若者はなぜ「決められない」か (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
3.19
  • (3)
  • (18)
  • (64)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 205
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480061294

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 若者がなぜ「決められないか」という疑問に直接答えるというよりも、働くということに関して様々な面から検討した本という面が強い。様々な面というのも、明治の文豪の小説や戦後の世相、著者自身の体験やフリーターにインタビューした結果までが収められているので、一貫して論理を積み上げていくタイプの展開ではない。そのため、読み終わってからタイトルに立ち戻ると、果たしてこのタイトルの答えは何だったのだろう、と思うことになるかもしれない。

    しかし文豪の小説を使った働くことについての考察はなかなかユニーク。経済学者でも社会学者でも官庁の人間でもない視点から捉えた若者論、仕事論は、専門家の議論とは違った身近さを持っており取っ付きやすいと思う。

  • フリーターに関しての本。なぜフリーターが多くなったのか、当時の仕事観や社会通念を説明し、前半は重点的にフリーターに焦点を当てて面白く読めた。
    でも後半は社会の現状・問題点をただ提示したり、筆者の好きな明治期の作家をあげて「この点はフリーターにも当てはまる」とリンクさせながら話が展開されていくので、少し冗長な文に感じた。後半少しつまらん。

  • 著者の主張は全体的にすこし悲観的な印象を受けましたが、共感するところも数多くありました。
    少子化や社会が衰退をすることを理由に、その人の生き方が制限されるべきではないという見方に賛成です。したがって、著者はフリーターという生き方を否定していません。その一方で、フリーターであり続けることのリスクを示し、若者が自分の希望と向き合って生きてほしいと締めくくっています。

  • 古本屋で購入した本。「わかもの合宿」のテーマの参考資料にならんかと思って読んでみた。途中ちょっと間延びした感はあったが、著者のメッセージは伝わった。
    若者はなぜ決められないのか、また決めつけるのか?興味深い一冊。

  • [ 内容 ]
    八〇年代以降、フリーターの数は増え続け、今や就業人口のなかで無視できない存在となった。
    日本の近代史をふり返れば、たとえば「高等遊民」という現象のように、「決められない若者たち」は過去にも存在した。
    けれども現代のフリーターは、先進国のなかでも特殊な今日的現象である。
    なぜこうした現象が生じたのだろうか?
    自らも「オタク」として職業選択に際し違和感を抱いた著者が、労働(仕事)観を切り口に、「決められない」若者たちの気分を探る。

    [ 目次 ]
    第1章 フリーターに対する社会の困惑
    第2章 フリーターは告発する
    第3章 決められない若者
    第4章 決めつける若者
    第5章 勤労を尊敬しない伝統
    第6章 一億総サラリーマン社会としての戦後
    第7章 フリーターへのささやかな提言

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • タイトルの
    「なぜ決められないのか」に対する
    答えを記している本ではなかった。

    職業理念に関する感想というか、なんというか。

    真実でもあるし、彼の意見でもある。

    でも読み終わっても特に何も考えない類の新書。

  • 最近自分が将来の職を考え始めたせいか内容がそれについてになってしまった。この書では主に「フリーター」が取り上げられている。断っておくが私は断じて「フリーター」になるつもりはない。もし将来好きな事を仕事にした場合、「収入が主観的に満足いくものにはなりにくい」「気分転換にはならない」という悩みが噴出するらしい。自省しても、塾講師のバイトがそれにあたるなと感じた。そして改めて現代日本の労働はNot労使間But既得権益、新規参入希望層に労働対立があることを確認した。これでは数十年後の日本がどうなっているか心配ではある。余談ではあるが、「ドラえもん」に出てくるのび太のライフコースが印象に残った。79年に大学受験失敗、88年に就職失敗、会社を起こすも95年に会社がつぶれて借金取りに負われる毎日。そんなのび太を救うために未来から送られたのが何を隠そうドラえもんである。
    ちなみにタイトルの【若者はなぜ「きめられない」か】には具体的には答えられてない気がした(笑)

  • 読了

  • 一気に読んで考えさせられた本。

  • 現代の若者を鋭くついた一冊。
    でも決められない私自身としては、コレ読んでも、変われる気はしなかったな。

著者プロフィール

評論家。1962年、茨城県生まれ。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。文芸評論から思想史、若者論、家族論など幅広く執筆。1996年『偽史冒険世界 カルト本の百年  ちくま文庫』(筑摩書房)で大衆文学研究賞、2010年『日本SF精神史 幕末・明治から戦後まで』(河出書房新社)で日本SF大賞、星雲賞を受賞。2019年『日本SF精神史【完全版】』で日本推理作家協会賞受賞。他の著書等に『鴎外のオカルト、漱石の科学』(新潮社)、『「吾輩は猫である」の謎』(文藝春秋)、『文豪と酒  酒をめぐる珠玉の作品集』(中央公論新社)、『文豪と東京 明治・大正・昭和の帝都を映す作品集中公文庫』(中央公論新社)のほか、編集に携わる形で、『羽ばたき 堀辰雄初期ファンタジー傑作集』、『詩人小説精華集』、『魔術 芥川龍之介 幻想ミステリ傑作集』など(すべて、彩流社)を刊行している。

「2019年 『女神 太宰治アイロニー傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長山靖生の作品

ツイートする