本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480038999
感想・レビュー・書評
-
在りし日の東京を描く随筆集。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
関東大震災と戦争を乗り越えた先生には、大きな歴史の変化に順応できる究極のプラス思考があったと思う。そのことは次の一文に如実に表れている。
「喘息は毎年夏になると起こる(中略)。治まった後で一服しながら、喘息でなく当り前に呼吸をしていると云うこの工合の良さは喘息持ちでなければ知らない。病気のお蔭で呼吸の味わいを知って勿体無い事だと思う」
プラス思考というよりも、対象を離れたところから客観化して観察する能力に長けているといったほうが正確か。
常にユーモアを忘れない、どこか飄々とした先生の姿勢に憧れる。 -
久しぶりの百間先生。
主に戦前戦後の「東京」を堪能。このタイムスリップ感が醍醐味の一つです。
そして内田百間という人間性。
偏屈で面倒くさい御仁なんだけど、憎めない。失礼だけどちょっとかわいらしい。
2.26事件のドキュメント風な随筆も、読んでいて歴史上の出来事というより、最近のゴシップのように感じられてしまう。
「時代」と「場所」が、普遍的に無理なく手近に引き寄せられるのは、百間の飾らない、何となく親近感を持たされるキャラクターゆえだと思う。 -
「沙書帳(丁章)」「面影橋」「瓢箪八つ」
全5件中 1 - 5件を表示