恐竜のアメリカ (ちくま新書)

  • 筑摩書房 (1997年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480057204

みんなの感想まとめ

恐竜発掘を通じて生まれたイマジネーションの歴史を探るこの書籍は、古代から現代に至るまでの文化的影響を深く考察しています。前半では、古代の巨大生物幻想がどのように文学や文化に影響を与えてきたかを掘り下げ...

感想・レビュー・書評

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  • 第18回日本SF大賞候補作

  • 〈恐竜文学とアメリカ〉〈アメリカ文学と恐竜〉〈文学とアメリカ恐竜〉という視点で、恐竜発掘によって生み出されたイマジネーションの歴史をたどる。


    さすが巽孝之、文章がめっちゃクドい(笑)。本当に読みづらいけど内容は面白い。
    前半二章は、古代からクジラが海竜やドラゴンのような幻獣のイメージを担い、恐竜発掘以前の時代における巨大生物幻想の核となっていたことの考察。当然『白鯨』の話になり、メルヴィル自身もガラパゴス諸島を訪れた上でダーウィンの植民地主義を痛烈に批判する短篇を書いていたことが紹介される。さらには古生物学者たちのあいだで進化論を証明するためのミッシングリンク(進化の経過を示す証拠となるような生物の化石)のでっちあげが横行し、それはバーナムが猿と魚のミイラをくっつけて作った合成獣を「人魚」として見世物にしていたのと完全に同時代であり、その手口はのちの「ジュラシック・パーク」のDNA操作にまで繋がっている、と一気呵成に語るくだりは、本書で一番アツいところ。
    後半の二章は二十世紀アメリカのポップカルチャーが恐竜をどう捉えてきたかについて。日本映画界がゴジラというスターを生み出してから、アメリカはゴジラを日本のシンボルとみなし、原爆を落とした側が被爆側を恐れるという構図になった、というのがなにか菅原道真みたいで面白い。それだけ日本の経済成長はアメリカにとって脅威だったらしい。今の中国に対するようなものかな。
    最後に紹介されたギブスン&スターリングの『ディファレンス・エンジン』はスチームパンクSFで、カンブリア大爆発をモチーフにした、歴史上〈敗者〉となってしまった概念やエネルギーの復讐譚なのだという。これは面白そう。

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著者プロフィール

1955年東京生まれ。上智大学卒業。コーネル大学大学院博士課程修了(Ph.D., 1987年)。現在、慶應義塾大学文学部名誉教授/慶應義塾ニューヨーク学院長。アメリカ文学思想史・批評理論専攻。日本英文学会監事、アメリカ学会理事、日本アメリカ文学会第16代会長を歴任。2009年より北米学術誌The Journal of Transnational American Studies編集委員。代表的著書に『サイバーパンク・アメリカ』(勁草書房、1988年度日米友好基金アメリカ研究図書賞)、『ニュー・アメリカニズム』(青土社、1995年度福沢賞;増補新版2005年)、『アメリカン・ソドム』(研究社、2001年)、『リンカーンの世紀』(青土社、2002年、増補新版2013年)、『モダニズムの惑星』(岩波書店、2013年)、『メタファーはなぜ殺される――現在批評講義』(松柏社、2000年)、『「2001年宇宙の旅」講義』(平凡社、2001年)、『盗まれた廃墟――ポール・ド・マンのアメリカ』(彩流社、2016年)、『パラノイドの帝国』(大修館書店、2018年)、『慶應義塾とアメリカ』(小鳥遊書房、2022年)、Full Metal Apache: Transactions between Cyberpunk Japan and Avant-Pop America (Durham: DukeUP, 2006, The 2010 IAFA[ International Association for the Fantastic in the Arts]Distinguished Scholarship Award)ほか多数。代表的論文に「作品主権をめぐる暴力――The Narrative of Arthur Gordon Pym 小論」『英文學研究』第61巻第2号(1984年12月、第7回日本英文学会新人賞)、“Literary History on the Road: Transatlantic Crossings and Transpacific Crossovers”(PMLA[January 2004])など多数。編訳書にダナ・ハラウェイ他『サイボーグ・フェミニズム』(トレヴィル、1991年/北星堂書店、2007年、第2回日本翻訳大賞思想部門賞)、ラリイ・マキャフリイ『アヴァン・ポップ』(筑摩書房、1995年)、編著に『現代作家ガイド3 ウィリアム・ギブスン』(彩流社、1997年/増補新版2015年)、『反知性の帝国』(南雲堂、2008年)、共編著に『事典 現代のアメリカ』(大修館書店、2004年)、The Routledge Companion to Transnational American Studies(2019年)など多数。
巽ゼミ三田会公式ウェブサイト:http://www.tatsumizemi.com/
Keio Academy of New York Website: https://www.keio.edu

「巽」は、部首が「己」ではなく「巳」の旧字体の「

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