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- / ISBN・EAN: 9784480063335
感想・レビュー・書評
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プロフェッショナル原論
著:波頭 亮
ちくま新書 629
しょっている、コンサルという感じでちょっと、イメージしている意識はちがったがプロの矜持と言う点では一部共感は持てました。
いわゆる、著者のいうプロフェッショナルとは、独立して動いている一匹狼なそれである。
どんなに有能な人材であっても、職業が一般の勤め人であれば、辞令一本で望まない業務に就かされたり、場合によっては個人的な倫理感に反するようなやり方を求められたりすることもある
それに対して、プロフェッショナルは意にそぐわない仕事をする必要はないし、自分の思い通りに仕事に取り組むことができる
これは、一匹狼的なコンサルの意見であり、コンサルファームや組織に属しているプロについて、決して当てはまらないとは思いました
気になった点は以下です
■プロフェッショナルとは、高度な知識と技術によってクライアントの依頼事項を叶えるインデペンデントな職業である
①プロは、極めて高度な知識や技術に基づいた職能を有していなければならない
②プロの仕事は、特定のクライアントからの特定の依頼事項を解決してあげるという形式を取る
③プロとは職業人として独立した身分である
プロとは、仕事を自己完結できなければならない
■プロの価値観
①クライアント・インタレスト・ファースト 顧客利益第一主義
②アウト・プット・オリエンテッド 成果志向 結果がすべて
③クオリティ・コンシャス 品質追求
④ヴァリュー・ベース 価値主義
⑤センス・オブ・オーナーシップ 全権主義 すべての責任を自分でもつ
■コンサルファームの掟
アップ・オア・アウト 昇進するか、さもなくば去るか
目次
まえがき
第1章 プロフェッショナルとは
第2章 プロフェッショナルの掟
第3章 プロフェッショナルのルールと組織
第4章 プロフェッショナルの日常
第5章 プロフェッショナル達へ
あとがき
ISBN:9784480063335
出版社:筑摩書房
判型:新書
ページ数:208ページ
定価:680円(本体)
発売日:2006年11月10日第1刷発行
発売日:2006年11月15日第2刷発行詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
プロフェッショナルとはどうあるべきかについて語られた本。
掟の話がキモ -
2000年代初頭までのプロフェッショナルとは何かという問いを一冊を通して論じている本。
今読むと、現代のプロフェッショナルとは異なる点も多く、また少し著者の経験に偏っているように思えるが、整理されており非常に分かりやすい文章。 -
少し冗長と感じるところもあったが、プロフェッショナルであろうとする私は励まされ、また反省させられた。
熟練の経営コンサルタントであり多数専門書も出版している著者が、コンサルタントをはじめ専門的技術を持って公益に奉仕する「プロフェッショナル」とはどうあるべきかを、長年の自身の経験と、歴史的伝承とを織り交ぜながら論じている新書である。プロフェッショナルは公益に資するべきであり、それゆえに client and output oriented でなくてはならないこと、quality consciousかつvalue based thinking であるべきこと、そしてSense of ownershipを持つべきことなどを紹介している。コンサルタントとしてこれを読むときに、これらよ価値が重要であることは理解できるものの、日々の実践のハードさとそれに甘んじているところを反省させられる一方、ファームや周囲の環境は果たしてこれを徹底できているだろうかという問題意識が芽生えることにもつながった。最終的に、経済偏重の世界で、上記の厳しい規律を守ることは難しいが、それでも頑張っていこうという励ましがあり、そこには共感するところも多い
以上でこの本の大まかな概要を伝えたが、それ以外にも多数の著者の経験や考えが記されており、それらの中には、2021年現在の1人の若者の感覚的には、古臭く、カッコ悪いように映る「おじさんのイキり」も感じるところがある。例えば、前述の、日本語で言えばいいのにわざわざ英語にしている重要な価値観の表現法、働き方はハードであることがプロといった価値観など、自分としては古臭いなと思う面もある。とはいえ、その背後にあるプロフェッショナルとしての自負の感覚はそれだけで励まされ、見習いたいと思うものでもある。 -
社会人初期に目を通して以来、恐らく3度目の読了を電子書籍にて。
タイトルのとおり、まさにプロフェッショナル「原論」。
一般的なプロフェッショナル論が、技術面、職能面への言及がメインとなるなか、本書はプロフェッショナルとして持つべき使命感、公益への奉仕、社会貢献といった心構えに関して、多くの紙面を割いている。
著者が指摘する通り、日本では仕事から得られる経済的価値以外の非経済的価値に関して、重きを置かれていない。
昨今では、仕事よりもプライベートを優先したいタイプが増加しているが、これらも経済的価値に重きを置いているのと変わりはない。
