- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480063205
感想・レビュー・書評
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小さな政府という考え方や利点の説明。
田中角栄の政府構想はすごかったのだなぁ、と改めて感心した。
イギリスとスウェーデンの例。
結果の平等か?機会の平等か?について考えさせられる。
(読んでわかった)
非競合サービス
情報の非対称
負の所得税
所得再分配詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で借りた。
選挙でよく論点になる「小さな政府」「大きな政府」に関する本。今でこそ維新などが目指している路線であるが、この本は少し古く、小泉政権を評価するという側面がある。それが「問いなおす」となっている。
興味深いのは、イギリスとスウェーデンを例にとって、「小さな政府とは何なのか」「小さくすればよいのか」と、深く解説されている。単なる過去の政権の批判論調ではないところ。
やはり、格差拡大は当時から分かっていたんだなぁ、と見る。 -
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フリードマンのネオリベラリズムの経済思想を解説し、サッチャー政権の経済・社会政策とスウェーデンの福祉国家の可能性を検討した上で、現在の日本が進むべき道筋についての提言をおこなっています。
ネオリベラリズム批判は、ときに「格差」というマジック・ワードが提示されることで思考停止に陥ってしまうことがしばしばありますが、そうした誤解を正すためにも有益な入門書だと思います。 -
新自由主義に基づいた経済政策を著者も賛同する。
リバタリアにズムについて知りたいなら、思想書よりこの方が良いですね。
マクロについてはもうチョイ突っ込んでほしかったっす。 -
小泉政権の功罪と「格差社会」をからめて論じる人が多いけれど、それがいかに「みそくそいっしょ」な話かを理解するには、格好の本。
小泉政権が格差をつくったように言われている。ところが、「小さな政府」路線は鈴木善幸・中曽根康弘内閣の行革審・第二次臨調の路線を踏襲したモノであって、あたらしい話ではけっしてない。
反対に、「大きな政府」化は、田中角栄の「社会主義革命」「計画経済」に端を発していて、それが連綿と継続されてきた。(全国への新幹線も、本州四国連絡橋もぜーんぶここがネタモト)。
小泉が格差社会をつくったのどーのと吹き上がっちゃう人が、じーつにコナマイキに思えてしまうではないですか。オレのような「知ったか読者」には、気持ちがよすぎ。
この本は、大きな政府・小さな政府とはどういうものか、新自由主義とはなにか、というあたりから、「機会の平等vs結果の平等」というところまで、じーつにスムーズに解説してあって、さーすがというかんじ。
さらに、実例としてあげられているスウェーデンやイギリスの例もおもしろい。福祉大国といわれたスウェーデンもイギリスも、結局は「小さい政府」へ舵を切っている。「小さな政府」を目指す以上、格差があるていど拡大するのはしかたない。反対に、「大きな政府」のもとでは、「非効率」ゆえに、かえって絶対的貧困層が増えてしまうという皮肉がある。金持ちが増えて貧困が減るほうがいいのか、みんなで貧乏になって格差が小さいのがいいのか。そこらへんをわかりやすく、切れ味鋭く説明してくれている。
著者の結論としては、基本的に「小さな政府」支持なんだけど、小泉が「小さな政府」を実現したかどうかはすんごく不徹底だった、というもの。「格差拡大」がイイ・ワルイというだけの視点から、ちょっと高度を上げてみる。そのために、とてもわかりやすくて有益な本、だと思う。 -
小泉政権での構造改革、小さな政府への転換をその功罪両面から冷静に分析している。
ちょっと古いけど、ここで求められていた金融政策、インフレターゲットが現在ようやく行われ、成果が目に見えているので説得力がある。 -
NDC分類: 332.107.
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[ 内容 ]
バブル崩壊以降、「小さな政府」を求める声が高まった。
政府の市場への介入を最小限にし、個人の自己責任を重視することによって市場の効率が高まり、経済成長も促進され、国民の負担も軽減される、という自由主義的な考え方だ。具体的には、小泉構造改革が主軸に据えた規制改革や特殊法人と郵政の民営化や、地方財政改革、公共事業の削減などである。
だが、その結果は勝ち組・負け組を鮮明に分け、格差社会を招いたとも言われる。
今あらためて「小さな政府」の功罪を問いなおす。
[ 目次 ]
第1章 「大きな政府」へ
第2章 知られざる戦後日本の社会主義革命
第3章 新自由主義の台頭―「小さな政府」の思想
第4章 結果の平等か機会の平等か
第5章 「小さな政府」への闘い―サッチャー改革からブレアの第三の道まで
第6章 スウェーデン型福祉国家の持続可能性
第7章 日本の「小さな政府」への挑戦と挫折
第8章 小泉改革
第9章 「小さな政府」と格差問題
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