現代語訳 般若心経

  • 筑摩書房 (2006年9月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480063199

みんなの感想まとめ

深い哲学を持つこの書は、般若心経を現代語で分かりやすく解説しています。仏教の基本的な教えや実践方法が丁寧に説明されており、特に音唱の重要性が強調されています。読者は、暗唱することで心の中の「私」という...

感想・レビュー・書評

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  • 現代語訳 般若心経
    著:玄侑 宗久
    ちくま新書 615

    般若心経を東洋的な智慧ととらえる本書。西洋合理主義に対して、東洋的な叡智というものがあり、般若心経がその代表的な1つであるということを示す書でした。

    西洋の知は、人を幸せにしない。いわゆる、合理的な知。
    それが証拠にソクラテスは、理知では届かない「無知の知」を自覚していたにもかかわらず、それを体現する手立てを見出せなかった。70歳で死刑宣告を受け毒を仰いで死んだ。

    一方に釈尊とよぶゴータマ・シッタルダーは、大いに悩んだ末に大いなる、目覚めを得た。そしてブッダと呼ばれた。
    ソクラテスがロゴスによって到れなかった生命、しあわせの実感に、ブッダは瞑想という方法にたどりつくのである。

    理知によらない体験的な知、それを釈尊は、般若と読んだ。
    般若心経が難しいのは、人間の理知を超える体験をしようというところにある。

    荘子は、「吾、我を喪う」とあり、老子も、道(タオ)と表現し、荘子は、混沌と読んだ。

    この知を、理知的な知と誤解することを怖れた、鳩摩羅什や玄奘三蔵は、原語のまま、般若と音写した。

    般若波羅蜜多とは、智慧の完成と訳されるが、それは知的に理解できることではない。

    悟りの境地も、阿耨多羅三藐三菩提というが、これも音写のままだ。

    真理というものは、だれかに向けられた聖者の言葉にやどるものであって、万人向けの一般的な真実ではない。

    結集:ブッダの言葉が失われないように経典にまとめられて、アジア全域にひろがっていくが、このとき、言葉には表現できない、膨大な何かが失われた。

    般若波羅蜜多とは、呪文でもあり、これを唱えることで、能除一切苦、一切の苦を除くことができるのです。

    目次
    はじめに
    1 「般若心経」(大本)の訳
    2 「般若心経」(小本)の訳
    3 「般若心経」(小本)の書き下し
    般若心経全文
    般若心経のよみ方
    絵心経
    解題
    あとがき
    図版クレジット一覧

    ISBN:9784480063199
    出版社:筑摩書房
    判型:新書
    ページ数:224ページ
    定価:780円(本体)
    2006年09月10日第1刷発行
    2022年03月10日第22刷発行

  • 般若心経の訳本として分かりやすい。仏教の基本知識である四諦や十ニ縁起、六根、六境についても説明がある。
    また、音唱することこそが、本来の意義であることも書かれており、実践の道を示してくれる良書。

  • カミさんが出かけていない昼下がり、ナポリタンを作って三男と一緒に食べる。なんとなく家でダラダラ。

    般若心経の新書を図書館から借りて読む。ジャンルはバラバラ。その時の気分で何でも読んでしまう雑読男子。

    京都旅行では写経をしたし、谷中のお寺で坐禅を組んで唱えたこともあるが、般若心経がなんたるかは全く分かっていなかった。

    この新書が分かり易いという評判を知り読んでみた。
    薄ぼんやりとなんとなく分かった様な気がしただけで、正直、身に染みては分からない。

    そもそも、分かろうとする行為自体が「私」に囚われている。すべては「空」なのに、空を私で解釈しようとするから、悩みや迷いや苦が生じるという。

    般若心経は、空を悟り、涅槃の境地にたどり着くための咒文なので、暗唱して、何度も唱え続けることが本来の意義である、とのことであった。

    あー、書いてみてなんか違う様な気がする。やっぱり読みこなせて無い、理解できてない、と思う。

    でも、暗唱して音読するのが本来の意義というのは間違ってないと思うので、この300文字程の短いお経を、
    脳トレも兼ねて覚えてみようかと思って本を閉じた。

  • 量子力学を調べていくうち、なぜか本書に辿り着いた。

    ゴーダマさん凄い。あの時代に弦理論やら超ひもやら相対性理論を悟りで感覚的に理解していた訳だ。シッダールタまじ凄い。

    私が今まで日本語を学び、本を読んできたのは般若心経に出逢う為だったのではないかと思うほど。
    あまりスピってるとも思われたくないが、真理を志すのは良いことではないか。
    いや、そんな事を思っているから実相を空と捉えられないのだ。

