シェイクスピア全集33 終わりよければすべてよし (ちくま文庫 し-10-33)
- 筑摩書房 (2021年5月12日発売)
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感想 : 12件
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784480045331
作品紹介・あらすじ
二十五年間にわたる個人訳、全巻ここに完結。最終巻は、善と悪とが縒り合された人物たちが、とめどなく刺激的な言葉を繰り出す問題劇。解説 前沢浩子
みんなの感想まとめ
善と悪が絡み合う人間の姿を描いた本作は、人生の終わりを迎える際の美徳と過ちの重要性を深く考察しています。「終わりよければすべてよし」というタイトルが示す通り、最後の瞬間にどれだけ良い生き様をするかが問...
感想・レビュー・書評
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人生は、善と悪とをより合わせた糸で編んだ網なのだ。我々の美徳も過ちによって鞭打たれなければ、傲慢の罪を犯すだろうし、我々の罪は美徳によって抱きとめられなければ、絶望するだろう。
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そもそもこの作品の『終わりよければすべてよし』というタイトルがいいですよね。
私はこの言葉が大好きです。どんな人生であろうと最後の最後でいい生き様をすることができたら、それは「終わりよければすべてよし」なのです。これは『レ・ミゼラブル』やゾラの『ルーゴン・マッカール叢書』、ドストエフスキーやトルストイの大作を読んできて私が強く感じたことです。
ですがこの作品は実は「終わりよければすべてよし」どころではない終わり方をしています。「そんな甘くはありませんぜ」とニヤリと笑っているシェイクスピアが浮かんできそうです(笑) -
シェイクスピア作品のなかでも異例だと訳者はいう。具体的には、この作品は女性の登場人物が開口一番で声を発する、主人公ヘレンがシェイクスピア作品において唯一無二のキャリアウーマンであること、恋人たちの身分の違いなど、ほかの作品にはない大きな特徴が本作ではみられる。また処女性という女性ならではの悩み、問題が繰り広げられる。処女というものをどのような形で捨てるべきかを本作では考えさせられる。
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松岡和子さんによるシェイクスピア個人訳の最後となる『終わりよければすべてよし』。ヘレナはずる賢く立ち回り自らの願いを叶えるわけで、松岡さんや解説の前沢浩子さんによれば男の身分が上で女が下の作品でヘレナのような振る舞い・独白が認められるのは他にないようだ。それだけ本作が異例でハッピーエンドとは必ずしもいえず、問題含みではあるけれど、おとぎ話に終わらせず現実の白々しさを表現していてモダンな作品となっている。またヘレナの女性像は男女の関係性の問い直しでもあり、21世紀になって上演回数が増えてきたという点でも現代的な作品といえるのだろう。
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はじめから最後までドタバタ。楽しい。石川さとみさんのヘレン、生で観てみたかったなあ。
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ヒロインがとても魅力的で、ヒーローがダメ男過ぎて好きになれない(笑)
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文学談議でシェイクスピアを取り上げる。先に読んだ松岡和子著「すべての季節のシェイクスピア」で本書を1冊に入れようと思った。しかしだ、のっけから処女、処女、処女のオンパレード。処女を捨てるか守るかの議論をしている。これは中学生にはどうなんだろうか。と思って悩んでいるところ。ストーリーとしてはまあまあおもしろい。しかし、2つの指輪がどこでどうなってどうなったのか、もう一つよく分からない。さらにこれはヘレン1人で考えた筋書きだったのかどうだか、その辺もはっきりしない。そもそもどうしてそんなにヘレンを避けるのか。身分の違いか、見た目か。それからダイアナに対しては本当に娼婦としか思っていなかったのか。その女に拒まれたからと、大切な指輪を渡してしまうほどにのぼせ上ってしまうのだろうか。それだけ魅力的だったのか。そして、ベッドトリックというやつ。これはいい。電灯がないから成り立つのだろう。トリックではないけれど、源氏物語にもあった。源氏と思って受け入れたが別の男であった。そして、後にその男を苦しめ死なせることになる。まあ、そんな話は昔からごまんとあるのかもしれない。そして、これは最後にめでたしめでたしとなったのだろうか。バートラムはちゃんと受け入れるのだろうか。そうとは知らずにベッドをともにして満足したのだろうか。ヘレンはこれで幸せになれたのだろうか。だいたい、シェイクスピアを読むと下ネタが多いわけで、まあ、脚注をしっかり読まなければ気付かないことも多いわけだけれど、これを小中学生にお勧めするのはいかがなものなのだろうか。もともとは河合隼雄先生が「読め!」と言っていたからいつか読まないとと思っていたのだけれど・・・
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著者プロフィール
松岡和子の作品
