百年前の二十世紀

  • 筑摩書房 (1994年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480041869

みんなの感想まとめ

未来予測の魅力を探る本書では、明治・大正期の著名人や作家たちが描いた「百年後の未来」が、ユーモアと驚きに満ちた形で紹介されています。特に、当時の新聞や創作物からの予測は、鉄道やエアコン、新幹線といった...

感想・レビュー・書評

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  •  大河ドラマ『いだてん』が始まったころ、登場人物に押川春浪(武井壮 扮)が名を連ねているので「横田さん、嬉しいはず」と検索。そこでようやく訃報を知り、SFマガジンの追悼号を購入した。
     SF界では若手の印象があったが、亡くなられて不思議はない年齢か……。
     小学生の時に読んだ『超革命的中学生集団』がファーストコンタクトなので、私の中では平井和正ヒーローの一人だ。その著書『日本SFこてん古典』全3巻は座右の書だ。
     難を言えば、稲垣足穂の亜流じみたショートショートは感心できなかった。
     横田さんを偲んで、本書を読む。

  • 明治・大正期の未来予測や未来小説から、
    二十世紀という未来をどう予測していたかを探る。
    1 西暦2000年未来の旅
    2 未来予測の的中度ー『二十世紀の予言』
    3 『二十世紀の予言』は誰が書いたのか
    4 その他の未来予測
    5 『百年後の日本』
    6 なぜ、予測は的中したか?
    7 ぼくの『二十一世紀の予言』十項目
    明治・大正期の新聞、雑誌、書籍等の未来予測や未来小説から、
    二十世紀という未来をどう予測していたかを紹介しています。
    富国強兵と日清・日露戦争、産業の発達、社会主義の芽生え、
    新しい文化の躍動、そしてSFブームの到来。
    そんな時代の未来予測。当たるも八卦当たらぬも八卦w
    エアコンや電力、新幹線、防犯カメラ等の、驚きの予測も、有り。
    また、幸田露伴や星一(星新一の父)などが未来予測の本に
    関わっていたことも、面白かったです。
    様々な分野の著名人250人にアンケートした『百年後の日本』では、
    その一部の抜粋で、真面目に、或いはゆるゆるとした予測が、
    未来に対する願望を表しているようでした。

  • 明治・大正の人々が20世紀を未来予想した話が書かれている。
    書かれていたことのなかには20世紀どころか21世紀に出てきたものなどもあった。これからは機械の時代だ!と言っていた頃であっただけあって想像力が豊かだったのだろうと思えるほど愉快な予測も紹介されていた。
    今の時代から23世紀を予測したとしてどんな面白い予測ができるのか見てみたい気もする。

  • 蔵書の中からふと目に止まったので再読。

    今から百余年前、未来予測や未来小説が流行した。科学技術・日常生活・社会・環境など、明治・大正を生きた人々は、未来に対して様々なことを想像し、ビジョンを描いた。
    そんな彼らの予測をまとめた本が、「百年前の二十世紀」だ。

    彼らほど真摯でなくても、「こんなかもなぁ」と想像をめぐらせることはあるだろう「自分がもはや存在していない未来」
    彼らから見れば、今生きている私達が紡ぎだしている現代。

    逆に捉えると、100年前の彼らの存在があったから、現在の私たちの世界がある。

    100年前の人々は、私たちの現代をどう予測していたのか
    100年前の想いや夢を俯瞰できるユニークな本である。
    たとえば、1901年(明治34年)報知新聞「二十世紀の予言」によると
    「無線電話が世界各地に連絡して、東京にいながら、ロンドンやニューヨークの友人と話をすることができる」
    「数十年後、ヨーロッパで戦争が起こった時、東京の新聞記者は、編集局にいながら、電気の力でその状況を早撮り写真に撮ることができる」

    「新機械が発明され、暑さ寒さを調和するために、適宜の空気を送り出すことができる」

    「家庭に無教育な人はなくなり、男女ともに大学を卒業しないと一人前とみなされなくなる」

    ・・・どうだろう、先人の洞察力。
    もっとも見事に外れているものも多くて
    「蚊は絶滅する」であったり「動物と話ができる」など・・・
    ついこの間まで、ちょんまげを結っていた人々が、ここまでの思考の飛翔を見せてくれるのは心地よい。

    しかし、百年前の人々がまったく予測できなかったものがある。
    それは「コンピュータ」の出現だ。
    明治の文明開化は、西洋の科学技術を日本に紹介し、電気・無線・自動車・医学などは、当時の人々を驚愕させ、また夢を膨らませたに違いない。
    それでも、人間の「思考」に関わる、この発明については、数十年後に成されるとは想像できなかったようだ。
    コンピュータの出現によって、技術進化のスピードはとんでもなく速くなっている。明治期の人々が100年先に想いを馳せた如く、たった10年後の未来さえ、予測できないこともある。
    極論だが、今予測できる範囲での具体的な計画は、「全く役に立たない」と言い切ってみよう。
    そういった前提で事象を捉えると、パターンに従って計画を立てるということはナンセンスというものだ。
    むしろ、「どんな驚きがこの先起こるか見てやろう」と楽しむくらいのやわらかい心でいたほうが、この暗夜行路の糧になるだろう。
    明治の彼らがそうであったように、「きっと、私たちの想像を遥かに超えたものがやってくる。」
    読み返してみて、そう感じた。

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