内部被曝の脅威 ちくま新書(541)

  • 筑摩書房
4.03
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本棚登録 : 266
レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480062413

作品紹介・あらすじ

内部被曝とは、放射性物質を体内にとりこみ、長時間にわたって身体の内側から放射線を浴びることである。恒常的に被ばくすることで遺伝子が傷つけられ、癌などを誘発するといわれている。だが、このリスクを見極める研究は少なく、人体への影響をめぐっては議論百出だ。本書では、ヒロシマでの被ばく後、六十年にわたり内部被曝の研究を続けてきた医師・肥田舜太郎と、気鋭の社会派ジャーナリスト・鎌仲ひとみが、内部被曝のメカニズムを解き明かし、その脅威の実相に迫る。「劣化ウラン弾」などの大量使用により新たな様相を帯びる「核の脅威」に斬り込んだ、警世の書。

感想・レビュー・書評

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  • カテゴリ:図書館企画展示
    2016年度第9回図書館企画展示
    「災害を識る」

    展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。

    開催期間:2017年3月1日(水) ~ 2017年4月15日(金)
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

  • 被曝の怖さと原子力兵器の怖さ、そして愚かさを綴っている。

    「劣化ウラン弾や核兵器の使用はやむを得ない、合理性が高い。」とか言ってる奴は地球が壊れる前に即刻何処かに消えてほしいと心底思っている。

    覆水を盆に返らすことはできない。
    「今考えてみれば、あれは良くなかった。」という発言は断じて許されるものではない。
    そしてその実行を止めること自体が圧倒的に大変で難しかったりもする。
    できる範囲で自分に今何ができるのか、考えさせられました。
    (答えはまだ出ず、すみません。。。)

  • 林麻衣子所蔵。篠原ゆかさんに貸しています。

  • 2005年刊。◆核エネルギー使用に伴うゴミが、体内に蓄積されることで生じる内部被爆。この問題について、湾岸戦争で利用された劣化ウラン弾、広島・長崎原爆の後遺症などから解説。また、戦後、原爆症の認定を受けられないまま死亡した低線量被爆者を医師として診察した経緯等も描写。内部被爆による影響は、低線量ながらも、長期かつ近接しており、影響は距離の2乗に反比例するから座視できない影響あり。また、影響が科学的に証明されてからでは遅い。本来は被爆国として当然だが、フクシマ以降はより一層意義深く、読み継がれて欲しい書。

  • 新書文庫

  • 原爆から劣化ウラン弾まで ―
    http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480062413/

  • 書名通り。
    また、サブタイトルに「原爆から劣化ウラン弾まで」とあります。
    アメリカ軍がイラク戦争で用いた劣化ウラン弾のことについても触れていますが、ここの部分は被曝の被害もさることながら、それ以上に、イラク国内の医療の悲惨な現状が述べられているので、無視できない部分、知っておかなければならない事実があります。

  • 福島の事故で、被ばくに関して自分は何もしらないことに気が付き、早速、入門として新書を読んでみた。
    作者の肥田医師は広島の原爆を体験し、原爆被爆患者を60年以上診てきた医者&活動家。鎌仲氏は、新進気鋭の社会派映像ジャーナリスト。両者とも、私は3月の原発震災が起こるまで知らなかった。

    そもそも、「内部被ばく」という言葉じたい、福島原発以前には馴染みがないものでであった。外部から受ける放射線からの被ばくは、たとえら医療の放射線を浴びる原爆の直接的な被害であったりするわけだ。しかし、違う意味で恐ろしいのは、体の内部に放射性物質を取り込んでそこから出る放射線によって被ばくすることである。広範囲で長期にわたる障害が出るので、原発を推進する側が一番隠しておきたい真実である。実際、内部被ばくの影響はかなり過小評価されており、国際的な基準さえも何らかのバイアスがかかっている可能性が大きい。

    この本では、広島・長崎での原爆後遺症としての内部被ばく、イラクや湾岸戦争で使われた劣化ウラン兵器が及ぼす内部被ばく、アメリカにおける核施設(原発や核兵器製造工場、ウラン再生工場など)周辺の内部被ばくなどが語られている。

    広島・長崎の原爆投下後、被爆者データはアメリカ軍が管理することになり、被曝者も医療従事者も、症状などをカルテに残したり書き残したりすることは禁じられていたそうだ。データの収集と分析はアメリカによって行われ、結果として「広島・長崎での長期的な原爆の影響は認められない」ということになってるようだ。このような見解は、現在の福島原発の解説などでも何度か聞いた言葉である。日本政府も戦後13年間も、広島・長崎の被曝者への調査、援助などは一切行わなかった。要するにほったらかしだったのだ。ずいぶんたくさんの人が、内部被ばくによる影響で命を落としていったようだ。

    ほかにも劣化ウラン兵器による被害のことなどが書かれているが、2005年に書かれた時点では、劣化ウラン兵器の健康に対する影響についてはWHOの調査などは実施されていないようだ。ただ、そこで働いている医師や、日々病んで死んでいく人たちだけが被害の深刻さに耐えている状況だ。

    福島収束のあと、日本人が経験するのは、まさにこの内部被ばくの恐怖であると思う。長期にわたる放射性物質の漏出によって、日本のおそらく広範囲の土地や水、空気が汚染され、結局それは私たちに降りかかってくる。被害はたぶん数十年後に表れ、またそれも何世代にもわたって続く可能性がある。そして、健康被害が出ても、もしかしたら本人は自覚することもないかもしれない。自覚しなければ誰を責めるでもなく、個人の問題として終わるだろう。
    内部被ばくの被害は、そんな形で世界各地に点のように散らばっているのだ。ヒロシマも、アメリカ各地の核実験も、チェルノブイリも、フクシマも、本当は全部つながってるのに。

    放射能による内部被ばくの可能性は、原発がある地域ならぜったいに無視できない(でもいままで無視されてきた)。放射線は人体には有害である。そして政府は絶対に助けてくれない。
    これを事実と見て、それからどうするのか。これだけ原発や兵器工場や核廃棄物がいっぱいのこの世界で、いったい人間はどうやって生きていけばいいんだろう?フクシマ後、日本はどうするんだろう?いま考えているけれど、どうしたらいいのか全くわからない。世界はこんな状況にまできてるんだ、とほとんど放心状態である。

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