- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480041159
作品紹介・あらすじ
なぜ日本人がヨーロッパの歴史を学ぶのか。昔のヨーロッパの人びとが毎日をどのような思いで暮らしていたか、どうしたらわかるのだろう。歴史とは過去の事件の流れを追うことと考えられていたなかで、著者が確立した新しい歴史学の方法について語る。中学生から。
感想・レビュー・書評
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世間とは何か、だけ読んでおけばいいと思った阿部謹也さんだが、装丁にひかれて食指がのびる。自身の研究者人生を振り返るので、初期の問題意識がよくわかる。良書。
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金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18333
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN02323775 -
歴史学者がなぜ歴史に興味を持ったのかや修道院での生活といったとこから始まる自身の生い立ちと、かつてのヨーロッパの人たちがどのような想いで毎日を過ごしていたのかやなぜ賎民が生まれたのかといったことに対する分析をわかりやすく語っている。
大宇宙と小宇宙の対比や、土着の信仰にキリスト教が入り込んでいく話や、ハーメルンの笛吹き男の考察など、なかなか面白いし、学問をやるにあたっての真摯な態度は大切だなと思った。 -
とある書籍で絶賛されていたので手にとってみた本。自分自身がこのジャンルを読み慣れていないせいか、内容がイマイチ入ってこなかった。
いずれもう一度読めば、また理解の深さが変わってきそうな気がするのでとりあえず評価はなし。 -
歴史の本としてとても面白かった。読みやすいので筆者の研究遍歴なども関心を持って読めた。
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(1998.11.07読了)(1998.11.02購入)
(「BOOK」データベースより)amazon
なぜ日本人がヨーロッパの歴史を学ぶのか。昔のヨーロッパの人びとが毎日をどのような思いで暮らしていたか、どうしたらわかるのだろう。歴史とは過去の事件の流れを追うことと考えられていたなかで、著者が確立した新しい歴史学の方法について語る。中学生から。 -
中世ヨーロッパを理解する前提として、小宇宙と大宇宙の概念ははずせないだろう。小宇宙とは家族や村コミュニティ、大宇宙は村の外(草原、海)の世界の事。病気や公害は全て大宇宙から来るものだと考えられ、そのため当時の人々には大宇宙に対する恐れがあった。その2元的な考えを壊し、1元的な考えを広めようとしたキリスト教が台頭し、その運動は表面上成功した。しかし人々の心には大宇宙への恐れが残っており、それが差別などを生み出した。
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歴史学の泰斗が、歴史の初学者のために自分が歩いてきた道をそのままに語ってみせたもの、家族が離散して施設で育ってきた過去もなにもかもあらいざらいの率直さで、深い感銘を与える。
ゲッチンゲン大学の古文書資料閲覧室で、ハメルンの笛吹き男の伝説に遭遇した箇所は、長く同じ資料閲覧室で仕事をしていたことがあるので、不思議な縁に心がときめいたる