寝床で読む「論語」: これが凡人の生きる道 (ちくま新書 622)
- 筑摩書房 (2006年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480063274
感想・レビュー・書評
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こんなに楽しい『論語』の入門書が、かつて有ったでしょうか。我が学科の1年生にはぜひ読んでほしい本です。ただ、ちょっとしたことがあってこの本は絶版になりました。残念至極です。KN先生、もう少し心を広く持ってくださいな。若いときなら分からなくはないけど、ちょっと大人げないなと思ってします。(絶版になりましたが、古本では売っているようです。Amazonで確認しました。早い者勝ちです!!)
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孔子といえば春秋時代の中国の思想家・哲学者であり、儒家の始祖として3000人の弟子を抱えた大人物である。彼の教えを弟子達が纏め上げたものが「論語」で、これは現代までビジネスマンから主婦、学生まで広く読まれ、生き方や働き方の最高の教科書として同書をあげる人も多い。孔子の門人のうち才能の突出した70余人の学生は七十子と呼ばれ、論語の中ではそうした優れた弟子達と孔子の質疑応答形式で教えが説かれている。広く学生にまで読まれてるとはいえ、原文の漢字で読むのは難解かつ時間もかかるから、世の中には便利な解説書は平仮名併記されたものが数多く出回っている。また日常的に使う言い回しの中にも随分と多く論語をひいたものがあり、知らず知らずのうちに孔子の思想に触れている方も多く居よう。それ程までに現代まで深い影響力のある人物が孔子である。
私も(何十年前の)学生時代やビジネスマンになってからも何度か解説本を手に取った事があったが、どうやら難しかったのか、興味を持てなかったのか、睡眠導入剤としてぐらいしか効かなかったのか内容についてはほとんど記憶していない。
という事で本書は正に「寝床で読む」ぐらいだから頭を使わずして読めるのではとの淡い期待を寄せて読んでみた。成る程、わかりやすい上に全く疲れない。なんと冒頭には孔子だって人間だし、そんなに我々と大きく能力差がある様な事はなく、何処か身近にでもいる様な存在にまでにした挙句、3,000人の弟子達と肩を並べて一緒に講義を聞いてるかの如く、孔子が語りかけてくるでは無いか。終始本書を読みながら、窓もなく扉もない様な小さな小屋の中で、孔子と筆者と数名の門下生、そして私がそこに居て、大学のゼミの様な雰囲気で話している、その様な臨場感にいると錯覚してしまう。筆者の解釈も定説とは違う見方になっている部分も多いようだ。何故なら筆者自身が本書を読みながら自分の解釈をメモしたものを纏め上げた本という事である。
内容には触れないものの、やはりビジネスマンの私としては何か明日からでもすぐに役立つ知識を仕入れたいという欲に任せて本書を手に取ったのであるが、逆に役にも立たない様な部分があるのか疑問に思う程、そのすべての文字が生きる糧に感じるくらい心に響いてくる。読み終わった後には、ただ社会の中で自分がどの様にこの瞬間から過ごしていくかという想いが頭を巡っている。そしてそうした読み方をさせてくれた筆者には感謝でいっぱいなのだが、一つ言いたい事は寝ながら読めないし眠れなかったという事だけである。
これは何度でも読み直したい一冊である。 -
寝床で読むので大抵お酒が入った状態で読んでました。笑
そのぐらいゆるーく読める本です。論語って堅い本が多い印象ですが、楽しく理解したい方は是非。 -
論語の解説本なのですが、どちらかというと、著者が論語を題材に自分の人生論を語った本です。よくある論語の解釈そのままでなく、著者なりに意訳しているので、なるほどと思うものもあれば、これはちょっと言い過ぎでは?と思うものもあり。タイトルにある通り、寝床で読むように気楽につきあったほうがよさそうです。
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ちょっとツチヤ教授に似た
ナナメから見た論語
でも時々、硬~く語っちゃう部分もある
それにしても、解釈、ずいぶん言葉を補っているなぁ
音楽を聞いて三月、肉の味を知らず(述而)
孔子、肉好きなのにねぇ
岩波文庫の論語との対比 -
論語に触れたことが無かった私でも、すんなりと読むことが出来ました。 著者の解釈に基づくものが多いですが、大変勉強になると思います。 各章のページ数もそんなに多くないので、タイトルの通り、寝床で読むのも良いかも知れません。
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図書館で借りた
筆者独自の見解で書かれている、というのが
売りのような感じの本。
論語について読むのは初めてなので、
内容の善し悪しはよくわからないけれど、
読みやすい文章ではあるので、
入口としてはいいのかもしれない。
本当は、他に出ている「論語」も読み比べてみるといいのかもしれない。
「楽しい」を大切にすること
「他人と生きていく」ことに真剣に向き合うこと
というのが教えの大筋なのかな、と感じた -
執拗に自らを「凡人」と呼ぶ著者が、凡人目線で解釈した論語。すらすら読み進めながら納得しそうになるが、論語の正当な解釈を知らないので、ちょっと不安になったりもする。そういう意味では「ちゃんと論語を読んでみるか」というイニシエーション的な役目を果たしてくれた本とも言える。ユーモラスな表現で肩のこらない文を狙っているが、可笑しさの注釈や説明が多くて、あまりエスプリや洗練さが感じられなかったのが残念。
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結構好き嫌いが分かれそうな本。
私はこの方の解釈、好きですね。
『他者にいちいち文句を付けたがる時は自分自身から目を逸らしてる時』
痛かった・・・。心に刻みます。
やっぱり論語は面白いな。 -
[ 内容 ]
『論語』といえば古典のなかの古典。
泣く子も黙る儒教の聖典にして、道徳の一大体系である。
そんな常識を捨てて虚心に向かうと、また別の読み方もできるみたい。
凡庸な人間が、このありふれた日常を、楽しくかつ自分らしく生きるために、ほんとうのところ何が必要か、「ふつうの人間」である孔子は、そんなことを説いている(ように読める)のだ。
再入門にもぴったり。
肩の力を抜いて読む、等身大の自由訳『論語』。
[ 目次 ]
第1章 いい加減できりあげる(ウソをつくのも楽じゃない とりあえずやってしまおう ほか)
第2章 遊びごころを忘れない(好きだったらムダじゃない いま遊べるならいま遊ぼう ほか)
第3章 ひとの目を気にしない(自分のツボはなんだろうか むやみに目立ちたがらない ほか)
第4章 マンネリズムは楽しい(新しいものに飛びつかない こんなワタシにだれがした ほか)
第5章 ほんとうに大切なもの(自然の流れに身をまかせる とにかく老人をうやまおう ほか)
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[ 参考となる書評 ]
必ずしも、心は広くならない、という
いい例ですねw
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