    名づけのなかで、最も罪深いものが「私」という代物。
    考えてみれば、私たちは物心がついたときにはすでに生まれていたわけで。そしてそれまで「私」など関係なく生きていた「いのち」を、あるときから「私」だと思い込んだ。
    物心がつき、知恵づき、そしてさまざまな分別を身につけることでそれが肥大化していく。
    そうして「いのち」の実相に関係なく、いつからか「私」という名の何者かを中心にモノを見るようになっていった。
    当然、「花」のように、実物の「いのち」にはなかった自立性や恒久性が「私」にも付加されることになる。
    大胆な言い方をすれば、これこそがあらゆる「苦」の根源かもしれない。

    もしも今まで読書をしてこず、あらゆる先人の思想、アイデンティティを学んでいなければ私の知能では一ミリも理解できなかっただろう。本を読むことほど大切なことはないと改めて思う。

    色即是空 空即是色
    これだ。これ。

    宗教に興味はないが、釈迦はヤバい。語彙が乏しくなるほど奴はヤバい。尊敬する。

  • 般若心経について
    わかりやすく解説してくれている。
    仏教的な思想についても理解できる。

  • 苦しみとは何か、苦しみを生み出す原因は何か、苦しみから解放されるにはどうすれば良いか、これらが本書では非常に合理的に説明されていた。
    理知を用いて合理的に考え抜かれた末の結論が、理知を捨てることだということが、とても印象的だった。
    私自身、まだ理知(概念)から解放される涅槃には全く至っていないが、概念というものに支配されている”自分”を認識することができた点が、この本から得られた大きな学びだった。

  • 遅読なのに、わずか3日で読了。
    薄い本といえば薄いだろうけど、中身は結構分厚い感じがする一冊。
    たまたまあるコミュニティーの雑談で登場した「色即是空 空即是色」という言葉。
    音として知っているけど、それぞれの漢字の意味でなんとなく知っているつもりだったでど、ほぼ無知であることに気づき、そのままamazonで取り寄せた。
    現代語訳とのタイトル通り、何の障壁もなく頭の中に流れ込んでくる演出と文体。何も手に着かない時には、つまみ食いでも再びページを開いて読みたい本。

    『般若心経』は、実際は知らないけど汎用性のあるお経ぐらいにしか思っていなかったし、全文をじっくり読むことも、見ることもなかった。そもそもお経なんて「昔の仏教徒が語った“ありがたいお言葉”」で、儀式の1つの作法として唱えるもの。唱えたからと言って、何が変わるわけでもない。あえて言うなら、読経は西洋音楽に対抗できる東洋の音楽の1つというのが取り柄だと思っていた。

    ところが、ところがである。
    それほど長文ではない般若心経だが、その背景、基礎となる考え方、西洋の哲学やら最新科学の話題を盛り込みながらの現代語訳は、軽妙な文体とは相反して濃厚な、訳というより解説書のよう。
    というより、般若心経自体が仏陀(この本では世尊)の考え(悟り)のエッセンスを過不足なくスマートに凝縮した解説に思えた。

    200ページそこそこの書籍だけど、今まで手を出してきたユダヤ教や複雑系、脳科学の話しと、しばしば繋がるからシナプスは発火しっぱなしだった。そして、以前読んだ鈴木大拙さんの「禅学入門」で感じた、「異次元」を再び感じたと同時に、全てが収束されていく感じがして、すごくワクワクする一冊。

    ついでに、「羯帝羯帝波羅羯帝 波羅僧羯帝菩提僧莎訶」は、なんでも呪文だそうで、般若心経を暗唱すること、音読することは、意味を考える以前に何らかの作用を及ぼすという。普段関わりの濃い「音楽」も、スルスルとリンクしてしまいました。

    やっぱり、般若波羅蜜多は凄い

  • 読みやすい様に書かれてると思うけど、一つ一つの言葉の読み方、意味が難しい。
    ただ般若心経がなんなのかは漠然と分かった気がする。

    仏教の本は初めてだったが、興味が持てた。
    知識を持った後でもう一度読んだらより楽しめると思う。

  • 般若心経について、詳しい意味(大本ベース)の説明、読み下し(小本)、そして実際に唱える際の音読の読み方までコンパクトにまとめた一冊。

    知恵、真理に近づきたいと努力するなら、研究するにはよい自習書だと思います。

  • 衝撃的だったし、一度では理解しきれないので、読後即座に二度読み。即座に二度読みは人生初。まだ理解はできていないと思うが。

    1.自分が、自分が、、の現代にあって、「「私」をなくすことが幸せ」と説く。


    2.今まで常に何かを得よう、勉強しよう、とがんばってきたような気がするけど…

    ―どうしても私たちは、なにかを学ぶ、知識を得る、という次元で全てを処理するクセがついています。これも大脳皮質の強力な支配体制のなせるワザなのでしょう。本物の「いのち」の上に息苦しい虚構を作っていることに、なかなか気づかない。しかも「得た」と思うのは常に「私」です。タメになった、などと思っているうちはまだまだ「般若波羅蜜多」には程遠いのです。

