- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480062598
作品紹介・あらすじ
技術を身につけて職人になりたい-大学を出ても就職が難しい現在、そんな若者が増えている。そして若者にとどまらず、職人への転職を考えるサラリーマンも少なくない。では、職人になるにはどうしたらいいのか。そして、職人生活(人生)はサラリーマン生活(人生)とどうちがうのか。著者は、桧皮葺・柿葺の専門職人の十代目で、国宝や重要文化財となっている歴史的建造物の保存修復を生業とする。その著者自身の経験および、屋根職のほか、宮大工、左官などの他の匠たちから聞き出した話をもとに、職人人生の機微と、知られざる伝統技術職人の「現在」を伝える。
感想・レビュー・書評
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ものづくりという事、職人という事、を考えるのに古今稀に見る民俗学の好著と言える。何よりも、書き振りが手練れていて、ところどころに文学としての鮮やかな文章が読める。職人だけではなく、人と何かを作っていくという人間社会の基本的営為について参考になることが多々ある。
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僕は昔、こういう世界に一時、自分の身を置いていたことがあってそのときの事を思い出しながら読んでいました。職人の生涯と仕事について書かれた本です。
僕は昔、こういう世界に身をおいていたことがあったので、この本を見て手にとって見ては見たのですが結局のところ職人の世界にはにはなじめなく、こうしてここで駄文を書き垂れてるわけですのでなんともいえませんが、実際に彼らの世界に飛び込んでいくかと言うことはまた別の話だとしても読み物として読む分には面白かったです。
書いているのは主に伝統工芸に従事する職人についてのよもやま話なんですが、ここで取り上げられている職人たちのほかにも現在では職人の職種が横文字のものも含めて現在では細分化されすぎていて、区別がつきません。
ここで僕が覚えている話といえば、技量については申し分ないのですが、あまりにも融通が利かないので、暇を出されてしまった一人の職人のことでしょうか? 自分の仕事に誇りを持っていて、仕事で人に遅れをとるのは恥だと言う教育を受けている、と言う一文が自分の心の中に非常に残っていまして。仕事とはこれだけかけなければいけないことなのかと読んでいて身が引き締まる重いでした。
悪くない本ですよ。これも。 -
檜皮葺(ひわだぶき)師という職人が書いた本。この手の本にしては、説教じみた感覚が少なく好感の持てる筆致だ。含蓄のある言葉が随所にまとまっていて共感できる。特に人を育てるというテーマには、勉強になる話しが多かったように思う。ただし、職人特有でもない話を、職人特有のように書いている部分が何箇所かあるのがちょっと残念。
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2005.10 222p. 18cm ちくま新書562<br>
502.1 職人<br>