高慢と偏見 下 (ちくま文庫 お 42-2)

  • 筑摩書房
4.24
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本棚登録 : 527
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480038647

作品紹介・あらすじ

「世界一高慢でいやなやつ」と思われていたダーシーの、別人のような丁重な態度に驚き戸惑うエリザベス。一度プロポーズを断わった私に…。妹リディアの不始末、ダーシーの決然とした行動、キャサリン・ド・バーグ夫人の横車…。エスプリあふれる笑い、絶妙の展開、そして胸を打つ感動。万人に愛される英国恋愛小説の名作中の名作。オースティン文学の真髄を伝える清新な新訳でおくる。

感想・レビュー・書評

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  • 「世界一高慢でいやなやつ」
    そんなダーシーからのプロポーズを断ったエリザベスですが、その後のダーシーの別人のような丁寧な態度に戸惑い、彼がやっぱり気になります。
    そんな時に、妹リディアがとんでもない不始末を起こしたとの姉ジェインからの手紙で、エリザベスは気が動転してしまいます。
    そこへ現れたのがダーシー。取り乱したエリザベスの様子にぎょっとします。
    ここね。ここがこの下巻を読み始めて最初にクスリとなりました。あのいつも高慢な偏屈っぽいダーシーが、「ぎょっ」となった姿を想像すると、なんて可愛いのっ!と。きっと気を取り直した後も心中はあたふたとしてたんでしょうね。

    それにしても、リディア。とうとうやってしまいましたよ。でも、本人はケロリとしてま~す。何にも悪いことしたなんて思ってませ~ん。それどころか幸せの絶頂期を迎えていま~す。
    リディアに振り回されるベネット家。なんやかんやとそれぞれに短所が目立つベネット家。まるでホームドラマを観ているような賑やかさです。特に振り回されるのは、心優しきジェインと活発なエリザベスでしょうか。
    それでも、ベネット夫人の弟夫婦であるガーディナー夫妻やダーシーのおかげで、リディア事件も何とか落ち着き、ここからはジェインとエリザベスの恋の行方が気になっていきます。
    とはいえ、読者のほとんどは、どちらのカップルも、もう両想いだろっ!このっ、このっ!と確信していると思うのですが 笑。小説の中の彼ら彼女らは、各々ぐだぐだと悩んだり、もしかして……と想像したり。まだまだ、どきどきしてます。うふふです。

    上巻の終盤。当然、プロポーズを受け入れるだろうと高飛車な態度に出ていたダーシー。思わぬ反撃にくらい、エリザベスにこっぴどく振られました。すごく恥ずかしくて、腹も立ったでしょうに。でもやっぱりなsmartでcoolな人って、ここからが違うのですね。彼は自分を見つめ直し、そしてエリザベスへの想いを深めていきます。
    この頃からのダーシー好きですね。急激に素敵な男性へと駆け上がっちゃいましたよぉ。
    ただ、感情が表に出ないダーシーは、ことごとくエリザベスに誤解されているようでしたが。(おぉ、不憫……)
    それでも、リディアのことで陰ながら尽力してくれたり、ガーディナー夫妻に対する丁寧な態度などからエリザベスは、ダーシーへの気持ちが益々深まっていきます。
    でも、プロポーズをガツンと断っちゃったし。そんなわたしのことダーシーは、もう好きじゃないよね。(おぉ、不憫……)

    そんな物語も終盤。ラスボス的存在?のキャサリン夫人が、エリザベスと娘の婚約者であるというダーシーを巡って直接対決します。この時のエリザベスは、凛としてました。もう、彼女も自分の気持ちに真正面から向き合えたのでしょうね。

    そして物語は、予想通りの結末へと向かいます。

    『……われわれは何のために生きているのかね?隣人に笑われたり、逆に彼らを笑ったり、それが人生じゃないのかね?』

    決まりきった人生なんて面白くないよね。
    そんなのこっちから願い下げ。
    欠点のない人間なんていやしない。
    誰だって、恥ずかしいことも、失敗したことも、
    しんどいことも、イヤなことも抱えてる。
    だからこそ。ぎゃあー!もうイヤっ!!なんてなった時こそ、そんな自分や周りの人を笑って愛して、まるっと包み込んで生きていけたらいいよね……と思いました。

  • あらすじを書くと平凡な話なんだけど、当時の身分社会や、結婚観や貞操感を想像すると、みんな必死でおもしろい。
    登場人物がなかなかにみんな自分勝手で独りよがりで、プライドが高く見栄っ張りだし、
    ベネット夫人、リディア、コリンズ氏などやたらイライラする人がイライラする発言ばかりするし
    よくよく考えると、ろくでもない人が多すぎる気もするけど(笑)
    ジェインとエリザベスが聡明で、ちゃんとハッピーエンドに終わったのでよかったです。
    エリザベスの正直な物言いは共感できて好きだなぁ。

