ケルト美術への招待 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480056368

感想・レビュー・書評

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  • ヘレニズムとヘブライイムズを中核とするヨーロッパ精神の古層にあったケルト美術の「抽象」性とそこに示される思考様式について、簡潔に紹介している本です。

    本書における著者の議論の下敷きになっているのは、ヴォリンガーの『抽象と感情移入』における北方ヨーロッパの美術様式のとらえかたです。ヴォリンガーは、具象美術を評価する地中海世界の古典美術とは異なる美術様式を北方ヨーロッパの美術に見いだし、「人像中心主義」から離れて動物や自然の奥から見えてくる「不可視的世界の創造的構成」がなされていると論じました。著者はこうしたヴォリンガーの見方を受けて、「存在」にはかたちや外観などなく、つねに「変容」のなかにあるほかないという観念を、ケルト美術の渦巻き模様や曲線のかぎりない分岐のうちに見ようとしています。

    ケルト美術をヨーロッパの「内なる他者」とみなす枠組みにもとづくケルト美術の概説書として、おもしろく読むことができました。

  • 最初は面白いかなと思って読み進めていたのだけれど、何だか次第に論旨が不鮮明というか、筋が粗っぽくなってしまった感あり。
    まぁ当方にケルトの知識が無いが故という気がしなくもない、何せケルト=スコットランド方面みたいな一方的・断片的理解しかありませんから。
    それにしても縄文時代の代物とよく似ているなぁ、まさに土着っていう感じ。地域・時代を超えた普遍性みたいなものがあるんですかな。

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著者プロフィール

多摩美術大学教授・同芸術人類学研究所所長。専門はケルト芸術文化とユーロ=アジア装飾デザイン史研究。早稲田大学大学院修了。アイルランド・ダブリン大学留学。処女作『ケルト/装飾的思考』でケルト文化・芸術理解の火付け役に。著書に『装飾する魂』『ジョイスとケルト世界』『図説 ケルトの歴史』『京都異国遺産』『阿修羅のジュエリー』『すぐわかるヨーロッパの装飾文様』など多数。映画『地球交響曲第一番』でアイルランドの歌姫エンヤと共演。火曜日生まれ。

「2019年 『鶴岡真弓対談集 ケルトの魂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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