- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480061843
作品紹介・あらすじ
「進歩」が輝いた戦後の一時代は、丸山真男の時代でもある。『日本政治思想史研究』によって気鋭の思想史研究者として注目された丸山は、また時論の人ともなった。「超国家主義者」、「日本ファシズム」批判に始まる論考と発言は、進歩的論壇の流れをつくり、今も広く読者を集める。講和問題や朝鮮戦争、ベトナム反戦や憲法九条、天皇問題などに現われる軌跡をたどり、丸山に「持続する気分」をとおして、戦後日本の夢と悔恨をふりかえる。
感想・レビュー・書評
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水谷三公『丸山眞男 ある時代の肖像』ちくま新書、読了。戦後日本の思想史とはそのまま丸山眞男の歩みとそれに対する反応だったのではあるまいか。その奇蹟を自らの歩みと照らし合わせながら振り返る戦後日本思想史論。「尊敬するのと担ぎまわるのとは、確かに違う」。宣揚でも全否定でもなく、等身大の思考として丸山の諧謔をあぶり出す一冊。
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当初は丸山批判本の類だろうと思って食しが延びなかったが、AMAZONの書評が案外によさげだったため、急遽購入。一読して、著者の丸山に対する敬愛が伺え、また東大紛争前後の丸山をめぐる人間関係の綾にひかれた。学術的な観点からの批判については、個人的にいいたいこともあるが、参考になった。なお、著者本人は辻清明を指導教官とし、辻の代表作である『新版日本官僚制の研究』にその名を見つけることができることを付言しておく。
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烏兎の庭 第二部 書評 10.30.04
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto02/bunsho/arujidaiy.html