  • この下巻はまた色んな事があります。リジーの妹リディアの結婚とか・・・。
    現代では駆け落ちとか、そんなにたいした事ないと思いますが、この時代では家族全員の評価を著しく下げ、未婚の者は結婚など無理!ってなってしまうぐらいとか本当に現代は開けましたね~。
    この時代では異性の手が触れるなんてダンスの時だけだったと映画のメイキングで言ってたような~?なのでこの駆け落ちがいかに大変な事だったかというのも、よく分かります。
    リジーとダーシー様はというと、高慢で鼻持ちならない以前の彼とは比べ物にならないぐらい気さくな姿に、リジーが段々心を開いていく姿を丁寧に描いているので感情移入出来るというか、この二人が早く幸せになるのを今か今かと待つ感じで凄く楽しめます。
    欲を言えばラストがあっさりしているので、ようやく結ばれた二人のその後をもう少し描いてほしかったかな?って感じかな。
    でもあっさりしていますが終わり方も凄く良いんですが・・。
    本当に世界中で愛されている作品というのも分かる素晴らしい作品だと思います。

  • 「高慢と偏見」は、冒頭の文章が非常に有名なので、そこが翻訳者にとっては最初の腕の見せ所となる。
    腕によりをかけて訳文を練っているので、それぞれの特徴も読み取りやすい。

    こちらのサイト(https://madamnote.com/compare-translated-books/)では、その部分を並べて紹介しており、この中野訳はその中でも高い評価を受けている。

    ただ、最初に読んだ中公文庫の大島訳は、ネタバレということでランク外になっているけれども、ストーリーをだいたい知っている人にはあまり関係はないので、そういう人が最初に読むとすれば、絵入りの中公文庫が当時の風俗を知る上でも良いのではないか思う。

  • 結末はわかっているのに、とにかく最初から最後までそわそわ、やきもき、わくわくしっぱなし!

    すこぶる「面白い」小説だった。決して特別なことが起こるわけでない。あらすじを言ったってつまらないだろう。しかし、とにかくその展開の押し引きの上手いこと! そして、その説得力のあること!

    主人公・エリザベスの美しさと可愛さと言ったらない。知性が内側から輝いている。
    この聡明で、しかも明るいヒロインは、自分の知性でもって現実を見る。そしてそれらを「笑い」でもって批判し、また愛するのである。

    「私は笑うことが大好きなんです。……人間の愚かさやばかばかしさや、気まぐれや矛盾がおかしいんです。そういうものを見たらいつでも笑ってやります」

    彼女とダーシー氏が交わす会話の面白いこと。彼らはともにリアリストであり、どちらも非常に立派な良心を持った頭のいい人間である。
    そんな彼らであるのに、いやそんな彼らだからこそ、お互いにお互いとの関係を素直に進めることができない。その様が実にリアルだ。

    平易な言葉で、身近な題材で、そして単純なストーリーで、こんなに「面白い」小説があるのだなぁ。読みやすい訳のおかげもあるだろうが、これが200年近く前に書かれたものだとは驚きである。
    今回は中野康司・訳で読んだけれど、他の訳で読んで読み比べるのも楽しそう。私は滅多に同じ本を読み返さないのだが、この小説なら、もう一度読んでもきっと楽しめるだろう。

    • 抽斗さん
      はい、読んでよかった!と思います。とても楽しい読書でした(^^)。

      『マンスフィールド・パーク』も、ヒロインがエリザベスとはまた違った...
      はい、読んでよかった!と思います。とても楽しい読書でした(^^)。

      『マンスフィールド・パーク』も、ヒロインがエリザベスとはまた違った性格のようで面白そうですね。
      コメントどうもありがとうございます。
      2012/11/04
  • 実はダーシー氏には、たちの悪い幼馴染(執事の息子)ウィッカムがおり、今は軍人になっているけれど、こいつが見た目だけはとんでもないイケメン、しかも外面が良く人当りも抜群なので、すっかりベネット家の姉妹をたらしこんでいる。

    リジーもこのイケメン・ウィッカムに騙されてダーシー氏の悪口を吹き込まれていたのだけれど、これがすべて嘘だったことがわかり、道明寺ダーシーの優しさに気づくリジーつくし。やっと二人が両想いになるかと思いきや、ここでダーシーのお金持ちの叔母様が「あんたみたいな庶民の娘との結婚は許しません!」と加賀まり子ばりに乗り込んできたり、さらに顔だけ男ウィッカムが、アホ娘リディアと駆け落ち騒動をおこしたりして大わらわ。