    ―智も無く、亦得ることも無い

    ―般若とは、裸の「いのち」が本来もっている生命力への気づきでもあります。「空」というのは、「私」というものを抜きにした事象の本質的な在り方なのです。それを感じる主体は自他の区別がつかない状態で全体に溶け込んでいます。

    3.他に、ただ唱えること、それによって感じること…という節があって、これに関しては、まだよくわからないが。

    これだけを妄信してもいけない気がするが、
    行きつく先はこれなのだと知っておくと、実に楽になる気がする。私こそが、色んな悩みとか、不安の根源なのだと知っておくと。


  • 生のセンスデータに色を付ける
    「自分」。

    この本を読むことで「自分」を洗浄できたような気がする。

    •••あ!!
    「自分」を使ってしまった!という難しさσ(^_^;)

  • 久々にちくま新書を読みました。まぁ、ご察しの通り、なーんもおもしろくありませんでした。「空」の空気感は伝わったけれど、だからどうした?気になるのが人間なんだよ?自分の苦楽と共にすることを余儀なくされたのが人間だという生き物なのです。「空」だから、気にすんなって?そんなバカな。般若心経を声に出して唱えてみましたが、音程がよく分かりません。私と犬の違いは一体全体なんなんでしょうか?素直さ?人間は犬よりもはるか彼方にいる愚鈍でどうしようもない生き物なのです。悩むことが人間の良さだと、私はそう思います。

  • 再読して、ほんの少し理解が深まった。ただ知ることが全てではないと。

  • 般若心経って、知ってるけど出だししか知らないな…と思って手に取った本。仏教についても知ってるようで知らない。日本人にも馴染み深く、多くの人や文化に影響を与えた宗教。そして宗教なのに宗教色の薄い感じ?が仏教らしさでもあることが分かる。高校時代にやたら四字熟語あるなと思っていた般若心経。あぁ、そんなことが書いてあったのかということと、仏教のスタイルについて「ほぇ〜!」って思える書籍。面白かった。

  • わかりやすい。
    全ては自性を持たなく出逢いによる出来事。

  • 人はどうしたら苦しみから自由になれるのだろうか。私たちは、生まれ落ち成長するにしたがって、世界を言語によって認識し、概念を動員して理解する。それは、社会で生きる以上不可欠なものかもしれないが、いっぽうで迷いや苦しみの根源でもある。『般若心経』には、そうした合理的知性を超えた、もうひとつの「知」が凝縮されている。大いなる全体性のなかに溶け込んだ「いのち」のよろこびを取り戻すための現代語訳決定版。

  • 小説家でもある著者の書いた本なのでわかりやすくかつ惹きつけられるものも多かろうと手に取ったが、やはり自分にはしばしば難解な部分があった。認識するのでなく感覚でとらえる、ためには何度も唱えるしかないかも。挿絵のその時々でホッとする柔らかさが良かった。2021.10.7

  • 面白かったです。
    「仏教の辿り着いた世界観は、科学分野での研究成果と(それほど大きな)齟齬を来さない」と主張されており、時折、科学の話が挿入されるのが印象的でした。
    般若心経を通して、仏教の合理性、哲学的を存分に感じることが出来るかと思います(ただし、本書の著者は、合理性でもって全てを理解した気になるという態度には否定的です)。

  • 2021.03 『世界の古典 必読の名作・傑作200冊』より
    http://naokis.doorblog.jp/archives/Koten_SatoMasaru.html

  • 般若心経自体は、素晴らしい考え方が詰まっていてよかったが、読みにくい文章だった。もっと読みやすい訳の本があると思う。

    例えの多用や、平易な言葉で書こうとするあまり、回りくどくなっていると思う。

    例えも、一つ一つの内容が十分に検証されているように思えず、納得感が薄い。その点が気になって、般若心経自体の内容が入ってこなかった。

    般若心経を分かりやすく説明しよう、という意欲は感じるが、私には上手くいっているとは思えなかった。

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著者プロフィール

一九五六年福島県生まれ。慶應義塾大学中国文学科卒業。八三年、天龍寺専門道場入門。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺住職。花園大学仏教学科および新潟薬科大学応用生命科学部客員教授。二〇〇一年「中陰の花」で芥川賞を、一四年「光の山」で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。著書に、『禅的生活』(ちくま新書)、『荘子と遊ぶ』(ちくま文庫)、『やがて死ぬけしき』(サンガ新書)、『竹林精舎』(朝日新聞出版)などがある。

「2020年 『なりゆきを生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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