あぶない脳 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480061973

感想・レビュー・書評

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  • これはちょっといただけない。
    逆に言うと、この10年で一般的にも脳科学のレベルは非常に向上したのかもしれない。ということ以外に見るべき点はなく投了。

  • 脳科学者 澤口 俊之先生の脳を身近に感じることのできる書。
    もともとは「ちくま」(2000年1月号〜2001年9月号)連載の「ちょっとあぶない脳」より抜粋した17編に2編を加え,
    大幅に加筆・修正し編集したもので2004年の新書。

    いくつもの脳科学的知見をもとに、僕らの身の回りの様々な事象の解説を分かりやすくされているエッセー的脳科学書。

    かなり不真面目に書いておられるがゆえに、読みやすく、笑いながら読める。
    時には、やり過ぎというくらいな表現、木村●哉や某宗教団体をディスってたりするので、心配してしまうほど(笑)!
    そして、毎度ながら自虐ネタも多い!

    いたる所にアイロニー(皮肉)の効いた脳科学解説書でありながら、生活の知恵にもなるという奇書!

    ----------------
    【内容(「BOOK」データベースより)】
    近頃あぶない人が増えている。大人も子どももすぐキレる。羞恥心がない。他人の迷惑を顧みない。自分の正義が世界の正義だと勘違いしている。しかし、われわれの脳は、本来かなりあぶないのである。脳は働き者で精密だが、その分実に繊細で、構造も機能も、微妙なバランスの上に成り立っている。ひとつ間違えば、取り返しのつかないことも起こる。その一方で、適切に育み、うまく扱えば、人生を豊かにしてくれる(はずだ)。身近な話題をもとに脳科学の知見を敷衍、「あぶない脳」から浮かび上がる、武器としての脳科学。
    ————————
    【著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)】
    沢口/俊之
    1959年東京都生まれ。北海道大学理学部卒。京都大学大学院理学研究科修了。米国エール大学医学部神経生物学科ポスドク、京大霊長類研究所助手、北大文学部助教授を経て、現在、北大医学研究科高次脳機能学分野教授。専門は認知神経科学、霊長類学。思考や自我のベースであるワーキングメモリに照準し、前頭連合野を中心とした研究を展開している
    ----------------
    【目次】
    第1章 精密にして危うい脳
    ・まずは、ニューロンの話
    ・脳を操る脳
     ほか

    第2章 愛と性の脳進化
    ・ケッコンは幸福剤
    ・だから、もてたい!!
     ほか

    第3章 脳教育の必然
    ・「心の無理論」が社会を滅ぼす
    ・「条件付け」教育の危険
     ほか

    第4章 理不尽な脳
    ・犯罪に向かう脳
    ・ちぐはぐな行為と脳損傷
     ほか

    第5章 もっと深まる脳
    ・ヒトはなぜ働くのか
    ・脳が視る「死後の世界」
     ほか
    あとがき
    ----------------

  • 脳科学の本おもろ

  •  脳の構造は、思ったよりもデリケートなんだなと思った。使い方一つでよくなれば、も危なくもなる。最近、ニューヨークのエンパイアステートビル付近で、上司に恨みを持ったアメリカ人が射殺したり、日本でも、駅構内でナイフを使い突然、切りつけたりと脳が暴走している人がいる。単に熱さが原因とは思えない。

     今回の本は、あの「ホンマでっかTV!」に出演している澤口先生が書いている。あぶない脳の持ち主(?)だけに、あぶない脳が良く分かるということか。澤口先生の場合、よい方向に使ったおかげで、今があると言える。

     脳は、思い込む癖があると述べられている。脳は、つじつまあわせが得意だとある。情報のコピペが得意な点は、マスコミと同じだ。情報の恣意的な切り貼りで、事件を大きくしたり、「失言」と証する発言を都合の良い解釈で取り上げたりする。

     澤口先生は、ゆとり教育は、危険と述べている。詰め込みなくして創造力が身につかないからとある。まだ脳の柔らかい頃の子供が、知識を詰め込むのは大人になってからよりも容易なので、ゆとり教育は子供の将来に暗い影を落とす。

     「分かっていること」と、「行なうこと」は別物という一節を読んで、そうかと思った。危ない人は、両方が分離していて、抑制が効かないから、悪いことをしてしまう。脳とハサミの使い方には注意というところか。

     この本には書かれていないが、ジャンクフードや人工着色料で厚化粧したケバイ炭酸ジュースをがぶ飲みして、栄養を考えた食事をしないのも原因になると思う。切れやすいミニモンスターやビッグモンスターが出現しているのも、食事のとり方とストレスの対処の仕方が上手に行なえないからと考えることもできる。

