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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480062208
みんなの感想まとめ
動物の遺体を通じて新たな知見を探求するユニークな視点が魅力の作品で、著者は長年の経験を活かし、遺体科学という新しい学問の可能性を提唱しています。冒頭からゾウの遺体の解剖に挑む様子が描かれ、動物たちの生...
感想・レビュー・書評
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著者は科学博物館で長年動物の遺体を解剖してこられました。最初に出てくるのが巨大なゾウの遺体。動物園で死んだからと連絡があるのですが、あまり長くおいておくとくさってくるし、大きすぎてそのままは運べないし、とにかくまずは現場に出向いて解体作業から始まるのだそうです。ゾウは相当かたいらしい。そう簡単に切り刻めない。ところであのゾウの長い鼻、実は上唇が伸びているんだとか。ビックリです。次にはパンダの死体。熊の仲間ということで手の形はよく似ています。しかし食べるものが違う。熊は肉食で手で何かを握る必要もなく、するどい爪で獲物をしとめることができればいい。ところがパンダは笹を食べて生きるようになった。その手で器用に笹の葉をつかまえる必要がある。ヒトの手は5本指で親指と他の4本が向かい合う。だから何でもつまめる。ところが熊などの手の親指は他の指と向かい合っていない。ヒトの足の指と同じ。そこでパンダは考えた?6本目の指をつくったのです。元々あった小さな骨が発達してできたものらしい。ビックリです。それどころか、その6本目の指は定説としてすでにあったものですが、著者が調べたところ、その指だけでもうまくつかめない、実は7本目の指があったのだ、ということを発見したというのだからさらにビックリ。死んだ動物たちが私たちに何を語りかけてくれるのか。そのことばに少し耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
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進路支援図書「はたらく人びと」
2010/05/11更新 038号 紹介図書
http://www.nvlu.ac.jp/library/workers/workers-038.html/ -
勉強になりました。
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不器用なクマがなぜ竹を上手につかむパンダへ進化したのか? 5トンの巨体をささえ時速30kmで走るゾウの股関節はどんなしくみになっているのか? 動物遺体を解剖することでしかわからない「知」の最前線への案内書である。
「遺体科学」とは聞き慣れない言葉だが、もちろん学問的なジャンルとして成立している概念ではない。「解剖学」や「動物学」を超えたところにある、著者の主張する学問分野だ。動物の死体を、あえて「遺体」というなまなましいことばで表現する著者の思い入れは、本書にたっぷり書いてある。遺体は人類共通の財産である。遺体に隠されている謎を解き、さらなる研究のために遺体を未来へ引き継いでいくのだという、著者の強烈な意志が、ビンビンにこちらにつたわってきて引き込まれてしまう。
冒頭いきなり、ゾウの遺体を解剖する著者のスプラッタな格闘シーンから始まるので、血に弱い人は覚悟が必要かも。でも、著者がまさに「体を使って」得た真実というのは、こちらに投げつけられたときの重さが違う。
剥製は不気味なもの、標本は退屈なもの、というこれまでの自分のイメージが、読後一変しているのを快く感じた。 -
古本で購入。
この本のテーマは、「知の源泉たる遺体を集め、用い、保存する」という遺体科学の提唱。
物言わぬ動物たちの骸こそが、何より雄弁に隠した謎を明かす。
そのことを知り尽くした筆者の熱っぽい語りがいい。
ちょっとナルシシズムが感じられるのはご愛嬌かな?
