図書館に訊け! (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 942
感想 : 104
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480061867

作品紹介・あらすじ

あなたは日頃、図書館をどのように使っていますか。棚を見ただけで適当に選んだりしていませんか?手にした資料が信頼に足るものか調べずにレポートを書いたりしていませんか?本書では、大学図書館に勤務する著者が、図書館で何をどこまで調べられるのか、基本から「奥の手」まで、探索力上達の秘訣を伝授します。はじめてレポートを書く学生さんから、「いまさら聞けない」と悩んでいる研究・調査業務の人々まで、「調べ、書く」必要のあるすべての人のための新しいバイブル誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 前回のアン・キャロル・ムーアの伝記から、図書館利用者として出来ることは何かとレビューに載せた。するとやはりこの本に立ち返ることになる。
    今更その本ですかと、ブク友さんたちの失笑を買いそう。
    でも私にとってはそういう位置づけの本だということで、赦してね。

    著者の井上真琴さんは、同志社大学図書館でレファレンス業務を担当された経験から、この本で「図書館利用テクニック」を紹介している。
    語り口は優しくユーモアにあふれ、図表も数多く、実に分かり易い。
    曰く、利用上達のキーワードは「訊く」こと。
    等身大のあなたのままで、体当たりをしてみればそれで十分なのである。
    背伸びする必要はない。自分の成長に応じて図書館は応えてくれる。
    どのレベルの利用者にも、門は開かれている。。。

    2004年の刊行当時、利用者としてまだひよっこだった私は、この本の「良い本をどう見分けるか」という記述におおいに助けられた。
    何しろ並び方でさえ謎だらけなのに、どうして良い本を見分けられるだろう?
    でもことは急を要する。ここは先ず自分で頑張ってみるかと思いながらこの本を片手に書架の前をウロウロ(本当です・笑)
    すると、司書さんが「どうしました?」と聞いてくれて。そこから私はとんでもなく訊きたがり屋になった。

    判断基準となる見どころは、図書の形態、目次構成、索引・文献目録の充実度、初出の掲載誌のレベル、注の付け方、図表の典拠や充実度、出版年・改版・改訂の頻度・・
    まだまだあるが、手に取って表から、あるいは裏側から読んでみたりして、借りる前にこれが判断できるまでになった。
    もちろん一般論に過ぎないし、それがすべてでもない。
    最終的には読み手の技量に関わることなので、良書に巡り合いたければ私自身のレベルアップしかないのも、よーーーく分かっていること。
    選書の難しさ、大切さは、これからもずっとつきまとうのだろう。

    「本の並べ方の意味」や「灰色文献」、「書誌」などという単語も、この本で覚えたもの。「検索」よりも「探索」ということも。
    「どうやって資料にたどり着くのか」という一番肝心の章では「先ず百科事典を引け」という言葉がある。
    おかげで今は「百科事典データベース」があり、そこから探索の旅に出られるが、資料にたどり着いたからといっても、そこはあくまでもスタートだ。
    迷路の前で立ちすくむことの楽しさと言ったらもう・笑

    さて、次にこの本を開くのはいつだろう。その時私はどんな感想を抱くだろう。
    図書館はいつも、少しずつ自分が成長しているかのような、そんな夢さえ見せてくれる場所だ。

  • 「大学は知識の断片を学ぶところではない。むしろ、知識の体系・方法を学ぶことを目的とする教育研究機関なのだ」

    そうだったんか!

    孫引きして論文コピーを取り寄せていた大学院時代を思い出した。

  • 学生時代に読んだことは覚えているのですが、内容がほとんど頭に残っていなかったため再読です。

    「図書館のゴーマンさ」の正体を探るべく、「図書館の隠密」として大学図書館に潜伏…もとい勤務する著者が、図書館(特に大学図書館)を使い倒すためのポイントを伝授してくれる本書。
    図書館を普段使ったことのない人に向けて書かれているので、とてもわかりやすいです。

    実例や具体的な写真を提示して説明されているのがうれしいです。
    特にレファレンス事例がいくつか紹介されているのですが、利用者とのやり取りや情報探索で実際にたどったプロセスを読んでいると、わくわくしますし、発想の広げ方について勉強になりました。

    わかりやすい内容に加えて、著者のユーモアが節々に見えるのも魅力の1つです。
    目録とは何ぞやという説明をするときに、例の1つとしてお見合いの釣書をあげていることに思わずにまにましてしまいました。

    まだまだ私も新米、本書から学ぶことはたくさんありました。
    …精進せねば。

  • 本書は、図書館の使い方や資料探しのコツが書かれている「図書館利用入門書」である。有益なWebサイトもいろいろ載っていて、一つ一つ調べていくのはなかなか楽しい。「図書館をもっと使い倒したい!」という気持ちになる。大人になってから読んでも、もちろんタメになるんだけど、学生の時に読みたかったなぁ。

  • 大学生の時に読みたかった内容である。

    図書館を使いこなすためには「ベースキャンプとなる図書館を持つ」「多様な資料があることを知る」「目録の活用」「レファレンスブックを知る」「図書館員に聞く」この5点が大切だ。 知らないと、使うに使えない、からまずは【知ることが大切】だと思った。 

    ・集めた資料を評価し、活用する
    ・事典の活用+内容の吟味
    →ただ読むだけじゃなく、【自分で評価】することが大事。人によって、刺さるポイントは違うだろう。そうすることで、同じ資料にあたっていても、違うレポートとなるのだろう。

  • 入口は容易に通過できるが、出口は永久にみつからない。免許皆伝はとうていありえない。だから逆に落胆することも身構える必要もない。図書館とは、永久に「未知の国」から「悉知の国」となることのない深遠な存在なのだから。
    l79まで

  • 個人的には、学生時代にできるだけ早く読むべき書籍だと思いました。
    大学4年生で初めて読みましたが、図書館でできることだけでなく、図書館が利用できることの有り難みを感じられる書籍でした。

  • ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA68129126

  • いつも同志社の図書館を使ってるから、面白そうと思って呼んでみた。
    先行研究はgooglescholerから適当に選んでコピペしてたけど、レふぇレンズセンターに聞いた方が良いんだね。もしかしたら井上さんに会えるかな?
    童貞は元々、「カトリック教で、尼僧」の意味らしい

    本の選び方 形式 目次 いつのやつか 改定の頻度 信頼度 芋づる式 牽引法
    目録と書誌情報 所蔵情報 書誌
    本の並び方 「あ」とかは作者の最初の名前 並べ方は思想も語る
    レファレンスブック 百科事典 索引から引け 引き比べ 目録と書誌
    ヅーフ部屋 レフェレンスセンターの使い方の例 相互利用サービス

  • 自身の研究で資料収集に困っているところだったので、読むことで少し勇気をもらえた。図書館というのは、これだけいろんなことを相談してもいい場所なのだということを、初めて認知することができた。すでに情報が古くなってしまてっているので、最新のもので同じ趣旨の本もぜひ読みたい。

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