ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書 582)
- 筑摩書房 (2006年2月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480062857
感想・レビュー・書評
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今読んでも古くない内容
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1.次の時代の三大潮流 web2.0
①インターネット
②チープ革命 ムーアの法則
③オープンソース
→既存社会のコスト構造と軋轢
2.知の世界の秩序を再構成
IBM→MS→google
恐竜の首 ロングテール -
2006年刊行の書籍であるが、今読んでも古さを感じさせない、今だからこそその新規性について驚くばかりの、インターネットの本質について指摘した良書である
特にグーグルに関する指摘は、「いままさに」ッて感じで感心させられる。
・次の10年への三大潮流
「インターネット」「チープ革命」「オープンソース」
・ネット世界の三大法則
「神の視点からの世界理解」「ネット上につくった人間の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏」「ほぼ無限大×ほぼ0=Something、あるいは、消えて失われていったはずの価値の集積」
【参考図書等】
・「マイクロソフト・ウェイ」(ランダル・E・ストロス)
・「ザ・サーチ − グーグルが世界を変えた」(ジョン・バッテル)
・「英語で読むITトレンド」(梅田望夫) -
2007/07/21読了
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蔵書整理で手放すので、再び出会い読む日もあるか
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Web2.0が何たるか?をGoogleという会社の方針とビジネスモデルの凄さを引用して紹介。自分が思っていた以上にインターネットの登場がIT業界全体をも巻き込んでいたことにあらためて驚きました。
IT業界の最前線にながら、この本を読んでいなかったことを恥じなければなりませんね。本当に衝撃的な作品であり、かつ著者の梅田さんの文章力によってぐんぐん引き込まれていった。Web2.0って、何なの?って、いまさら聞けないよ・・・っていう人には是非とも読んでもらいたい名著です。
これなら皆の評価が高いのも頷けます。
これから先、自分が生きていくドメインを考える良い機会にもなりました。
(追伸)
この本を読んでから、ネットと深く関わっていくことを誓い、Googlerになりました(笑) -
ネットに起こっている変化を、ネットを全く使わない層に向けて説明した本
目次
<blockquote>序章 ウェブ社会―本当の大変化はこれから始まる
第1章 「革命」であることの真の意味
第2章 グーグル―知の世界を再編成する
第3章 ロングテールとWeb2.0
第4章 ブログと総表現社会
第5章 オープンソース現象とマス・コラボレーション
第6章 ウェブ進化は世代交代によって
終章 脱エスタブリッシュメントへの旅立ち
</blockquote>
最近になって、ソーシャルウェブという言葉の意味を知るようになった。
ネット上で多くの人が情報を共有・交換する世界だ。
この本では、2006年の時点でのロングテールだとかWeb2.0だとか……いろんなことが騒がれているなかで、世の中に何が起こっているのかをわかりやすく説明している。
<blockquote>グーグルを考える上で押さえておかなければならない基本がある。それはネットの「こちら側」と「あちら側」の違いについてである。そして技術進化の大きな流れとして、ネットの「こちら側」から「あちら側」へのパワーシフトが、これから確実に起きてくるのだということである。</blockquote>
こちら側、あちら側……面白い喩えだなあと思う。
こちら側は、ネットをあくまで道具として使った、リアルと深く結びついた領域。対してあちら側は、ネットでほぼ完結してしまう、バーチャルな世界。
この違いを淡々と説明しているのだが、昨今のネットの進化は、正に「あちら側」へ何かが移動しているのだと思える。
例えば、これについてグーグルに関してのこんな記述がある。
<blockquote>グーグルがゴールを目指しているのは、「グーグルの技術者たち(むろんここは人間がやる。逆にいえばこれができる人間以外は要らないという思想がグーグルには本質的にある)が作りこんでいく情報発電所がいったん動き出したら「人間の介在」なしに自動的に事を成していく」世界である。</blockquote>
グーグルはあちら側として、人間の介在しないシステムを考えていることが伺える。
また、ブログやwikipediaの集合知に関しては、こういうことが述べられている。
<blockquote>個が意識すべきことは、知的生産活動の成果や途中経過をネットの「こちら側」ではなく「あちら側」に置いて、自分だけでなくネット上の誰もが共有して利用できるようオープンにすることだけ。
(中略)
前章では、これから大きなブレークスルーが期待される領域として「自動秩序形成システム」が重要だと指摘した。「全体」など全く意識せずに行う「個」のネット上での営みをうまく集積すれば、自動的に「秩序形成」という価値を創出できるのではないか。</blockquote>
あちら側はネットにある世界だからこそ、全ての情報はオープンである。
そうすると、あちら側にいる人たちは、全ての情報を自由に使えてしまう。しかし、情報もいいものと悪いものがあるから、そこから篩い分けをしなきゃいけない。
ここで、個々人が篩い分けをしていき、複雑な集積結果が積まれたときにどうなるか?
答えは、SBMの結果、Googleの検索結果、wikipediaの各ページ……そういったものに現れてきてるのだろう。今はもっといろんなものに結果が出てきてる。まだまだゴミが混ざってはいるけれど、かなり有用なものになっている。
さらに、この違いを「不特定多数無限大を信頼できるか否か」というもう1つの対立軸でもって表現している。
こちら側で「不特定多数無限大」を信頼した存在として、著者はlinuxを挙げている。
こちら側であるのは、OSだからだそうな。
まぁ……これはこれで、開発に多くの人々が信頼しあう状態であるのは間違いが無い。
しかしまぁ、それはやはり一定の共通認識があるからなんだろう。うん、それが”自動的に「秩序形成」”した状態なのかもしれない。
そして、著者はこれから「不特定多数無限大」を信頼し、ネットのあちら側にいる者こそ、次のネット世界を引っ張る存在だと言ってるが、現実出てくるんだろうか?「不特定多数無限大」な存在を信頼するのは、どう考えても難しい。限定付きの信頼ならまだしも、全面信頼は難しいんじゃないだろうか?
しかしソーシャルウェブの現状を見てみると、出てきてるんじゃないかな……とも思える。
twitterのようなアプローチは、既存の中では出てこなかっただろう。
それでもこうやっていろいろと考えさせられるのは、未だにこの世界が進化し続けていて、さらにまだ生み出されてないものに関しても思いを馳せていたりと、人によって感じ方の違いにかなり幅があるからだろう。
具体像が見えづらい領域……ともいえる。
ソーシャルウェブといわれているネットサービスを使う事でやっと感じる事ができるくらいだから。
時間が経つにつれ、有用性は減るかもしれないが、現在(2009年1月)時点でも、このネットの進化を知るには、まず読んでおいたほうがいい名著だと思う。 -
ロングテールの理解が深まった
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Web2.0に代表される今日のインターネットの潮流を理解するには良い。非技術者にもお薦めできる一冊。
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2006年02月読了