き、やがて美貌の将校ウィッカムに惹かれ、ダーシーへの中傷を信じてしまう。ところが…。ベネット夫人やコリンズ牧師など永遠の喜劇的人物も登場して読者を大いに笑わせ、スリリングな展開で深い感動をよぶ英国恋愛小説の名作。オースティン文学の魅力を満喫できる明快な新訳でおくる。

感想・レビュー・書評

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  • イギリス古典であり『高慢と偏見』なんてお堅いタイトルなので長い間敬遠してたけど、読み始めたら止まりませんでした。ひと昔前に毎月楽しみにしていた長期連載・恋愛少女マンガのような、拗れに拗れていく展開が待ち受けています。

    とにかく一癖もふた癖もあるような人物たちが、あちらこちらから登場しては場を引っ掻き回していきます。彼らのおかけでまとまりそうなお話もまとまらない……そんな、てんやわんやな印象をこの上巻では持ちました。
    とは言うものの、主な登場人物の男女4人だけでは、それこそ抑揚のない堅~い暗~いお話になりそう。だからこそ、そこに花を添えていると思えば、長所よりも短所が目立ってしまうそれらの人々には愛着が湧くもの。
    心優しいジェイン、聡明なエリザベス。彼女たちにはハッピーエンドになってほしい。身分違いの恋、大嫌いな相手からのプロポーズ……幸せへの道は紆余曲折。辿り着く先に待つものは?下巻が楽しみ。

  • 今さら初めてのジェイン・オースティン。文庫で読めるものだけでも各出版社さまざまな翻訳者で4~5種類出ているので、まずどれをチョイスするかで迷ったのだけど、やっぱりちくまが一番無難かなということでこちらを。正直、今までタイトルの印象だけで「昔の上流社会の気取った恋愛のお話なんでしょ」と思っていたら、とんでもなく面白くてビックリ。語弊を承知であえて言うけど、これほぼ少女マンガだよ!200年前の英国版「花より男子」だよ!(笑)

    主人公はベネット家の五人姉妹の次女、快活でしっかり者のエリザベス(リジー)。長女のジェインだけは美貌の上に天使のように優しいけれど、三女メアリーは姉妹の中では唯一不器量でガリ勉キャラ、四女キティと五女リディアはそこそこ可愛いけど頭からっぽで男のことしか考えていないコギャルでトラブルメーカー。

    姉妹の母親は現代文学ならとんだ毒母なくらいこれまた頭からっぽ(失敬)の俗物なのだけど、彼女を筆頭にジェイン・オースティンの描き出すダメなキャラクターというのは、あまりにもダメすぎて腹を立てるのもバカらしく、いっそギャグなの?と思うくらい極端にデフォルメされているので1周まわって笑うしかなくなってしまうのが凄い。姉妹たちの従弟にあたるコリンズ氏なども、あまりの空気の読めなさに、イラっとするのも時間の無駄、作者はこの妙ちきりんな男を大変楽しんで書いているのだろうなというのが伝わってきてつい笑ってしまう。

    そんなわけで、庶民の娘つくしちゃんならぬリジーが、大金持ちのイケメン道明寺ダーシー氏と出逢うも「なんて高慢ちきで嫌なやつ!」と嫌っているのに、典型的なツンデレキャラである道明寺ダーシー氏のほうは、そんな飾らない庶民の娘リジーつくしにいつのまにか夢中になり、思い切って一方的にプロポーズするも、「はあ!?あんたみたいな高慢男を好きになるわけないでしょ!」と撥ねつけられるところで上巻終了。

    • マヤさん
      こんばんは。談話室でコメントいただきありがとうございます!
      「200年前の英国版花より男子」に笑ってしまいました。まさしくその通り(笑)
      ...
      こんばんは。談話室でコメントいただきありがとうございます!
      「200年前の英国版花より男子」に笑ってしまいました。まさしくその通り(笑)
      yamaitsuさんの本棚は文学が充実していてすごいですね!私もこれからいろんな作品を読んでいきたいので、レビューなど参考にさせていただきたいと思います。
      2017/10/13
    • 淳水堂さん
      こんにちは!

      ジェーン・オースティン、ブロンテ姉妹ってどっちも「女には相続権がない。財産を守るには男と結婚するかない。自立するには家庭...
      こんにちは!

