デモクラシーの論じ方

  • 筑摩書房 (2001年5月1日発売)
3.47
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480058942

みんなの感想まとめ

民主主義の本質やその問題を探るための対話形式の本であり、非常にわかりやすく入門的な内容が特徴です。リベラルとコンサバの視点が交互に展開されることで、さまざまな意見や考え方を理解しやすくしています。内容...

感想・レビュー・書評

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  • 2人の人物の対話形式で、民主主義をめぐるさまざまなテーマを取り上げた本です。民主主義にまつわる問題を知るための、優れた入門書です。

    基本的には民主主義の本質が問題となっているものの、アクチュアルな問題を念頭に置きながら議論が進められているようで、思想史的な側面に関してはあまり詳しく扱われていません。この点に関しては、一般的な政治思想史の教科書で知識を補う必要があるように思います。

  • 杉田敦氏の単著を読むのはこれで2冊目ですが、本書は1冊目に読んだ「政治的思考」と異なり主張が分かりづらく、不満が残りました。私は前述の本を先に読んでいましたので、著者の主張を汲み取る事が出来ましたが、この本だけであったならば、なかなか難しいだろうと感じました。あとがきを読む限りでは、そもそも著者の主張を述べる事が主目的ではないのかも知れませんが。
    本書は、異なるデモクラシー観を持つAとBの二人が、デモクラシーを取り巻く様々な論点について、論争しているという設定で進行しています。なので、会話の文章になっているのですが、論点が多岐に渡っているので、前提知識がなければ読みづらいのではないかと思います。読み方としては、読者がAかBのどちらかの主張に賛成しながら考えを深めるというよりも、二人の論争をきっかけとしてデモクラシーを取り巻く諸問題について、自分自身で考えるという形になりましょうか。架空の人物とはいえ、二つの立場からの論戦が見れるのは面白い部分もありますが、読みづらさも相まって少々辟易としました。しかし、この辟易とした感情を抱きながらも、話し合いする事に意味・価値・必要性を見出す事もデモクラシーの要件なのでしょうね。あとがきにもその様な著者の狙いが書いてあります。
    試みとしては面白い著書でしたが、著者の主張や意見が読みたいという人にはオススメできません。その点では、タイトル買いには注意が必要ですね。もし、興味のある方は、まずプロローグとあとがきから読む事をオススメします。本書で繰り広げられる論争が、不毛な議論にも思えるときがありますが、この議論を不毛と思わずに耐え抜き、自分の意見を闘わせて育て、積み重ねる事が、デモクラシーの要件なのでしょうね。その様な臨場感を求める方は一読してみてはいかがでしょうか。著者の杉田氏の主張が知りたいという方は、こちらよりも『政治的思考』(岩波新書)をオススメします。

  • 「社会思想Ⅰ」木村光太郎先生 参考図書
    電子ブック(LibrariE)
    https://web.d-library.jp/shobi_u/g0102/libcontentsinfo/?cid=JD202112301591
    ※ログインの利用者IDは学籍番号、教職員はFから始まる8桁の番号です。
    PWはメディアセンターからのメールをご覧ください。

  • マケプレ本
    対話篇

  • 2010/11/19

  • 多様なデモクラシーをめぐる論点について対話形式で書かれた本。
    対話しているので、非常にわかりやすく読める。
    対話する人もリベラルな人とコンサバな人が対置されて議論が進んでいくので、どっちの人はこう考えるのか、ということも理解しながら読める。

    論点の深掘りや分析を行う本ではないとので、論点が発散する印象ではあるが、著者があとがきにも発話の契機にしてほしい、みたいなことを述べていたので、入門的な位置付けで読めばいい気がした。

  • テレビでヨーロッパを旅する芸能人が出会ったある老婆が「まだ未熟な民主主義を私たちは見守らなければならない」という言葉が非常に印象的だった
    民主主義が当たり前のように思っているが、そもそも民主主義とは何か。多数決で決めていくならば「未熟」と表現するのはおかしい。
    そこで民主主義とは何かを知るために、この著書をとった

    対話形式なので非常に読みやすい
    内容は深くなく、次々に話題が飛んでいくので十分な理解はできないが、民主主義というものがそんな単純ではないことはわかってくる。今まで意識してなかったのは、自分が知らず知らず「多数派」にいるからだろう
    国民とは何か。現在の政治システムは本当に民主主義なのか。議論に参加せずして民主主義の実現は本当に出来るのか(全て丸投げ)。日本国民と呼びかけながら、自分の意志で日本に来ていない人々を除外した日本憲法(戦後、日本国籍はく奪)。
    非常に興味深いが、この本では議論はされるが結論は出されていない。だが、今後学んでいく上でのきっかけとしては十分すぎる内容だろう

  • デモクラシーについての対話形式の本。ただ選挙に参加するのではなく、「デモクラシーとはなんぞや」という本質を学ぶための入門書になる本。
    2001年に出版のため、ネットデモクラシーはその当時より発達しているが、それ以外はあまり変わらずだし、憲法、原発、沖縄と今でも議論の俎上に乗せられる問題があげられている。
    デモクラシーは制度ではなく、不断な努力を要するものであることがよくわかるし、その考え方は政治だけでなく多様な局面で使える考え方であると思う。
    丸山眞男は「民主主義は制度ではなく、永久革命である」と断じたが、この本を読めばその意味がよくわかる。