本書では、プロフェッショナルとして活動することで得られる誇り、公益への奉仕、周りからの尊敬、といった内面の充足感についても改めて指摘、確認している。
一方で、国内市場が成熟化するなか、かつ、プロフェッショナル人口(医師、弁護士、会計士、コンサルタントなど)が拡大するなか、競争は激化し、牧歌的だった1980~90年代のような受身での受注では飯を食っていくことができない状況になり、プロフェッショナルファームの商業主義化が進行している/していくのは間違いない。
そのような状況下でも、少しでも自身のプロフェッショナルマインドを向上させつつ、時には足元を見直すのも大事かと感じた。
また、技能面では、
・自身で価値創出プロセスにおける一連の取り組みを完結させることができる ⇒ 自由と安心を獲得でき、非経済的価値の発露につながる、という流れを意識し、「価値創出プロセスの自己完結」を意識
・当該分野では世界で一番の仕事を実現することができることを意識
して、業務に取組んでいこう。
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プロフェッショナル、「高度な知識と技術によってクライアントの依頼事項を適えるインディペンデントな職業」について。
プロフェッショナルの形態的要件
1.プロフェッショナルは極めて高度な知識や技術に基づいた職能を有していなければならない。
2.プロフェッショナルの仕事は、特定のクライアントからの特定の依頼事項を解決してあげるという形式をとる。
3.プロフェッショナルはインディペンデント、即ち職業人として独立した身分である。
プロフェッショナルの意味的要件
1.公益に奉仕する。
2.厳しい掟を遵守する。
プロフェッショナルの掟。
・クライアント インタレスト ファースト(顧客利益第一)
・アウトプット オリエンティド(成果指向)
・バリュー ベース(価値主義)
・センス オブ オーナーシップ(全権意識)
[目次]
第1章 プロフェッショナルとは
・プロフェッショナルとは
・プロとプロフェッショナル
第2章 プロフェッショナルの掟
・クライアントインタレストファースト(顧客利益第一):全てはクライアントのために
・アウトプットオリエンティド(成果指向):結果が全て
ほか
第3章 プロフェッショナルのルールと組織
・固有のルール
・ギルドとファーム
第4章 プロフェッショナルの日常
・仕事ぶり
・行動特性
ほか
第5章 プロフェッショナル達へ
・誘惑と不調和
・プロフェッショナル達へ -
プロフェッショナルの掟や仕事のルールから人間としてのプロフェッショナルらしさや日常行動に至るまで、プロフェッショナルの世界の実態とあるべき姿を示して、職業の本質を明らかにする。主として、医師や弁護士、経営コンサルタントなどをプロフェッショナルの代表とする。
プロフェッショナルの定義とは、「高度な知識と技術によってクライアントの依頼事項を適えるインディペンデントな職業」である。
3つの形態的要件と2つの意味的要件を満たすものとしている。
1.プロフェッショナルは極めて高度な知識や技術に基づいた職能を有していなければならない。
2.プロフェッショナルの仕事は、特定のクライアントからの特定の依頼事項を解決してあげるという形式をとる。
3.プロフェッショナルはインディペンデント、即ち職業人として独立した身分である。
1.公益に奉仕する。
2.厳しい掟を遵守する。
プロフェッショナルの掟。
・クライアントインタレストファースト(顧客利益第一)
・アウトプットオリエンティド(成果指向)
・バリューベース(価値主義)
・センスオブオーナーシップ(全権意識)
ー以下、メモー
私が求めているものは、プロフェッショナルなのかもしれない。高度な専門性・スキルによって、課題解決に貢献する、そんな存在に憧れる。
プロフェッショナルの掟や倫理観は金銭的・経済的な衝動によって失われつつある。高度な専門性を持ち、他者の人生に強い影響を持つプロフェッショナルにとって、大金を得ることはそう難しくない。掟に基づいて行動できるかが問われる。
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公益に尽くすプロの生き様ってかっこいい。
けど、実際どれだけの人が本書で言うところの真のプロフェッショナルなんだろうか。 -
ストイックなマインド
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著者が想定されているプロフェッショナルは、経営コンサルタントのみに限定することなく、各業種において国内トップレベルであるとか、世界有数の水準であるとかといった頂点レベルの文字通りプロフェッショナルな方々の仕事への向き合い方のようなものを述べていらっしゃるように感じました。
故に、あまりにもレベルが違いすぎましてちょっと得るものは少なかったように思います。
決して本の内容がどうこうという訳ではなく、私にとってはかみ合わなかった本ということで星2つとさせていただきました。
付箋は8枚付きました。
著者プロフィール
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