現代ロシアを読み解く: 社会主義から中世社会へ (ちくま新書 334)

著者 :
  • 筑摩書房
3.28
  • (2)
  • (4)
  • (10)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 62
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480059345

作品紹介・あらすじ

エリツィン前大統領はテレビでの引退声明で、「ロシアは社会主義国から一足飛びに文明国になれると考えたが、われわれはあまりにも素朴であった、問題は考えていたよりもはるかに複雑だった」と涙ながらに国民に謝罪した。1991年にソ連体制が崩壊して十年あまり、ロシアには市民社会とは異なる、現代の「中世国家」が生まれてしまった。ロシア社会の本質は何なのか。プーチン大統領はこのロシアをどうしようとしているのか。日本とロシアの比較という視点から、日本人にしか見えない独自の切り口で、ロシアとその歴史を根本的に見直す。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 位置づけが分からないことが多い
    大国である 共産圏になった経緯もよく知らない
    しかし崩壊した
    現在は社会主義国となったがまだ赤軍の思想背景から抜け出せないのでは

    ノルマはロシア語

  • [ 内容 ]
    エリツィン前大統領はテレビでの引退声明で、「ロシアは社会主義国から一足飛びに文明国になれると考えたが、われわれはあまりにも素朴であった、問題は考えていたよりもはるかに複雑だった」と涙ながらに国民に謝罪した。
    1991年にソ連体制が崩壊して十年あまり、ロシアには市民社会とは異なる、現代の「中世国家」が生まれてしまった。
    ロシア社会の本質は何なのか。プーチン大統領はこのロシアをどうしようとしているのか。
    日本とロシアの比較という視点から、日本人にしか見えない独自の切り口で、ロシアとその歴史を根本的に見直す。

    [ 目次 ]
    第1章 松山ロシア捕虜カルチャー・ショック(性悪説社会と性善説社会;日本人の畜生め!日本を開国させたペリー提督の奴め!)
    第2章 二〇世紀ロシアをどう見るか(二〇世紀初頭からロシア革命まで;戦時共産主義からネップ、スターリン時代へ;他の選択肢はなかったか)
    第3章 ペレストロイカからプーチン時代へ(ペレストロイカの意味するのもの;エリツィン時代からプーチン時代へ)
    第4章 中世社会ロシア(国家に代わる秩序維持機関;ロシアと封建体制の問題をめぐって;中世社会における生活の智恵)
    第5章 ロシアに対する日本的アプローチ

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • [private]高遠[/private]

  • 猿と言われていた日本の最下級の兵卒がほとんど誰もが読み書きをできたことにロシア人は驚いた。ロシア人の大半がまだ読み書きができなかった。野蛮人であるのは明らかにロシア人の方だった。
    工場などで規定のノルマが達成されないと、サボタージュあるいは破壊行為とみなされた。恐ろしい。
    今日のロシア人にこれまでの時代でいつがよかったかと聞くと大半がブレジネフ時代、と答える。
    ソ連の崩壊でもっとも大きく変わったことは国民が権力に対する恐怖心がなくなったこと。

  • ロシア人はほうっておくと無秩序になって混乱する。だから上からの強制的な権力が必要 と言う趣旨が面白い。
    ドストエフスキーを読んでいると、「このロシア的なもの」というのが多いけど、
    なんとなくわかる。

  • 現代のロシアはまだ中世社会の前段階であるというのが本書の結論である。つまり、封建社会がロシアには成立していないのである。そのために柔軟な資本主義は成立しないし、逆に社会システムが緩んだことによってマフィアが蔓延し、貧富の差が急激に生まれる社会になってしまったと言っている。
    そのような社会では資本主義は成立しにくい(信頼醸成の機能が弱い)とした上で、むしろ権力によって統制されている方がロシア人にとっては幸せだ、との書き方をしている。そしてその権威主義が国民にとってプラスになるような権威主義であれば構わないし、それがよくなることを望もうというもの。
    その間に社会の信頼がどう醸成されていくかどうかに関しての議論はされていない。例えば教育の話など。また、本書の議論、つまり社会関係のみから国の全体の傾向を見てとるのは厳しい判断である。地政学的な概念や、個人の問題(スターリン)などにもっと触れるべきであろうと考えた。
    とは言っても袴田先生の描くロシアにおける権威主義の問題点は指摘が鋭く、感心できる点も多い。その点で★4。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

青山学院大学国際政治経済学部教授


「2007年 『アジアに接近するロシア その実態と意味』 で使われていた紹介文から引用しています。」

袴田茂樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×