      ジェーン・オースティン、ブロンテ姉妹ってどっちも「女には相続権がない。財産を守るには男と結婚するかない。自立するには家庭教師になるしかない」みたいな時代背景のようですが、
      嵐が丘やジェーン・エアは不遇だったり悲壮な決意をしたり堅かったりドラマチックだったりしているのに、
      こちらの姉妹はなんかの~んびりしていますよね(笑)

      オースティンのほうが一世代前くらいのようですが、ブロンテ姉妹の時にはイギリスはもっと女性に生き辛くなったのか、単純に作者たちの性質の違いなのか(笑)
      オースティンもブロンテ姉妹も「牧師の娘」ということで、一般中流階級より結婚結婚財産財産ってしなくても生きられたから小説書けたのかなーー。
      2017/10/13
    • yamaitsuさん
      マヤさん>>
      こんにちは(^o^)こちらこそコメントありがとうございます!
      海外文学、読むと案外難しくないものも多いですよね。やっぱり長...
      マヤさん>>
      こんにちは(^o^)こちらこそコメントありがとうございます!
      海外文学、読むと案外難しくないものも多いですよね。やっぱり長年読み継がれているのは単純に面白いからなんだなって思います。
      こちらこそこれからよろしくお願いいたします(^^)/

      淳水堂さん>>
      こんにちは!
      確かにブロンテ姉妹作品の悲壮感・ゴシック感に比べたら、ベネット家の姉妹はわりとのほほんですね(笑)やはりキャラの差でしょうか。でも作者たちはそんな時代でも作家になったのだから凄いですよね。

      余談ですが海外ドラマの「ダウントン・アビー」に途中からはまって見ていたのですが、こちらは「高慢と偏見」よりは100年くらい後の英国貴族、やっぱり女性に相続権がなくて3人姉妹の長女が相続権のある遠縁の男性といがみあったり恋したり・・・という話でした。100年経ってもまだそんな感じなんだ、とビックリしました(@_@;)
      2017/10/16
  • 映画を物凄く気にいったので原作も!と買いまして今回海外ドラマ版を見た事で読みかえしました。
    まず読みやすく翻訳してくれているのでスラスラ読めるのがとてもいいです。昔の作品なので読みにくいかも?と思ってましたが全然大丈夫でした。
    内容はリジーとダーシー様の結婚までの道に色々な事が起きるって感じですが、この上巻はダーシー様がリジーにプロポーズして、こっぴどく振られ弁明する所までですが、非常に面白いので次!次!ってなります。
    また映画ではそんなに感じなかったリジーの母の出来の悪さを今作では嫌って程知らされることにもびっくりでした。
    あの母からリジーやジェインが生まれたのが不思議なぐらいです。
    ダーシー様も最悪なプロポーズをしたもんですが、彼がそう言いたくなる気持ちも凄くよく分かるぐらい(笑)
    また女性で身分が低かったりしたら本当に大変な時代だというのもよく分かる作品でもあります。

  • 19世紀を代表する女性作家の一人。それどころか、イギリスを代表する作家の一人かも。現代のロマンスものの元祖でもあるジェイン・オースティン。
    近年出たパロディを紹介する前に再アップ。

    ジェイン・オースティンの中でももっとも有名で、愛された作品がこれです。
    5人姉妹の次女で利発なエリザベスは、名家の主で印象的な男性ダーシーに出会うが、とっつきにくいダーシーの言動に反発、さらに噂を吹き込まれて、すっかり誤解してしまいます。
    一方、最初は気づかなかったエリザベスの生き生きした魅力に目を離せなくなっていくダーシー。
    誤解も含めたエリザベスの強烈な拒絶に遭い、生まれて初めて自分の傲慢さを改めようとし始めます。

    18世紀末から19世紀初頭にかけてのイギリスの現実を踏まえて、紳士階級だが貧しくなりかけている一家の娘たちと友人それぞれの恋模様を面白おかしく描いています。
    女性が家を継ぐことが出来なかった時代。しかも細かい身分制度が厳然とあり、地代収入があることがステイタスな身分の女性が体面を保てる職業もほぼ存在しなかった。
    日本で言えば~江戸時代に下級武士が暮らしに困る、みたいなものかな。
    オースティン自身は恋愛経験はあるが破れて独身のまま、作家という異例な成功を成し遂げていくわけです。

