- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480061966
作品紹介・あらすじ
「伝統」が、その担い手たちによって「作られる」ものであるという議論は、現代思想や文化人類学の領域ではそう珍しいことではない。けれども「伝統」の消費者たちにとっては、それにつきまとっているまやかしや杜撰さはあまり問題にならない。その事情は、明治維新によって急激な変化を強いられた近代日本でも同様だった。「伝統」が「求められ」、「作られて」いくプロセスを具体的に検証し、「伝統」を「求めて」しまう理由について考える。
感想・レビュー・書評
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P.14
P.29 被差別部落
P.69 今語られる母性は昭和初頭につくられたものの副産物に過ぎない
P.105 山人論=植民地政策論という国家にとっての怪談論
台湾山人と天狗論
大逆事件の千里眼ブーム、それは国家と死者をめぐる別問題からの逃避詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私たちが『伝統』だと思っていることは、誰かによって恣意的に作られていたものであるということ。
なぜ人は伝統が好きなのか、なぜ伝統を残したいと思うのか、その理由が書かれている。 -
伝統とは何かっていうコンセプトは面白そう、と本棚から取って読み始めたけど、、、。
民俗学と政治の関係、とくに柳田国男の話。
日本人は母性が強いって「伝統」は明治初頭の国家戦略の副産物(そもそもそういう伝統があるのか?)、
柳田の妖怪論と先住民の関係、
ナチズムと民俗学…
しかし申し訳ないけど、論理の筋が見えにくくて、これだけの主題を読み取るのも難儀した。これらの主題に関する柳田さんの議論を前提としてかじってないからか。ラフカディオハーンの話など聞きかじるには面白い点もあった。申し訳ない。 -
「伝統」とは何か 大塚英志 ちくま新書
私たちが何となく「伝統」だと信じているものが、実はそれを望む人々によって「作られて」いったものであるということ。
更には、私たちは時に何故「伝統」を求めてしまうのかということを論じている。本書とともに『創られた伝統』(E.ボブズ
ボウム他編)、『創造された古典』(ハルオ・シラネ他編)をも参照してほしい。(2010:清水均先生推薦) -
[ 内容 ]
「伝統」が、その担い手たちによって「作られる」ものであるという議論は、現代思想や文化人類学の領域ではそう珍しいことではない。
けれども「伝統」の消費者たちにとっては、それにつきまとっているまやかしや杜撰さはあまり問題にならない。
その事情は、明治維新によって急激な変化を強いられた近代日本でも同様だった。
「伝統」が「求められ」、「作られて」いくプロセスを具体的に検証し、「伝統」を「求めて」しまう理由について考える。
[ 目次 ]
序章 ベティさんは、何故、秘密結社にいたのか
第1章 「母性」をめぐる伝統はいかに作られたか(民俗学者は何故、架空の血筋を求めたのか;日本人は母性が強い民族だから母子心中をするのか)
第2章 「妖怪」とはいかに語られたか(多民族国家論としての「妖怪」論;植民地帰順論としての「妖怪」論;「幽霊」の国家管理)
第3章 「愛国心」は「郷土」と「ムー大陸」へ向かった(「ユダヤ人」から「公民」へ;「郷土人」の気持ちは「外人」にわかるか;ナチズムと民俗学)
終章 可能性としての「公民の民俗学」
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
\105
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日本の伝統の構造について書かかれた本。人気の大塚英志さんの本。
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あいかわらずこの人の書くものはまとまりがない……。