長期停滞 (ちくま新書 358)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480059581

作品紹介・あらすじ

一九九〇年代にはバブル発生とその崩壊の波が世界中をおそい、最後に資金が流れ着いたのがITに沸くアメリカだった。グローバリゼーションの進展により、各国のアメリカへの輸出依存度が極限まで高まっていた矢先、アメリカのバブルがついにはじけ、世界は同時不況に突入した!デフレ型の世界同時不況は、大恐慌期以来の七〇年ぶりの事態である。この「長期停滞」の時代を、どのように理解すればいいのか。果たして脱却の道はあるのか。歴史的考察を通じて現在の日本経済および世界経済の位相をとらえ、日本の経済政策の転換を促す、注目の論考。

感想・レビュー・書評

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  • 主流派経済学に対して果敢な批判を続けてやまない著者が、平成大不況下におけるグローバリゼーションと不良債権問題の原因分析と対策を論じた本です。

    著者の批判する「主流派経済学」の立場には、多くの問題が付きまとっていることは確かで、環境問題や格差問題、あるいは地方経済の衰退といった問題にどのように対応するべきかということは、政治的・社会的な観点も含めて幅広い視点から考えていくべきだと思います。また、セーフティネットの整備を求める著者の主張にもうなづけるところはあるように思います。

    しかしながら、本書で展開されている現状分析が、著者が批判している主流派経済学に匹敵するだけの根拠を持っているかという点には疑問が残ります。景気循環の3つの波動が重なるという話や、世界恐慌とのアナロジーについての解説は、現代経済史を一つの「ストーリー」として描き出して見せるという意味ではそれなりにおもしろく読めましたが、それ以上の意義があるとは思えませんでした。

  • 448005958x  204p 2002・8・20 1刷

  • [ 内容 ]
    一九九〇年代にはバブル発生とその崩壊の波が世界中をおそい、最後に資金が流れ着いたのがITに沸くアメリカだった。
    グローバリゼーションの進展により、各国のアメリカへの輸出依存度が極限まで高まっていた矢先、アメリカのバブルがついにはじけ、世界は同時不況に突入した!
    デフレ型の世界同時不況は、大恐慌期以来の七〇年ぶりの事態である。
    この「長期停滞」の時代を、どのように理解すればいいのか。
    果たして脱却の道はあるのか。
    歴史的考察を通じて現在の日本経済および世界経済の位相をとらえ、日本の経済政策の転換を促す、注目の論考。

    [ 目次 ]
    プロローグ 市場原理主義は論理破綻した
    第1章 長期停滞という現象
    第2章 グローバリゼーションの第三局面
    第3章 ゆっくりとしたパニック
    第4章 不良債権問題が致命傷
    第5章 迷走する経済政策
    エピローグ 長期停滞を超えて

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 途中から速読。02年刊行。さまざまなデータや知識を使い当時のデフレは大恐慌時代と酷似と分析し、小泉政権への警鐘を鳴らし続ける。興味深く読めたが、最後に提言が無いため文句だけで終わってしまった感が否めない。ここまで分析するなら、著者なりの打開策を述べたら、とても面白い本になったと思う。広い視野で述べており、じっくり読むべき一冊。

  • 要約の講義で使われたけど、最後まで読んでない。初めの3ページしか読んでない。だって、良くわかんなかったんだもの。

  • 日本はバブル破綻処理を誤って、世界に先駆けて長期停滞に突入した。脱却の道はどこにあるのか。歴史的考察を通して、日本の経済政策の転換を促す注目の一冊。

  • 我が母校の経済学者の中で一番。竹中君みたいなアメリカかぶれのやつとはひと味違う。
    言う事は厳しく鋭いが、人間的だ。

  • 要約の講義で使われたけど、最後まで読んでない。初めの3ページしか読んでない。だって、良くわかんなかったんだもの。

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著者プロフィール

金子 勝(かねこ・まさる):1952年、東京都生まれ。経済学者。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。東京大学社会科学研究所助手、法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現在、立教大学経済学研究科特任教授、慶應義塾大学名誉教授。財政学、地方財政論、制度経済学を専攻。著書に『市場と制度の政治経済学』(東京大学出版会)、『新・反グローバリズム』(岩波現代文庫)、『「脱原発」成長論: 新しい産業革命へ』(筑摩書房)、『平成経済 衰退の本質』(岩波新書)、『資本主義の克服』(集英社新書)ほか多数。

「2023年 『イギリス近代と自由主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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