  • 多数決型デモクラシーv.s.コンセンサス型デモクラシーの対話形式。
    時折話題が飛ぶこともあるが、政治学におけるそれぞれの立場の見解がわかりやすく示されており、頭の整理の助けになった。
    どちらが正解だと結論づけられてはいないため、中立な視点からデモクラシーを考えるための入門書となる。

  • [配架場所]2F展示 [請求記号]080/C-7 [資料番号]2002108048、2002100939、2002101425、2002101426、2010101911、2010101912

  • 対話形式で論が進められているため内容があまり深くないのでデモクラシーに関しての入門書は他をあたった方が良い。


    オススメ度(1~10): 3 前知識:不要 読みやすさ:◎
    総ページ数:190p

    第一章 制度とデモクラシー
     第二章 安定性とデモクラシー
     第三章 国民とデモクラシー
     第四章 公共性とデモクラシー
     第五章 代表とデモクラシー
     第六章 討論とデモクラシー
     第七章 憲法とデモクラシー
     第八章 重層性とデモクラシー

  • 民主主義についてAとBの対話形式で考えていく本。普段何気なく使っている民主主義という言葉の意味について考えさせられた。しかし、筆者の主張が曖昧だったのが残念だった。

  • デモクラシー(民主主義)って、わかるようでいて分からない。学校では金科玉条のごとくおそわってきたけど、最近の政治をみていると、まさに「多数者の専制」なのではあるまいか。ずっと対話形式で綴られているのは、政治学だけにプラトンを意識したのかしらん⁇

  • 多数派の側が圧倒的な優位にある場合には、彼らには妥協する動機付けは何もない。一方、少数派は採決されれば勝ち目はない。だからおべっかを使わなければならない。デモクラシーとは、つねに多数決を優先しなければならないものなのだろうか。
    デモクラシーとは、さまざまな意見がぶつかり合う中で、新しいものが生まれる過程、発見の過程である。

    社会的実践がまずあって、それが次第にルールすなわち法になる。

  • 民主主義、民主的な政治とは何か。現代社会の基本的な価値理念であるデモクラシーが重要であることは間違いない。しかし、それを共有している社会において、いろいろな意見の対立や争点が生まれてくるのはなぜなのか。物事を「民主的」に決めるとは、どういうことか。古くて新しいこの難問について、対話形式を用いて考える試み。(「BOOK」データベースより)

  • まぁ。まぁ。

  • 〈2者が討論していくディベート形式〉

    多数決で行くべきかどうかを、多数決で決めても良いものかどうか。p10

    決め方をどう決めるか。p16

    多数派が横暴に振る舞うようになると。19世紀にトクヴィルやJ•S•ミルが憂慮したような「多数者の専制」という事態になりかねない。つまり、ある一団の人々が常に自分たちの意見を押し通し、少数派の権利をないがしろにする状態に。p26

    【欠乏と過剰】
    僕が危惧しているのは、民意が無視される状態、つまり民意の政治への反映がゼロの状態だ。一方、君が憂慮しているのは、民意が暴走している状態、つまり民意が無限大の状態だからね。p34

    デモクラシーというものは、本来、古代ギリシャのポリスのような数万人か、せいぜい数十万人くらいの規模の政治社会を前提にしていたものだ。つまり、全員参加の会合を行えるくらいの単位を前提としていた。人々が集まって、政治的な問題について直接に議論し決定することができるというのがデモクラシーの原型だ。ところが現在国民国家を形成しているとされる国民集団は、数百万人規模なら例外的に小さいほうで、数千万人から億単位の規模だ。こんな規模で、デモクラシーができるのか、というのは当然疑問視とすることができるだろう。p94
    →苦肉の策としての代表という制度。民意を本当に代弁できているにか?

    民意はもともとあるものではなく、選択肢を示すことによって形成される。二大政党制のような、単純化された選択構造を求めることとも結びつきやすい。PとQのような2つの選択肢しか示さなければ、人々は、自分がPに近いかQに近いかを考え、どちらかにくっつく民意が形成される。p105

    誰か天才的な人物の直観が政治についての最終的な真理を発見できるという、エリート主義的な考え方とは異なり、デモクラシーは人々の多様な意見に期待するもの。p190

  • NDC分類: 311.7.

  • 「民主主義とはなにか?」という単純ではあるが、極めて難解な問いを再考するための良書。

  • 読みづらい。
    対話形式は、一見わかりやすいが読みづらい。
    対話の中で論点が右往左往するからである。


    そこで、対話形式の本については、簡単な表を作ることをオススメする。
    ここではタグの使用ができないので、メモを書く。

    Bさん
     デモクラシーの本質=決定のための手段

    Aさん
     デモクラシーの本質=新しい価値観の発見(=目的)


    このデモクラシーに対する根本的な対立が、様々な論点についての結論の相違となる。
    今後、この本を読もうと思う方はこれを念頭において読んでみて欲しい。
    対話形式にもかかわらず、頭の中がすっきりとすることだろう。

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著者プロフィール

1957年生まれ。名古屋大学理学部物理学科卒。素粒子物理学専攻。東京工業大学像情報工学研究施設に研究員として2年間在籍。コンピュータ・ヴィジョンの研究に従事。科学哲学、人工知能、美学に関する評論活動。著書『メカノ──美学の機械、科学の機械』『ノード──反電子主義の美学』(いずれも青弓社)。

「年 『メカノ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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