    作者がよく知っている世界の中で起きる出来事を丁寧に描いてあり、引き込まれていきます。
    当時の風習は知らないことばかりでも、細かく観察して辛辣に描き出される困った人や嫌なヤツは抱腹絶倒。あるあるな感じを覚えますよ。
    人情の機微も心の動きも、いつの時代も変わらないものがあるようですね。
    出会った途端に誤解からけんか腰の男女がしだいに恋に落ち、時間をかけてついに障害をも乗り越えるという恋愛物の王道を極めた作品。

  • 前回読んだのが、2017年の大島一彦訳で中公文庫。
    今回読んだのが、2003年の中野康司訳でちくま文庫。

    「高慢と偏見」はいくつも翻訳が出ていて、どれを読めばいいか迷うのだが、そのガイダンスとして、こちら(http://www.squibbon.net/archives/10235279.html)を大いに参考にさせてもらった。

    それによれば、今回の中野訳は、非常に読みやすいけど「くだけすぎ」という評判のようだ。

    たしかにそういうところはあるが、気にはならなかった。

  • オースティン、これほどおもしろいとは、
    エリザベスの会話力(主にダーシーとの)がすごい
    日本語訳の秀逸さ
    スラスラ読める

  • 【ジェーンオースティン祭1冊目】
    ああ、なんて面白いのだろう!文学なのに。イギリス文学なのに。皮肉のききまくった、登場人物のキャラのたちまくった、ジェットコースターラブコメディ(キャラクター小説)。アホ・馬鹿者を徹底的に描写しこき下ろす手腕の何とも鮮やかなこと。文学なのに頁をめくる手が止まらない。今年読んだ中で一番面白いかも。オースティン。評価の高いのは知っていたが、全部読んでみようと思う(今、「エマ」取りかかり中)。

  • 面白い! イギリス人にしか書けない一流の皮肉な文章、だけど人間に対する温かい眼差しを感じます。
    高慢(ダーシー)と偏見(エリザベス)の恋愛小説なんですが、恋愛小説の枠に収まるほど陳腐なものじゃございません。
    登場人物の描写が一々精彩を放って魅力的。エリザベスのお父さんのベネット氏好きだな~自分の娘を町一番の馬鹿娘と言ったり、失恋した娘におめでとうと言ったり。こういうユーモアのある父親、うらやましいですね。
    あとビングリーとダーシーの友情、ジェインとエリサベス姉妹にちょこちょこ萌ゆる。
    小説を読む楽しさを味あわせてくれる作品。後半も楽しみです

  • 海外文学は小難しくて回りくどいというまさに「偏見」でした。

    面白くて止まらず、一気読み。
    登場人物の造詣が素晴らしかった。

    ダーシーみたいな人ってたまにいるよなあ。
    エリザベスからはひたすら敵視されているにも関わらず、ダーシーのエリザベスを見る目が優しいところがいい。

    単純に「恋愛小説」の一言で片付けるには勿体ない作品。
    大好きになりました。

  • うちにものすごい古い文庫があるのですが(退色して醤油で煮しめたような色になってる。母の蔵書だったので)新訳で読みたくて借りてきました。結構覚えてるものだなあなんて思いながら読みましたが末っ子の駆け落ちは覚えていたのですが相手は忘れてました。あれでもリジーへの想いを曇らせないダーシーさんは男前だなあと思いましたよ。

    結局高慢と偏見もちはエリザベスの方だったんでしょうか?ダーシーさんもプライドは高いんですが偏見があったとは思えないしなあ。
    読み返すとやっぱり面白い。そしてシャーロットのような割り切った結婚を選ぶ女性もいれば恋は盲目で突っ走るリディアのような子もいるし(とはいえ15歳だし仕方ないと言えば仕方ないかもだけれども)ある程度の分別はあるものの結婚に夢を抱いているリズが居たり。人間描写が上手だなあとつくづく思いました。
    でもやっぱりビングリーさんよりはダーシーさんの方が素敵だよなあ~と読み返してて思いました。

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著者プロフィール

ジェイン・オースティン(Jane Austen)
1775年生まれ。イギリスの小説家。
作品に、『分別と多感』、『高慢と偏見』、『エマ』、『マンスフィールド・パーク』、『ノーサンガー・アビー』、『説得されて』など。
1817年没。

「2019年 『説得されて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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