一見すると理系寄りっぽい内容だけど、そんなこともなく読みやすい。
遺体がもたらした知見の具体例の数も程良くて興味深く読める。
パンダの「第7の指」、優れた掘削装置としてのツチブタの足、退化したセンザンコウの下顎…
死臭の漂う遺体と向き合えば、それまで人類が知らなかったことが明らかになるというわけだ。
そして何より
「遺体は全人類共有の財産」「遺体の明日を議論したい」
っていうのは、いいな。
大きな問題提起だと思う。 -
題名に釣られて買ったのだがすごく良かった。
パンダの6本目の指の話は聞いたことが有ったが、実はこの指は動かないただの骨の出っ張りだ。そして小指側にももう一つの出っ張り「7本目の指」があった。この2つの指と掌を曲げて竹を包み込む。さらに手首の筋肉が収縮して竹を締め付け固定すると言うのだ。 -
「遺体科学」を提唱する獣医学教授の,動物の解剖をめぐる情熱的な文章がまぶしい。前に読んだ『解剖男』(こっちの方が後の出版)と重複するネタも多いが,面白く読んだ。
メインの話題は,ジャイアントパンダとレッサーパンダの「偽の親指」について。クマと近縁なパンダだが,手で物をつかむのはパンダ特有。それに関する掌の解剖学的差異の,ことこまかな記述が読ませる。他にも,絶滅種やホロタイプ標本,忠犬ハチ公の剥製や,かわいそうなゾウの行方など,興味深い。同じ頭蓋骨の巨大化でも,顔面頭蓋を巨大化したアリクイと神経頭蓋を巨大化した霊長類。この対比も目から鱗。
文章の端々から動物の遺体への愛が感じられる。著者は,勢いを増す経済性・合理性優先の風潮に異を唱え,日本の解剖学の境遇を憂え,学問・文化としての継承を訴える。声は届いているだろうか。 -
日々動物の遺体と向き合う解剖学者による、パンダの「謎の親指」を始めとするこれまでの研究成果や、日本における解剖学・博物学の実体に関する見解を綴った本。
本の内容から、著者の方の遺体解剖に掛ける熱い思いと、それを理解されない昨今の学会・社会的風潮への強い批判の気持ちが伝わってくる。そして、遺体を大事に扱い、知の源泉として後世に伝えていく事の重要性も、想像以上に滑りの良い筆致で語られている。
突き詰めると学術研究とビジネスのあり方、というところにも至るのだが、これだけの熱い思いを持った研究者を軽んじる事は、日本の恥と言っても過言では無いかなと思った。
十分面白かったが、もうちょいサイエンス的な仮説とか見解が多ければ最高だったかな。 -
骨格やデータからのみでは分からないものを、死体を前にし、解剖をすることで明らかにしていく著者の姿勢が格好いい。
神様の定めた進化を超えて、生命は生きようとしているんだなぁと。
予測と実測の違いというか、MOTTAINAIというか。 -
ツチブタの手は美しい!
本物を見てみたいなぁ。
やっぱりどうしても、直接的に利益に結びつかない研究って後回しにされるんですねぇ。博物館の裏側とか覗いてみたい。 -
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改めて、進化ってなんか見えない誰かが目的を決めて変化させてるようにしか見えないと思った。
人間は「脳が大きくなりすぎた失敗作」だからこれ以上進化しないのね(´・ω・`) -
タイトルで興味持った。解剖に情熱を捧げてる人のアツい本だった。
クマは鮭を掴めなくて、打ち上げることしか出来ないけど、パンダは親指らしき骨のおかげで、笹を握れるらしい。初めて知った。
握れるってすごいね。 -
解剖学が想像していた以上に肉体労働だったことに驚いた。本編だあるパンダより冒頭の解剖描写が印象に残っている。
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「パンダ」のタイトルにひかれて手に取ったら、「遺体科学」という耳慣れない研究の紹介本だった。
剥製や動物の死骸(本文中では総じて「遺体」と言う)から、動物の生態や進化の様子など「分かることはなんでも」研究しようという著者の熱意を感じる一冊。
上野動物園で死んだパンダの遺体をひきとり、CTスキャンなどを駆使して、パンダの「手」がどうやって竹をつかむのか、という構造を研究。肉食の熊から笹を食べるように進化したパンダの特異な骨の存在が、従来伝説のように言われていたもの以外にあることをつきとめた。
いつ持ち込まれるか予測がつかない動物の「遺体」。そこから何を読み取るかはその場その場で変わってくる。何を研究したいか、というよりは、何が研究できるか、で進めていくしかない分野だという話を興味深く読んだ。
国立科学博物館が大リニューアルしたのは記憶に新しいが、中でも剥製のコーナーが圧巻だった。新しい展示室は、動物たちが今にも動きだすかのような迫力を感じて、「怖い」思いすらした程だ。この著者はその展示方法を考えだした元館員だというから、なるほどと思った。
たまにはこういう、分野の全く違う本を読むのも視野が広がって面白い…かな?
