生きることのはじまり (ちくまプリマーブックス 103)

  • 筑摩書房 (1996年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480042033

みんなの感想まとめ

テーマは、障害者としての視点や社会との関わりを通じた自己探求と、他者との関係性の再考です。読者は、著者の激しい人生経験や、社会的な偏見に対する挑戦を通じて、視点の転換を促されます。特に、舞台上から観客...

感想・レビュー・書評

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  • 10月半ばに、劇団態変の公演「喰う」を見た。表現は抽象的、けれど演じる身体はそれぞれ具体的で、存在感があった。

    公演を見て帰ってきて、いつだったかだいぶ前に読んだちくまプリマ-ブックス(このシリーズの本はスキなのが多かった)の金満里の本を借りてきて読んだ。久しぶりに読みおわって、これは金さんが42歳の時の本なんやと気づく。ひゃー、今の自分と同じ歳やんかと思う。

    運動にとびこみ、親と衝突した20代前半、運動からはなれ、街で"不良"をやりだした20代の半ば、国障年ブッ飛ばせコンサートをやった20代の後半… こんかい読んで、20代の金さんの話、金さんが20代だった頃の世間の動きの話が私にはおもしろかった。30になった金さんが「態変」を旗揚げするにいたる中で、運動の挫折もあって「もう言葉だけの世界はいやだ、そう思った」(p.175)というのが印象に残った。

    ふだん社会からじろじろ見られる障害者という立場を、舞台と観客という位置関係でそれを逆転し、舞台の上から観客に挑みかかり、眺めまわすという視点の転換をはかりたかった、とも金さんは書いている。

    ▼奇異な見かけの障害者が見世物小屋に売られ、見世物として生き延びた、というのは、ついこの前まであった話である。…
     いくらそれが社会関係の産物だとはいっても、「変わったものを見てみたい」というのは人間の心理としてある。それなら、その心理を逆手にとらないという手はないのである。見世物に徹してあげよう。そのかわり、私たちを見ているその目を、あなたたちにも返してあげよう。それが、相手を嬲りものにしている自分の心理を見せられることになればいい―それが私の目論見だった。(pp.184-185)

    私は、公演を見た、と思っていたけれど、こっちが見られ、眺められてもいたのか、と思った。私は、どんな目で見ていたのだろうと思った。

    (10/17了)

  • 「つながる読書」から。なんと激しい人生なのだろう。障害者、在日2世、女性。本書に書ききれないほど不自由を感じてこられたことだろう。一番感じたことは、健常者は障害者を助ける存在だとの認識を改めることである。それは上からの目線に他ならない。平等であると考えるならば、お互いにリスペクトし合うことが必要だと思う。

  • 人間のエゴを見つめながら、生きることへ好奇心に溢れていると思った  

  • 自分のやろうとしていること、自立は社会の大きな問題とつながっているという確信、それを高校卒業ぐらいに意識することに感心した。在日二世や障害者というマイノリティだからこその立ち位置、すごいことです。

  • ふむ

  • 第一章が「私の生い立ちには徹頭徹尾、普通という事が何一つない。・・」で始まる在日二世・ポリオによる全身麻痺者・劇団「態変」主宰者・母親の自伝的エッセー。生きるとは自立することだとすれば、何と難しいことか、健常者にとっても。

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