- Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480062215
作品紹介・あらすじ
一人でした後の、何とも言えないむなしさ。なのにまたしてしまうという、厄介さ。実は男は、根っこのところで「感じていない」のではないか。だからこそ制服少女を目にしてはゾクッとし、美少女写真集を見てはあらぬ妄想を膨らませてしまうのではないか。にもかかわらず、多くの男が自分の「不感症」に気づかずにいるのは、なぜか。この問いに答えるべく本書は、著者自らの体験を深く掘り下げながら、問題のありかを探っていく。禁断のテーマに真正面から挑み、「男の性」を根本から問い直す、衝撃のセクシュアリティ論。
感想・レビュー・書評
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「オレ、射精って実はあんまし気持ちよくないんだけど」から始まって、「ミニスカの下は白の綿パンでなきゃ」とか、「ロリペドの気持ちもわからんじゃないつーかオレもすこしそう思う」とか……そういう著者の「セクシュアリティ」をさらして語ることを通じて、オトコのとらわれとか、生き方不自由にしてる思いこみとか、そういうのに気づこうぜ、なんか変えてこーぜという本である。
で、自分についての考察を深め深めていったその結果、「ロリコンとは、少女の体に入れ替わってそのうえで精液ぶっかけてもっぺん母親ヌキで自分自身を産み直したい、ということである」というところまで著者は到達してるんですが……ロリコンの皆様、どうでしょうか?
「壁に卵」の例になるか、オトコのセクシュアリティについてなにか有益な話ができるようになるか……。留保はいっぱいつきながら、ここから考える本、として評価できるし、他に類のない一冊であることは間違いない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【概要・粗筋】
男の不感症(=射精後の空虚感)をキーワードに、ミニスカや制服、少女たちに欲情する男性心理やメカニズムを筆者自らの体験・感覚に基づいて掘り下げた男のセクシュアリティ論。
【感想】
筆者が指摘する男のセクシュアリティにおけるふたつの根本問題である、射精後の空虚感・虚無感(これを不感症、または「感じない」とするのはしっくりこないけれど)と自分の身体への否定感については、とても共感できる。私自身同じような感覚を持っている。ミニスカ、制服、ロリコンに対する具体的な分析もさることながら、このふたつの問題を指摘しただけでもセクシュアリティ論として素晴らしい。
もっとも、本書は著者の自分語りという体裁をとっているので、細かい部分で共感できない部分がある。例えば、「とくにどの部分が一番汚いと感じるかというと、(中略)精液が出たあとのペニスの周辺である(P146)」は首肯できるけれど、汚いと感じる理由を思春期の射精に対する否定感と結びつけることには共感できない。
著者と私では異なるセクシュアリティを有するのであるから、共感できない部分があるのは当たり前であるから、細かいところで共感できなくても問題はない。けれども、本書に通底する男のセクシュアリティに対する否定意識は共感できないどころか反発すら感じる。この否定意識は「男の性行動はこれから変えていくことができるし、変えていかなければならない(P49)」と無根拠に云いきっていることからもわかる。このフェミニストへの迎合ともいえる筆者のバイアスは、見逃すことができない本書の瑕疵だと思う。 -
ゼミ論文のために必要かと思って
わざわざアマゾンで購入した本。
男らしくなろうとして、寝る前に筋トレして、平泳ぎが出来るようになった
ってのが本書の内容に関係なく、おもしろかった。
新書はおもしろい。自分が感じられないこと(小説とかだと、自分の感覚のひだひだでしかとらえられないことが、たくさんあるけど)を
感じさせてくれる。感じさせる、というより教えてくれる。
不快になんかならずに軽くすいすい読めた。
ちなみに私は、これを読む前から平泳ぎは一応出来る。
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エビデンスなんてどこ吹く風といった感じで、著者は主観から己の欲望や実体験をこれでもかと書きつけていく(むろん意図的・戦略的に)。したがって社会学あるいはフェミニズムの観点からすればツッコミどころ満載なのだけれど、ぼくはむしろその蛮勇にいかなる意味におけるイヤミもなく感服する。ここまで自分を晒し、かつ極論・暴論に陥ることなくこの世界にふたたび軟着陸する己の成熟・成長の過程を示すのはそのまま著者の人間力の表れでもあると思うのだ。古い本だが、本田透『電波男』『萌える男』とは別のかたちで男の苦しみを描いた実録文学
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同じことを考える人間の正直な言説に触れ感動しました。
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森岡氏自身の体験談なども含みながら制服の少女に性的に惹かれてしまうことや、ロリコンについて、射精についてなど色々と書かれていた。読みながら「女性からしてみれば恐ろしい思考だな」と思うものもチラホラあった。
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「猥談を大真面目に語る本」というと筆者に怒られるだろうか。中盤以降まではそんな印象があった。男の性欲を「生物的な観点で通りいっぺんで語りたくない」と言うだけあって、自らの嗜好や行動を赤裸々に語ることで深く分析している。
筆者によれば、男はみな女性と比べて不感症であり、「男とは汚いものだ」という思いが根底にあり、それが性欲やフェチズムに繋がっているとしている。時折「そうかなあ?」と思う箇所はあるが、男の性欲のメカニズムを皆頭ではわかっていても認めたくない、レベルまで掘り下げて語っており、分かりやすく納得してしまう所も多い。
後半は筆者のトラウマ的な話が生々しく語られここで更に引く読者もいるかも。しかし全体を通して、共感はせずとも理解はできる所が多い一冊だった。 -
どうして無意識に複雑な自分の欲求を満たそうとする心の動きができるのか不思議だった。(後半の自分を産みなおしたいというらへん)それを意識的に掘り下げるというのも本当にそんなことができるのかと疑問に思った。
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男性体と射精のメカニズム
うーんつくづく男と女ってのは肉体のつくりが違うんだなあ・・・ -
娯楽としてよんだほうがよい。