日本経済を学ぶ (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480062123

感想・レビュー・書評

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  • 戦後の高度経済成長期から失われた10年と言われる平成の長期経済停滞期までの日本経済の道筋を分かりやすくたどる。日銀の政策に2〜3%のインフレ・ターゲット政策を強く求めると書かれている。現在の日銀の政策はこれに沿っているのだろう。

  • 現在、日銀副総裁としてアベノミクスの金融政策にたずさわっている著者が、高度成長からバブル景気、平成の長期不況、小泉改革までの日本経済を、明快に解説した本です。

    本書では、行政指導は産業界の意向をおおむね受け入れる形で決定されていたとし、戦後の高度成長に政府による産業政策が大きな役割を演じたとする見方を批判しています。

    また、平成の長期不況からの脱却には、市場の機能を活用する構造改革だけでは十分ではなく、デフレからの脱却を伴わなければならないという主張がはっきりと押し出されています。本書の刊行は2005年ですが、この頃から著者がすでにインフレ・ターゲット導入の必要性を訴えていたことが分かります。

    本書の立場に対して、経済政策はより広い意味での社会政策の観点を考慮に入れるべきだという批判は当然ありうるかと思いますが(私自身も個人的にはそうした見方に共感しているのですが)、本書にそれを求めるのはないものねだりというものでしょう。一定の立場から、日本経済の歴史と現在の問題についてのクリアな見通しを示しているという意味で、良書だと思います。

  • 授業用

  • 高度成長期から2004年あたりまでの経済の歴史、また日本の経済の
    問題点、課題について書かれています。
    とても勉強になりました。
    また本書では今後どのような政策をとればよいか提案しています。
    その提案のひとつに「インフレ目標設定」を挙げていました。
    これは、いま安倍総理が行おうとしていることです。
    この著書は2004年時に出版されています。このころは経済が上向いて
    いたようですが、2013年時点ではまだまだ不景気です。
    この政策が(他にも要因はあると思いますが)うまくいく政策なら
    もう少し早い段階で行えたらよかったのにと思ってしまいます。
    まだ結果は分かりませんが、円高もとまり株価も上がっていっている
    ので、岩田さんの見解は正しかったのかと思っています。

    この本は日本経済の歴史を勉強するには最適ではないかと思います。
    岩田さんの本はこれで2冊目ですが、分かりやすいので他の著書に
    ついても読んでみようと思います。
    経済についてもっと勉強していこうと思います。

  • (後で書きます。理論の切り貼り。文献リストあり)

  • 通産省が行った産業政策は効果が無かった、行政完了や政治家には事業を育成する本当の誘引(インセンティブ)が無いので成長産業を見極めできない。
    自由な市場で人々が創意工夫することこそ成長に繋がるなど、、いわば正統的な経済学の知見を易しく説いています。
    今話題の金融政策については、インフレ期待形成について強調していますが、日銀の国債直接引受は明確に否定していますし、規制緩和や財政政策の組み合わせも大事と、あまり過激な金融政策一辺倒の話はしていません。ただし、どう金融緩和が実体経済に波及するかは簡単にしか説明されていません。
    新書という制約もあるかと思われますので、また翁-岩田論争を読み返してみないと(前に読んだときは経済学の基礎がわかっていなかったので、理解が足りなかったと)。
    2004年に書かれた本ですので、やや古いですが、今読んでもじゅうぶん面白かったです。

  • 2回ほど読みました。日本経済の概要を理解するのに最適の書。日本経済の関する基礎知識を身につけたい方に最適の本です。

    文章は平易で、バブルの問題、企業統治、産業瀬策などの現象を、非常に分かりやすく解説しています。

  • 少し前に読了.
    こういう経緯が知れる本は良い.
    理論の勉強よりも好きだ.

  • 日本経済について歴史と政策について書かれた本。競争政策・安定化政策・小泉政権に焦点が当てられている。

  • 戦後の高度成長~90年代バブル~失われた10年(2004年当時)まで、
    とてもわかりやすい日本経済入門。

    著者のスタンスは、人々の自由な創意と工夫を重んじる自由主義をとっている。
    この本が書かれたのは2004年、小泉政権のもとで日本経済も上向きの気配を見せていた頃で、まさか、2012年現在、不況に苦しんでいるとは思いもしなかったかもしれないが、以下の言葉は、現在の日本の経済状況においても非常に示唆的である。


    「市場の競争を維持・促進するような構造改革は生産性と成長率を高めるための重要な経済政策ですが、デフレを放置したまま構造改革を実施しても、物価や雇用の安定や安定的な経済成長に結実しない可能性が大きい」
    「平成の長期経済停滞の原因はデフレを伴った需要不足にあり、供給サイドにはありません。この場合に優先すべき経済政策は需要不足を解消するマクロ経済安定化」であると述べている。

    近々、消費税は増税されるだろうし、自分も増税やむなし、という認識でいるが、構造改革も進まず、デフレに有効な施策も打ててない状況で、増税というのは、ひょっとして致命的なダメージを与えてしまうのかもしれない。

    ところで、同著者の「そもそも株式会社とは (ちくま新書)」も面白い。

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著者プロフィール

日本銀行前副総裁、学習院大学名誉教授

「2019年 『なぜデフレを放置してはいけないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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