小さいことだが気になったことが一つ。本文中では動物も「遺体」と呼ぶべきだと言っている著者だが。何故表題では「パンダの死体」なんだろう? -
[ 内容 ]
肉食獣で不器用なクマは、笹(タケ)をエサにするパンダにいかにして進化したのか?
そのカギを握るのがパンダの「偽の親指」であることは、広く知られてきた。
ところが、著者が上野動物園のパンダ、フェイフェイ、ホアンホアンの遺体の解剖をしたところ、実はこの六本目の指はほとんど動かず、もう一本の偽の指(七本目の指)が備わっていることで初めてパンダはタケをつかめることが判明した。
このパンダの掌の仕組みをはじめ、解剖記録から浮かび上がった「忠犬ハチ公」の真実など、「遺体科学」によってしか到達できない豊かな知の世界へと招待する。
[ 目次 ]
第1章 息絶える巨象(死の現場 モノとしての遺体 ほか)
第2章 パンダの指は語る(人気者との再会 不器用なクマ ほか)
第3部 語り部の遺体たち(旅の真相 ハプスブルク家のコウモリ ほか)
第4章 解剖学から遺体科学へ(パンダは臭いか 遺体を集め、遺体に問う ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
男気溢れて漏れ欠けているぐらいの解剖野郎。
メタな視点で出たとこ勝負に挑みまくる姿はちょうハードボイルドだ。 -
「遺体解剖学」なる学問を提唱する著者は、遺体を生ゴミとして処理する学界の現状、日本の文化対する意識の低さに苦言を呈し、遺体を後世に残していくことの重要性を説くのですが。
記念写真宜しく、遺体と一緒に写る著者の写真が載せられていることに違和感を覚えます。
結局著者にとっても遺体は研究材料の一つでしかないのか、と。
完全に理系な経歴の著者ですが、何故か文章が抒情的で、新書でこのような書き方は好みではないと感じました。(2009年9月26日読了) -
書名からはどんな系統の著書なのか不明だが、解剖学を進化させた「遺体科学」なる耳慣れない研究に関する一冊。タイトルは「死体」となっているが、本文中では動物の死体・死骸を「遺体」と表現している。つまり、動物は死んだ後にも研究対象として将来に残していく価値と尊厳があるというのが著者の意図だろう。その著者は動物園などから引き受けた動物の遺体を分解・調査・保存して後世の研究のための資産とすべく活動をしている先生だ。とにかく生の遺体での研究にこだわる姿勢が強く主張されている。
研究成果の解説、遺体解剖の有様の描写、研究を取り巻く諸環境、この学問の意義、そして関連する組織(大学、動物園、博物館...)への提言など、ごった煮の内容だ。特に後半は、研究を取り巻く環境や雰囲気に対する不満や反骨心が、かなり露骨に記されていて、単純なポピュラーサイエンスの読者としては辟易してしまう感もあり。しかも文章が回りくどいので読んでいてちょいとイライラしてしまうのが残念。この研究の素敵な部分をもっと伝えてくれたら、より面白かっただろうに。--- 2009.05.14 -
持ってない。
面白いかしら? -
解剖学を通じて社会を問う。
以下本書より引用。
「ゾウの遺体を未来に骨として残すために、いま百万円が要るとする。その百万円を先端医療に投じればあなたの命が守られる。その百万円を特許競争に投じれば、国の経済競争力が保たれる。その百万円を産油国援助に投じれば、日本は生き残る......。そういったスローガンの前に、遺体を末永く取っておくという文化的基礎が、多くの人々に支持されなくなってしまったのだろう。ゾウの遺体を未来に残すための百万円がいかに大事か、他のたいていの事より大事である事を証明していこうではないか。人の命や、経済競争や、安全保障と同じ土俵でしか文化や学問の未来を語る事のない社会は、所詮守るべき人間を守らず、守るべき平和を守らず、守るべき未来を守らない、その程度の社会だ。」
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遠藤秀紀の作品
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