空海入門: 弘仁のモダニスト (ちくま新書 107)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480057075

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  • フランス文学の研究者である著者が、「第二の専門」である空海の生涯と思想について論じた本です。

    著者はまず、みずから高野山に身を置き山を歩くことで、空海の身体的体験を実感し、高野山という場所がもっていた宗教的意義についての考察をおこなっています。つづいて、空海の生涯をたどりつつ、その人間像へとせまろうとします。

    著者は、空海の生きた弘仁という時代を「モダニズム」の時代と位置づけています。これは、この時代が個性豊かな「個人」によってそれまでとは違った新しい文化的地平が切り開かれていった時代という意味であり、空海こそそうした時代を生きた「モダニスト」であったと論じています。

    こうした著者の試みは、教学上の立場から自由な思索によって、空海の思想がもっている、日本固有の信仰のかたちを超え出ていくようなスケールの大きさにせまろうとしたものとみなすことができるように思います。

  • 宗教的な観点ではなく人間・空海を史料から分析する内容になっています。高野山開創に至る経緯も詳細に書かれているので、高野山を訪れるにあたってより深く空海の想いを理解したいという人には最適です。歴史に関わる部分なので、現在遺されている建物の解説などはありません。
    現存する書簡や当時の公文書などから空海の人生を追いかける内容となっています。

  • [ 内容 ]
    空海は生まれながらに真言宗祖だったのではなく、自身の自己探求の歩みの帰結としてそうなったにすぎない。
    人間空海を導き、つき動かすものは、純粋無垢な菩提心だった。
    山と都市、高野山と平安京、唐代中国と日本、重なり合う複合的な磁場のなかで自らを形づくり、日本文化の設計者となった天才的個性の生涯。

    [ 目次 ]
    序章 始まりとしての高野山
    第1章 空海の原景
    第2章 空海前半生の軌跡
    第3章 『請来目録』という作品
    第4章 弘仁のモダニズム
    終章 再び始まりとしての高野山へ

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 長安に行きたくなりました。

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