物語の起源―フルコト論 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
2.50
  • (0)
  • (0)
  • (3)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 26
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480057136

作品紹介・あらすじ

物語とは何か。世界のうえに表象として燦然と姿をあらわす大きな「物語=レシ」の影に隠されて、日本語として物語は、その意味をあらためて問いなおされることがない。だが、『源氏物語』や『今昔物語』などの物語を称する文学の誕生以前に、フルコトとモノガタリという二つの種類の叙術があったのだとすれば、物語の意味は決して自明な事柄でなくなる。『古事記』『古語拾遺』『歌経標式』などの文献に分け入り、物語文学を支える多様な系の一つの「フルコト」の発見を通して、物語の起源を探究するスリリングな論考。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • フルコト、モノガタリ、などの言語を拾い集めて纏める。しかし、その「研究」は文学の発生の謎などには全く届いていない。垣間見せもしない。戦前に流行った文藝学的分析という極めて近代的な手法。まだこんな化石のようなブンガクケンキュウをしている人間がいるのだなあと思ったら、やっぱりあの大学。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1942年(昭和17)、東京都文京区の生まれ。疎開先は奈良市内。その後、都杉並区に移る。東京大学文学部国文学科を卒業する。『物語文学成立史』(東京大学出版会、1987)、『源氏物語論』(岩波書店、2000、角川源義賞)、『平安物語叙述論』(東京大学出版会、2001)が物語三部作。詩作品書『地名は地面へ帰れ』(永井出版企画、1972)、詩集『乱暴な大洪水』(思潮社、1976)以下、詩作と研究・評論とが半ばする。1992〜93年、ニューヨークに滞在する。『湾岸戦争論』(河出書房新社、1994)、『言葉と戦争』(大月書店、2007、日本詩人クラブ詩界賞)、『非戦へ』(編集室水平線、2018)が戦争三部作。『水素よ、炉心露出の詩』(大月書店、2013)は副題「三月十一日のために」。2011.3.11のあと、『日本文学源流史』(青土社)、『〈うた〉起源考』(同、毎日出版文化賞)、『物語史の起動』(同)の三部作、『文法的詩学』(笠間書院)ほか古典文法論に打ち込む。沖縄文学論の『甦る詩学』(まろうど社)は伊波普猷賞。最近の詩集では『よく聞きなさい、すぐにここを出るのです。』(思潮社、2022)が読売文学賞、日本芸術院賞。『物語論』(講談社学術文庫、2022)、『日本近代詩語』(文化科学高等研究院出版局、2023)、『〈うた〉の空間、詩の時間』(三弥井書店、2023)は新しい。

「2024年 『増補新版 言葉と戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤井貞和の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×