南の島へいこうよ

  • 筑摩書房 (1991年1月1日発売)
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 17
感想 : 1
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480041562

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  「就活」の言葉どおり、二十歳前後で就職し、お金を稼いで企業や役所という組織の中で、60~70歳の定年まで働く。自営のお店や専業で農業や漁業に従事する等の一部の例外を除けば、皆さんの誰もがそれが当たり前、自明のことだと思っていることでしょう。この本では、そのような生き方とは全く違う、こんな人生もあるんだ、こんな生き方をしている人たちもいるんだということが紹介されています。
     本のタイトルにもあるように、1990年頃の南太平洋のミクロネシア、サタワル島の人々の暮らしを、実際の取材にもとづいて、中学生がこの島を訪れて実際にいろいろなことを、体験するということに仮託して書かれた本です。自然と向き合って、自然とともに生きる、そのために適したルールを経験則から作り上げて、みんなで守って生きていく。
     著者も本の終わりの方で言っていますが、世界のいろいろな情報や便利な生活を知っている私たちがそれらを全部捨てて、現実にこのような生き方をできるか。おそらく、ほぼすべての人の答えはノーでしょう。
     実はこの本は、1992年度の課題図書となった本です。この本が書かれたころの日本はまさにバブルの絶頂期、日本の経済戦士たちが世界中を、肩で風を切って闊歩していました。数年後には、職業人として、社会へ出ていく世代の若者に、ちょっと立ち止まって考えて欲しいというのがこの本が出された意図で、それがたまたま課題図書に選定され、結果的に当初の想定より多くの中学生が読むこととなったのです。たくさんの、当時の中学生だった人たちが、夏休みにこの本を読み、人間の生き方、自分自身の人生の在り方を考えただろうと思います。
     それから30年あまり、今のサタワル島の人々の暮らしには、この本で描かれたもののほんの一部しか残っていないかもしれません。しかし、逆に今だからこそ、ほんの少し前には実際に存在した、このような暮らしから、皆さんのこれからの人生を、今の生き方を見直すべきヒントがあるのではないでしょうか。写真やイラストもたくさんあって、文章もこなれた、とても読みやすい本です。是非、手に取って読んでみてください。

    (へろへろ隊員 いのうえ)

全1件中 1 - 1件を表示

門田修の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×