割り箸はもったいない?: 食卓からみた森林問題 (ちくま新書 658)
- 筑摩書房 (2007年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480063649
作品紹介・あらすじ
「割り箸が森林を破壊する」という言説がまかり通る日本。その論拠は「使い捨てだから」だという。でも、本当に割り箸は環境破壊の元凶なのだろうか?森を守る割り箸の役割に光を当て、自称エコロジストの独善的な論理を検証する。最も身近な木材から、中国の森林問題やヨーロッパの木材生産、はたまた日本の森と林業の未来について考える。
感想・レビュー・書評
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副題「食卓からみた森林問題」~割り箸が森林を破壊している,マイ箸で世界の森林を守るなどと大上段に振りかざす声は非常に不快である。それは事実なのかどうか十分に確認もせず,自らは森林破壊に手を汚していないのような主張はいただけない。加えて,他人に強制したり無理に勧めないいただきたい~ 多分,正しいと思う
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短絡的に物事をみる報道や世論に対して、苦言を呈していることは評価。
明らかにおかしなことを、人気取り・視聴率のために大袈裟に報道したり、正しく理解していないコメンテーターが一方的な意見を述べるのと見ていると、確かにこういった警鐘を鳴らすことは大切だと思います。
一方で、論じている内容が浅いかなとも・・・ -
そもそも「割り箸がもったいない」と感じたことがないので、割り箸賛成派と反対派の双方の主張が新鮮に感じられた。
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第5週 2/8(水)~2/14(火)
テーマ 「食」
↓貸出状況確認はこちら↓
https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00172118 -
割り箸問題は決着か? 環境問題はしばしば感情的になり、論理的な思考が停止してしまう場合がある。割り箸が熱帯雨林を破壊している・・・というようなかつての議論もどうやらそうだったようである。いま、日本で使われている割り箸の97%以上は中国産。それが中国の森林を破壊し、砂漠化を推し進めているということが、現在の「割り箸=環境破壊」主張である。ところが、実際には日本同様、中国での生産にも端材や植林からの木材が使われている。さらに割り箸に使われる木材量は年間60万立方メートルで、中国が年間に消費する木材量3億7000万立方メートルの0.16%程度。そのうち日本に輸出されるのは6割程度だから、0.09%。まあ、その程度の影響しかないわけである。それでも、現在ではシベリアの天然林の木材の利用や、輸送するのにも化石エネルギーを使用するわけで、出来れば国内の端材や間伐材をつかった割り箸を利用すれば、森林を適切に維持し、生産者の収入を保証し、林業を持続可能にすることにより、地球環境の維持にもなるという。
勝手に結論付けるとするならば、僕らが利用している「樹恩の割り箸」がもっともいい、ということである。
この大学生協の樹恩の割り箸の取り組み、かつての大学生協での割り箸論争、E大生協の取り組みや米子の王子製紙での割り箸リサイクルの話など、僕らの身近な話題も多い。 -
゛はやりだから、今や常識的だから、なんとなく知ったかぶりして乗っかってる゛ではなく、
多面的に情報を集めて、自分なりに考えた上で、自分の意志で意見を決めていきたい、
と、改めて感じた本。
そう、割り箸って本来は、エコなんだ♪ -
昨今話題の「マイ箸」に象徴される「割り箸が森林を破壊する」は本当なのか?を問いかけ、わかりやすく日本の割り箸事情をひもといていく。
筆者である森林ジャーナリストの第一人者、田中淳夫氏は、2010年2月に開催された「第3回みなと森と水会議」のゲスト講演者としても登場されている。(当日は聴講させていただきました!)
日本やアジアの林業の現状と未来を再考する一助に、また身近な環境入門書としても最適。