- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480059871
作品紹介・あらすじ
ジャーナリズムは、戦場の悲惨を世に訴える一方で、ときに率先して好戦論を喚起し、戦火に油を注ぐような役割も担ってきた。このような奇妙に歪んだ構図が生まれるのはなぜか?本書は、第二次世界大戦からベトナム戦争、そして9・11にいたる戦争報道のあゆみを、文学・映画からインターネットにまで射程を広げて丹念にたどることで、ジャーナリズムと戦争との危うい関係を浮き彫りにし、根底より問いなおす。
感想・レビュー・書評
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戦争報道を入り口として、ジャーナリズム全般にわたる、あり方を問うている。戦争を取り上げているのは、題材として分かりやすいからだろうと思われる。現場で発生した事件取材者の編集を行う。マスメディアを通じて報道は多くの意図(政治・広告主)により、都合よい様に編集されて、私たちに届く。それは、私たちが、その情報により、コントロールされているかのような結果を生む。情報伝達機器は発達してきたが、作為者による囲い込みは変わらないだろう。インターネットにより、未来の姿に立ち返る可能性は見えてきたのだろうか?
同盟通信社、敗戦後には解散になる。米国の情報統制
BBCのジョージ・オーウェル、戦争中には検閲が行われていた。ベーシックイングリッシュ⇒ニュースピーク。言語の制限はそのまま、究極の検閲になる。
ベトナム戦争とは何であったのか?映画、地獄の黙示録で描かれたものは、リアリズムであるのか?
湾岸戦争以後、報道と宣伝の関連性が示される。報道管制、戦争広告代理店、ブティックプロパガンダ、テロ報道と報復。しかし、予定された侵略であったことが、発見される。その後には、ジャーナリズム批判、どれを信じるか?ビデオジャーナリスト、デジタル、インターネット、信頼。
米国は戦争が好きである。自国産業、国益のために兵器や爆弾を売らなければならない。大統領自ら指揮し戦争を起こす。何のために?
キーワード
イエロージャーナリズム
世界三大通信社
宣伝 プロパガンダ 情報の送り手が自分の利益を最大化するために様々なコミュニケーションスキルを駆使すること。受けての利益を一切考慮しない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
メディアという単語が、何やらネガティブな表現のように感じるのは私だけだろうか。
もちろん、メディアが我々に伝えてくれる情報は今や我々になくてはならないと感じている。
しかし、メディアに情報を吹き込むのもまた人間であると感じる。
ここまでは、従来からメディアについて感じていたこと。
本書は、私が体験していない3つの報道を教えてくれた。
第二次世界大戦・ベトナム戦争・湾岸戦争である。
1984年の作者と戦争報道の関係に、納得した。
地獄の黙示録、見たいと思いながら今に至っている。
そろそろ見るかと。 -
正直筆者自体は何がいいたいのかがよくわからない。
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武田徹は、批評家を論じるのがうまい。ベトナム戦争の箇所が面白かった。
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とりあえず88ページまで読んだ。
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[ 内容 ]
ジャーナリズムは、戦場の悲惨を世に訴える一方で、ときに率先して好戦論を喚起し、戦火に油を注ぐような役割も担ってきた。
このような奇妙に歪んだ構図が生まれるのはなぜか?
本書は、第二次世界大戦からベトナム戦争、そして9・11にいたる戦争報道のあゆみを、文学・映画からインターネットにまで射程を広げて丹念にたどることで、ジャーナリズムと戦争との危うい関係を浮き彫りにし、根底より問いなおす。
[ 目次 ]
第1章 第二次世界大戦中の戦争報道(同盟通信社―ナショナル・ニュース・エージェンシーを目指して;BBC時代のジョージ・オーウェル―『紅茶を受け皿で』の背景)
第2章 ベトナム戦争の報道(ジャーナリズムと文学―ハルバースタム・岡村昭彦・開高健;ジャーナリズムと映画―『地獄の黙示録』という戦争報道)
第3章 湾岸危機以後の戦争報道(「報道と宣伝」再論―PR会社の台頭;戦争報道とインターネット―信頼の失墜;ビデオ・ジャーナリストの挑戦―今ある戦争報道の先へ)
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3章1節を読むべし!
[03.4.25] -
結構ややこしい、入り組んだことを書いているのに読みやすかった。
いくつかの内容は既に知っていたけれど、共同、時事、電通の関係とか
「地獄の黙示録」の解釈とかがかなり興味深かった。
公共性=滅私奉公→奉公=報国という戦前における日本での図式もわりとしっくりきた。
もっと英語勉強しようとおもった。
自らの見識を広める為には海外のソースももっとみないとだよなぁ。