    これに長女ジェインと、ダーシー氏の親友である性格の良いイケメン金持ちビングリー氏とのロマンスなども絡み、いろんな誤解や擦れ違いにヤキモキさせられるのだけれど、最後はもれなくハッピーエンド。次々と登場するイケメンに翻弄される姉妹たち、個性豊かな脇役キャラクター、憎めない典型的な愚物・意地悪キャラなど、少女マンガ的要素満載。何度も映像化されているのも納得。夢中になって一気読みできる面白さでした。

  • 我慢できず一気読み。本当に面白かった。
    ガーディアン伯父夫婦のいる、ダーシー氏の地元へ行き思わぬ待遇を受けるも、末の妹リディアがウィッカム氏と駆け落ちしてしまいエリザベスは混乱の奈落へ。
    ダーシー氏の素晴らしさを発見するにつけ自分が愚かしくなるエリザベス。

    とかあらすじを書くほどいい加減ばからしくなる。確かに少女漫画な流れだが、それが17世紀に精彩を以て生き生き描かれた事に意味がある小説だ。主人公のエリザベスがとても魅力的で、相手のダーシー氏もお金持ちでイケメンで在るだけではない魅力に富む。
    セックスではないところで結婚相手を決めていた時代の明るい魅力を感じました。主人公エリザベスがとにかくかわいい! 姉のジェインも天使だけど、後半、義姉妹となるミス・ビングリーに対しては依然急に冷たくされた経験を踏まえ少し強かになる感じ、エリザベスと共に胸がすっと小気味良くなる。
    末娘のリディアとクズ男ウィッカムとの繋がりが依然あるのはしかたないが、主人公がシンデレラな結婚をしたのは確かなので、無問題なのかしら。
    ウィッカム氏とダーシー氏の関係が歪で更にこの結婚で義兄弟になってしまって腐女子としてはざわざわしますがそこは封建的な主従関係が解決してくれようと妄想します。
    全体、ジェインとエリザベスの姉妹がすてき。明るい気持ちになれる小説です。

  • 繰り返し読んでしまうほど、何度読んでも新鮮な気持ちで読めてしまう^ ^ エリザベスの心の変化とダーシー氏の変化がまるでその場にいるような気がするほど鮮やかに描かれていて、読み飽きることがない☆ダーシー氏と結婚したい(笑)!!これは手元に置いておきたい一冊に決定!

  • 高慢だった男と偏見を持っていた女の話でした。最高でした。ユーガットメールを観てメグライアンが演じたヒロインが高慢と偏見を好きで、メグライアン好きな私としては読んでみなくてはと思って読みました。この本に出会えてよかった。ありがとうメグライアン。
    これが1813年に出版されただなんてすごすぎる。約200年後に似たプロットのテレビドラマが日本で大ヒットするわけだけれども。ずっと読み継がれて、200年後の異邦人(私)がこれを読んでときめいてるっていう事実が、すごい。自分の名前と自分の本が時代と国境を越えて絶賛されるって!なんてロマンチックなんだろうと思った。
    私はエリザベスみたいなユーモアのセンスとか空気を読む力とかないのでこの二人の結婚に憧れるとは言えないけど(笑)ダーシーさんもエリザベスも二人とも魅力的で素敵でした。あー楽しかったな。読了後の充実感とダーシー氏へのときめきで胸がいっぱいなままにこのレビューを書きました。ジェインオースティンありがとう。

  • 映画「プライドと偏見」を先に見て、面白かったので小説も。
    あらすじは分かっているはずなのに面白かったー!!
    読みやすい訳でとても200年前に書かれたものとは思えない。
    小説の世界に入ってしまいました。
    そしてダーシー男前すぎる!!結婚して!
    自分の欠点を真摯に受け止め、直そうとする、
    愛する人のためにー!エリザベス幸せすぎ。
    小説の方が心理描写が丁寧だから、ダーシーの気持ちもよくわかって
    エリザベスの気持ちもよくわかって、感情移入しやすかった。

    軽やかに読める王道ラブストーリー!
    読後感は爽やかで幸せ。

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著者プロフィール

ジェイン・オースティン(Jane Austen)
1775年生まれ。イギリスの小説家。
作品に、『分別と多感』、『高慢と偏見』、『エマ』、『マンスフィールド・パーク』、『ノーサンガー・アビー』、『説得されて』など。
1817年没。

「2019年 『説得されて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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