「妖しの民」と生まれきて (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (2004年7月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480039408

みんなの感想まとめ

この作品は、名脚本家の自伝エッセイであり、幼少期から脚本家デビュー直前までの人生を振り返る深い内容が魅力です。著者の複雑な生い立ちや海軍での経験、特に終戦直後の占領期の思い出が圧巻で、焼け野原の東京の...

感想・レビュー・書評

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  • タイトルからはわかりにくいが、名脚本家の自伝エッセイである。幼少期から脚本家デビュー直前までを振り返っている。

    聞き書きの名作『昭和の劇――映画脚本家 笠原和夫』は、著者の1人・荒井晴彦が本書の「続きが読みたい」と思って企画したものだという。

    『昭和の劇』で断片的に触れられた話も、一部に登場する。ただし、本書のほうがいっそう深く掘り下げられている。

    複雑な生い立ちや海軍での経験も興味深いが、終戦直後の占領期の思い出の数々が圧巻である。

    焼け野原の東京の描写はすごい迫力だし、終戦後に不幸な早逝を遂げた実妹の思い出を綴った章は哀切無比だ。

    そして何より、後半を占める「木挽町の『パリ祭』」の章が素晴らしい。この章だけでも、独立した一編の中編小説のようにドラマティックで感動的だ。

    笠原は20代中盤、占領期の米兵相手の街娼用ホテル「グリーンハウス」で雇われ支配人(兼ボーイ兼通訳兼コック)として働いていたのだが、そこでの思い出を綴っている。

    銀座にあったというそのホテルで起きたさまざまな事件が、次々に登場する。それだけでも十分に面白い。

    加えて、ホテルを利用する個性豊かな街娼たちとの心のふれあいも、しみじみと読ませる。

    とくに、街娼の1人・吉川聖子(さとこ)は、「木挽町の『パリ祭』」のヒロインといってもよい存在感だ。

  • 「仁義なき戦い」の脚本家、笠原和夫の自伝エッセイ。とにかく美しい物語と文章。ほとんど小説。

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著者プロフィール

昭和2(1927)年東京生まれ。日本大学英文科中退。海軍特別幹部練習生から様々な職を経て東映宣伝部に入る。昭和33年からシナリオ執筆を始め、東映任侠映画路線の花形ライターとなる。『仁義なき戦い』四部作、『日本侠客伝』シリーズ、『博奕打ち 総長賭博』『二百三高地』『大日本帝国』などを執筆。昭和56年と58年に日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。著書に『「妖しの民」と生まれきて』『映画はやくざなり』『破滅の美学』『昭和の劇』(共著)など。平成14年12月12日逝去。

「2025年 『笠原和夫 日本人の戦争 戦争映画ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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