源氏の男はみんなサイテー (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 126
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480039705

感想・レビュー・書評

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  • モテモテ源氏が絶世の美女たちと夜を重ねる…というお耽美なドラマ、映画、またはアニメを観て、何か釈然としない、感動できない…はっ、私って不感症?
    …と思いつつも、「源氏なんてあんまり魅力ないよね?」「ってか、ウジウジ人間ばっかりの宇治十帖、二度と読む気しないわ」「髭黒の大将みたいな旦那って、たまにいるよね~」
    …などというたわごとを他人に言えば奇人変人されるばかりで誰もわかってくれない。
    …という思いを長いことしてきたわけですが…
    この本は、まったくもって的確すぎる言葉で、びりびりとしびれさせてくれました。
    でも、これはあくまで女視点であるし、他の本や、いろいろな現代語訳を読むことをお勧めします。
    橋本治の窯変源氏物語なんかは、飽くまで男視点なんだけど、男視点で女心をくどくどと書いているところがなかなかおもしろく、こちらもお勧めです!

  •  標題につきましては激しく同意であります。
    内容分析も、示唆深い点がたくさんあり、勉強になりました。特に頭の中将論とかマッチョ論とか。紫式部は同じテーマを違う形で何度も繰り返す(文学用語でいうところのライトモチーフ)とか。

     私個人としては、自分と紫式部の男性観が180度違うのは、時代が違うからだと思っておりました。
     でも、この本を読むと、ほぼ同時代人であるはずの大塚さんと私とでも、かなり男性観が違っていることがわかり、興味深く感じました。
     私はこれまで周囲の男性に恵まれてきたのだな、ということがしみじみわかりました。父の日になにか送ってあげようかと思います。

  • 解説:米原万里

  • 結構な部分、特に前半は『カラダで感じる源氏物語』の文章を流用しているが、異なる方向で展開させているのが面白い。ただ『源氏物語』の成立を考えると、全て計算された構成というのには疑問がある。

  • 「あさきゆめみし」では素敵キャラも見方を変えればどいつもこいつもサイテー男のオンパレードで笑う。
    なかでも一番サイテーなのは宇治十帖の薫とみた。

  • 昔っから思っていたことがタイトルで思わず買ってしまった。
    なるほど〜!親子小説か。

    紙が貴重で、さくっとコピペもできない時代なのに、
    紫式部の物語力は偉大だとあらためて思いました。
    思い描くモデルがいるからこそ、人物にぶれがないのでしょうね。

    本書に関しては、作者の持ち味の表現の真っ当さに赤面・・・
    やっぱり『源氏物語』って苦手。

  • 大学生の頃、図書館でハードカバー版(ソフトカバーだったかな)を借りて読みましたが斬新でおもしろかったと記憶しております。現在、源氏物語に熱く再燃しているので、文庫本を買って読み返したいです。柏木と頭中将びいきなので凹みそうですが…。

  • 源氏が嫌いなのは自分だけ?という誰にも言えなかったもやもや感がすっきりした。ただけなすだけでなく分析もしてるし。源氏だけでなく夕霧も薫も嫌いです。

  • ワタシには見えなかった新たな目線で、バッサバッサと源氏物語を切り裁く本書。特に宇治十帖は、何かもよーんとしたまま物語が進むと感じた理由を改めて知るコトが出来たんでとっても嬉しい♪ 一番笑ったのは、『朱雀院の××疑惑』。(笑) 気になる方は、是非ご一読を!! 源氏物語挫折経験アリの方にも、楽しいと思いますよ~。(^^)

  • どいつもこいつも何かしら問題アリで「サイテー」な源氏の男君。ちょっと「そこは飛躍しすぎでは」という部分もあるけど、古典の授業がつまんなかった人は読んでみましょう。源氏がワイドショーに見えてきます。それ以外にも、なんで式部はこんなサイテーな男どもを用意したの?ただの風潮?と勘ぐってる人にもオヌヌメ。
    個人的は八の宮のサイテーさがしっかり批判されてたのが二重丸

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著者プロフィール

1961年横浜市生まれ。古典エッセイスト。早稲田大学第一文学部日本史学専攻。個人全訳『源氏物語』全六巻、『源氏の男はみんなサイテー』『カラダで感じる源氏物語』『ブス論』『愛とまぐはひの古事記』『女嫌いの平家物語』(以上、ちくま文庫)、『快楽でよみとく古典文学』(小学館)、『ひかりナビで読む竹取物語』(文春文庫)、『本当はひどかった昔の日本』(新潮社)など著書多数。

「2016年 『文庫 昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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