ひとが生まれる: 五人の日本人の肖像 (ちくま少年図書館 19)

  • 筑摩書房 (1972年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (246ページ) / ISBN・EAN: 9784480040190

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  • この中に出てくる本は、
    混乱の世にある日本で、
    自分を貫き、精一杯生きた人ばかりです。

    その中に、決して名前は知られていませんが
    その強さに惚れ惚れとした女性がいます。
    彼女の名前は「金子ふみ子」。

    彼女には当たり前にあるはずの
    戸籍が存在しませんでした。
    それゆえに、当たり前の教育を
    受けることができなかったのです。

    つまり彼女は、私生児。
    父親側が彼女を戸籍に入れたがらなかったのです。

    そして母親も現代の尺度で言えば
    虐待事件でよく捕まる母親の
    典型例の淫乱な女だったわけです。
    詰まるところの、芯のない女性。

    彼女は頼るものが何もないので
    頼れるのは自分だったのです。

    自分、というところは
    彼女が捕まり死刑判決を受け、
    その後恩赦で減免されたときの
    とてつもない行動にあるわけです。

    そう、結局は彼女を
    国の大元は、救いもせずに
    その体を鞭打ったのですから。
    そして自分しかたよることのできない
    彼女に、天皇を崇拝する心は
    あるように思えません。

    田中正造もそうなのですが
    自分を貫き、邁進することが
    いかに難しいことかがわかるでしょう。
    妨害もあるし、不条理な目に遭うこともあります。

    でも、それを貫いたこと。
    そういう人がいたことを忘れないこと
    大事なことですよね。

  • ひとは、どのような経験を経て、「そのひと」になるのか。時代背景とともに丁寧にひもとかれている。
    成功者とは限らないひとの人生を知ることから、伝記を読む意味を考え直す。
    金子ふみ子の章は、子どもむけとは思えないほど、ふみこんでる。

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著者プロフィール

922−2015年。哲学者。1942年、ハーヴァード大学哲学科卒。46年、丸山眞男らと「思想の科学」を創刊。65年、小田実らとベ平連を結成。2004年、大江健三郎らと「九条の会」呼びかけ人となる。著書に『アメリカ哲学』『限界芸術論』『アメノウズメ伝』などのほか、エッセイ、共著など多数。『鶴見俊輔集』全17巻もある。

「2022年 『期待と回想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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