風雅の虎の巻 (ちくま文庫 は 6-9)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480038654

感想・レビュー・書評

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  • 日本の伝統的な美意識について、社会構造と関連づけながら考察をおこなっている本です。

    本書のテーマは、芭蕉たちが追及した「風雅」という美的価値観ですが、著者はこれを「実用と非実用を対立させる考えからの逸脱」と表現しています。第1章である「花の名前は知らねども」では、千利休と豊臣秀吉の対立を軸に、茶道の限界を明らかにし、第2章である「鳥のように」では、源実朝、藤原定家、後鳥羽上皇らの和歌について詳細な分析を展開しています。『これで古典がよくわかる』(2001年、ちくま文庫)で著者の巧みなみちびきによって日本の古典文学の魅力にめざめたという読者は、わたくし自身をはじめけっしてすくなくないと思いますが、そうした読者には著者の和歌についての独創的な考え方がいっそうくわしく説かれており、興味深い内容なのではないかと思います。

    第3章の「風の音を知れ」では、映画、演劇、絵画、をはじめ、マンガや歌謡曲、生花、着物、日本料理、旅館にいたるまで、日本文化のさまざまなジャンルについて、簡潔でありながら鋭い見方が示されています。

    日本文化に特有の美意識について関心のあるひとにとっては、著者ならではの切り口が示された本書の議論はおもしろく読めるのではないかと思いますが、本書を読んで、著者独自の美学についてより原理的な次元での議論を知りたいという向きには、『人はなぜ「美しい」がわかるのか』(2002年、ちくま新書)をおすすめします。

  • 4〜5

  • 日本人の昔の価値観

  • サラリーマンだって、そうバカにしたものでもないんだ、と考えさせられた。

  • 145
    152
    207
    216
    306

  • 何より語り口。
    アヴァンギャルディスト・シュールレアリスト、藤原定家。
    灯台もと暗し。ヨーロッパだけじゃなかったんだ。

  • やや未整理気味か。

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著者プロフィール

1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。小説、戯曲、舞台演出、評論、古典の現代語訳ほか、ジャンルを越えて活躍。著書に『桃尻娘』(小説現代新人賞佳作)、『宗教なんかこわくない!』(新潮学芸賞)、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞)、『蝶のゆくえ』(柴田錬三郎賞)、『双調平家物語』(毎日出版文化賞)、『窯変源氏物語』、『巡礼』、『リア家の人々』、『BAcBAHその他』『あなたの苦手な彼女について』『人はなぜ「美しい」がわかるのか』『ちゃんと話すための敬語の本』他多数。

「2019年 『思いつきで世界は進む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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