拉致 (ちくま新書(540))

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480062406

作品紹介・あらすじ

北朝鮮にとって、なぜ拉致は必要だったのか。そしてそれは、北朝鮮国内ではどのような機関が計画・実行し、朝鮮総連など在日の諸組織とはどう連動していたのだろうか。大きな国民的話題になっているにもかかわらず、この基礎的な事実は依然として不透明なままである。かつて内部に身をおいていた著者が、さまざまな情報を比較・検討し、国家犯罪の驚くべき核心に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    北朝鮮にとって、なぜ拉致は必要だったのか。
    そしてそれは、北朝鮮国内ではどのような機関が計画・実行し、朝鮮総連など在日の諸組織とはどう連動していたのだろうか。
    大きな国民的話題になっているにもかかわらず、この基礎的な事実は依然として不透明なままである。
    かつて内部に身をおいていた著者が、さまざまな情報を比較・検討し、国家犯罪の驚くべき核心に迫る。

    [ 目次 ]
    第1章 日朝共同宣言と在日社会の衝撃
    第2章 北朝鮮による日本人拉致と対韓政策
    第3章 北朝鮮情報機関の創設とその任務
    第4章 日韓条約の締結と北朝鮮の対韓工作
    第5章 韓国武力解放路線と在日工作活動
    第6章 日本人拉致を指示した金正日
    第7章 対韓工作員の質の向上と日本人拉致
    第8章 韓国人の拉致とレバノン人拉致
    第9章 日本人拉致と対韓工作
    第10章 外国人拉致は北朝鮮の専売特許ではない

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 「拉致」中心ではあるけれど広く「北朝鮮の対日・対韓工作史」という仕立ての本で建国あたりからの北朝鮮と総連の工作活動が北朝鮮当局の統一戦略との連関をもってよく説明されている。日本人拉致関連で著者の重要な主張は、特定失踪者問題調査会が主張している拉致の可能性を捨てきれない失踪者(53年〜04年→今は48年〜)のうち初期と後期のものは時期的に根拠が薄いという点(遭遇拉致は除)。北朝鮮が日本人を拉致した目的は対韓工作のための北朝鮮工作員の日本人化教育と旅券を利用した身代わりの必要性からだが、前者については70年代までの北朝鮮工作員は戦前日本で教育を受け、日本人同様に日本語を話す人々であったということ、後者については65年以前は日韓の一般人の往来が禁じられていたため対韓工作のために日本人の旅券を使用することができないし、北朝鮮の海外拠点もほとんど無かったので、まず必要がなかったとしている。そこで69年前後の内外の情勢的変化から韓国国内の革命勢力の醸成を優先する政策に転換した金日成が69年末に対韓工作員たちに与えたという秘密教示(1、新潟に入港する帰国船を最大限に利用して対韓工作に当たる2、必要なら日本人を包摂するなり拉致して対韓工作に使う3、日本を経由した韓国工作をさらに活発化させる)からやがて政策的な目的で日本人拉致が実施されるようになったとしている。

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