  •  著者によると、「最近危ない人が増えている」らしい。曰く、危ない人は脳に問題があるとのこと。著者の言う危ない人とは、すぐキレたり、羞恥心がなかったりする人のことのよう。さらに具体的に言えば、人前でいちゃつくカップルや、電車内で化粧をするような人のこと。

     日本ではともかく、アメリカなどでは、公衆の面前でいちゃついたり、電車内で化粧をするのはごく普通の光景である。見ていて気持ちのいいものではないが。 著者は要するに、アメリカ人はみんな脳に問題があると言いたい様子。きっと怒られる。

     児童虐待の問題にしても、最近になって発生件数が増えたわけではない。児童相談所への相談件数が増えただけである。昔は虐待があっても(そもそも虐待と見なされないことが多かった)、環境が整っておらず、相談することすらできなかった。

     本書の内容から外れるのですが、これを「昔は虐待がほとんどなかったから、相談できる環境を用意する必要がなかった」とするのは間違いだと思う。

  • [ 内容 ]
    近頃あぶない人が増えている。
    大人も子どももすぐキレる。
    羞恥心がない。
    他人の迷惑を顧みない。
    自分の正義が世界の正義だと勘違いしている。
    しかし、われわれの脳は、本来かなりあぶないのである。
    脳は働き者で精密だが、その分実に繊細で、構造も機能も、微妙なバランスの上に成り立っている。
    ひとつ間違えば、取り返しのつかないことも起こる。
    その一方で、適切に育み、うまく扱えば、人生を豊かにしてくれる(はずだ)。
    身近な話題をもとに脳科学の知見を敷衍、「あぶない脳」から浮かび上がる、武器としての脳科学。

    [ 目次 ]
    第1章 精密にして危うい脳(まずは、ニューロンの話;脳を操る脳 ほか)
    第2章 愛と性の脳進化(ケッコンは幸福剤;だから、もてたい!! ほか)
    第3章 脳教育の必然(「心の無理論」が社会を滅ぼす;「条件付け」教育の危険 ほか)
    第4章 理不尽な脳(犯罪に向かう脳;ちぐはぐな行為と脳損傷 ほか)
    第5章 もっと深まる脳(ヒトはなぜ働くのか;脳が視る「死後の世界」 ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 人間にかかわる現在の諸学問は21世紀には社会生物学と神経科学(脳科学)の2大科学に統合される。
    脳はモジュールの集まり。知能だけでなく感情というつかみどころのない働きを脳は持っている。多数の機能、モジュールがあっても脳は一つのシステムとして統一性を保っている。
    かなりのことが思いこみで成り立っている。思い込みが行き過ぎるとナチスのようになる。
    シンメトリー、左右対称性がもてる条件。
    男の胎児は母体内で男性ホルモンのシャワーを浴びることによって男になる。ところが母親が強いストレスを受けると母胎内で男性ホルモンが十分に分泌されないことがある。そのため、男の胎児は脳は、男の脳として十分に発達しなくなる。
    性に遺伝要因が深く関与するのは自明。性染色体の組合せで男女はほぼ決まる。ホルモンシャワーやそれに影響を及ぼすストレスなどの環境要因が相当な重みをもつとはいえ、遺伝的ベースがなければ性も性差も形成されないことは言うまでもない。

  • この人は実はトンデモではないかと私はひそかに疑っているのだが、出ると買ってしまう。「あぶない脳」とは、脳は微妙なバランスの上に成り立っていてひとつ間違えばとりかえしのつかないことにもなる、という意味の題名らしい。文体が書きとばしの印象。それともとっつきやすさを狙ったのか?

  • 理由が分かる。でも結論はなんかありきたり。。

  • 人間と社会にまつわる身近な話題を脳科学と社会生物学の視点から解いた本として読んだ。メカニズムを脳科学で、適応意義を社会生物学で説明している。記述が平易でユーモアもあるので気楽に読める。ただ、TVなどを通じてよく聞く話も多い。もっと突っ込んだ脳科学の解説あったほうが良かったと私は思う。タイトルから脳科学がメインの本だと予想していたので、物足りなく感じた。それでも知的好奇心を刺激される本であることには変わりはない。

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著者プロフィール

北大教授 著書に『わがままな脳』『平然と車内で化粧する脳』『モテたい脳,モテない脳』など

「2005年 『HQ論:人間性の脳科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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